最新記事 2019年01月17日

テーマ: 国語

今日は「今月今夜の月の日」!

こんにちは! 受験ドクター国語科のS.M講師です。
寒いから…と、あったかインナーを選択しては、いざ外に出てみると
電車や建物の中は暖かいために後悔して……。
というループをかれこれ十年間くらい繰り返している暑がりの私です。
お子様にも、入試の時の服装については
「重ね着や羽織物を活用して、
暑くても寒くても調整できるように!!」
ということをオススメしております。

さてさて本日1月17日は、メジャーなところですと
「阪神大震災が起きた日」⇒「防災とボランティアの日」なのですが、
私は国語科の講師ですので、文学に関するところをあげてみたいと思います。

1月17日は、今月今夜の月の日 です。

ぱっと聞いても何が何だかわからない記念日だとは思いますが、
これは明治時代の作家尾崎紅葉の小説「金色夜叉(こんじきやしゃ)」の
有名なシーンが元となった記念日なのです。

ものすごく簡単にご説明します。
作中の人物である貫一(かんいち)が、恋人のお宮に裏切られたことを責めるときに言った

「いいか、宮さん、一月の十七日だ。来年の今月今夜になったならば、
僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、
月が……月が……月が……曇ったらば、宮さん、
貫一はどこかでお前を恨んで、今夜のように泣いていると思ってくれ」

というセリフがもとになっているのです。
裏切られて感情的に責めている場面なのですが、表現がとても美しいですね。

舞台となった熱海には、この場面をモチーフとした銅像もあり、観光名所になっています。

今月今夜の月の日1

この作品は雅俗折衷といって、会話部分は上記のように口語体なのですが
地の文は文語体で書かれているため、小学生が読むにはまだ少し難しいかもしれません。
でも、いつか何かの折に興味を持たれましたら、ぜひ読んでみてくださいね。
(作者が途中で亡くなってしまったため未完なのがとてもとてもとても残念ですが…)

今月今夜の月の日2

文学にまつわる記念日としては、「文学忌」というものもあります。
これは作家や俳人の命日を、その人のことを偲ぶための日として制定されています。
作家自身の名前がそのまま使われているものもあれば、
ひとひねりしたものもあり…これはこれでなかなか面白いものだったりします。

こちらもせっかくなのでいくつかご紹介します。
まずは、名前そのままな方々。テキストなどで見かけたことのある人たちだと思います。

●茂吉忌
斎藤茂吉の命日。2月25日。
「みちのくの母のいのちを一目見ん一目見んとぞただにいそげる」という短歌で有名ですね。
●賢治忌
宮沢賢治の命日。9月21日。
「やまなし」「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」など。擬態語・擬音語が特徴的ですね。
●漱石忌
夏目漱石の命日。12月9日。
「吾輩は猫である」「坊ちゃん」などなど。漢字の使い方がユニークですよね。
●雪池忌
なんて読むと思いますか? これ、「ゆきちき」です。そう。福沢諭吉の命日です。2月3日。
福沢諭吉が雅号として名乗っていたものが元になっているとされています。

今月今夜の月の日2

次に、代表作などから名づけられたもの。

●貝殻忌
新見南吉の命日。3月22日です。詩がもとになっています。
「かなしいときは、貝殻鳴らそ。ふたつあわせて、息吹をこめて。静かに鳴らそ、貝殻を。」
●河童忌
芥川龍之介の命日。7月24日。
有名な作品はたくさんある気がしますが、ここで使われるのは「河童」なんですね。
●吉里吉里忌
井上ひさしの命日。この人はだいぶ最近の方です。2010年4月9日に亡くなりました。
「吉里吉里人(きりきりじん)」という代表作からこの名前になりました。

今月今夜の月の日2

最後に、ちょっと風変わりなものをご紹介!
●一一一忌
山本有三の命日です。1月11日。
亡くなった日に「一」がみっつ出てくることと、「有三」の「三」をかけているのだとか。
●ホシヅル忌
星新一の命日です。12月30日。
生涯で1000編以上のショート・ショートを書いた作家です。
彼自身がイメージキャラクターとして使用していたキャラクター「ホシヅル」から。
●邪神忌
アメリカの作家ラヴクラフトの命日です。海外の作家さんにもあるのですね。3月15日。
「クトゥルフ神話」と言われる世界観をもつホラー小説で有名です。
作品世界のファンから敬意をこめてこのように言われているのですね。
●せんべろ忌
中島らもの命日です。7月26日。
2004年に亡くなった方ですが、生前「千円でべろべろに酔える飲み屋」が好きだったそうです(笑)
●ゲゲゲ忌
これはきっと、見た瞬間に誰もが「あの人だ!」と分かるはず…!
そうです、ゲゲゲの鬼太郎の水木しげるの命日です。2015年11月30日に亡くなりました。

いろんな文学忌をご紹介いたしましたが、いかがでしたか?
これ自体が入試問題に出てくることはおそらくないとは思うのですが、
さまざまな作家さんに興味を抱くきっかけのひとつになれば幸いです。

もし自分の記念日に名前をつけるとしたら……と考えてみるのも面白いですよ。

それではまた(・ω・)ノシ