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投稿日:2019年04月12日

テーマ: 理科

リード文を読む理科入試問題③(共学難関校編)

皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。

今回のブログは、「リード文を読む」タイプの入試問題を掘り下げる第3弾となります。
「リード文問題」というのは、小学6年の受験生たちが知らないはずのことをリード文(説明文)で誘導し、
それについて答えさせる問題のことです。

さて、前2回のブログでは、リード文問題で求めている力を、大きく5つの力に分類しています。
今回も同じ分類で分析しますので、もう一度おさらいしてみましょう。

リード文問題で問われる5つの力

① 読解力……リード文に書いてある文章を正確に読み取る力
② 理解力……リード文から読み取った内容を正しく理解・想像する力
③ 活用力……文章中に示した知識を利用して問題を解く力
④ 連想力……文章から読み取ったことと、自分が持っている知識とを関連させる力
⑤ 考察力……与えられた情報から、物事の因果関係を論理的に考える力
※ 原則的には、①<②<③<④<⑤と、番号が大きいほど高度な力が求められます。

リード文問題である限り、①「読解力」 と ②「理解力」 を使わないことはほとんどありませんが、
それ以外のどの力を求めているかを分析すると、学校が求めている生徒像が分かります。

今回は、共学難関校の傾向を見てみましょう。

渋谷教育学園幕張中

全体的に長文で、他校の入試問題と比べても文書量が多い傾向があります。
求められる力は③「活用力」が中心で、一部、⑤「考察力」を問う出題も時々見られます。
扱う内容は、高校配当単元などの難しいものも多いですが、
しっかり読めれば解答にたどり着けるように作られていますので、練習が必要です。

渋谷教育学園渋谷中

渋幕ほどではありませんが、やはり文章は長めです。
また、一見関係なさそうに見える文がヒントになっている場合もあるので注意が必要です。
問題の内容も、一般的な受験知識で解く問題も含め、
③「活用力」・④「連想力」・⑤「考察力」を必要とするものがまんべんなく出ている印象です。
特定の方向への偏りがない分、やや対策は立てにくいですが、中でも⑤「考察力」を求める
問題の難度が高い傾向にありますから、ここを中心に訓練していくことが重要です。

お茶の水女子大附属中

多くはありませんが、一部、リード文を用いた問題が出題されることがあります。
求められる力としては、③「活用力」か④「連想力」で、いずれも比較的易しいものと言えるでしょう。

このように、難関中学ではよく見られる「リード文問題」ですが、共学校での出題はあまり多くありません。
(その代わり、渋谷教育学園系の問題は、いずれも極めて難しいです。)

全3回にわたってご紹介してきた「リード文問題」の出題分析はいかがでしたか?
もちろん、求められる力の分類も含めて、あくまで私の個人的な感覚です。
参考程度にお読みいただければ幸いです。

次回からは、ここまで分析してきた内容を基に、それらの力の鍛え方を紹介していきます。
どうぞお楽しみに!

理科ドクター