最新記事 2020年07月30日

テーマ: 理科

いろいろな力~静電気力③ 水と電気~

今回は、静電気力の3回目です。

 まず、前回の宿題の確認。

問3

垂直に流れ落ちる水に、正に帯電したガラス棒を近づけると、図のようになりました。

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これに対して、負に帯電したストローを近づけた場合、水はどのように落ちますか。次の①­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­から③の中から選びなさい­­

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簡単でしたか。

正に帯電したガラス棒にひき寄せられるのだから、負に帯電したストローには反発する。よって答えは①だ! と思った方、いませんか。
今回は水の性質について、問題形式で確認していきながら、この問題の答えを導いていきます。

それでは本題の前に、今日の問題です。

練習問題

①水は( ア )℃で密度が最大になり、それ以下になると膨張する。

②水は液体から固体になるとき、体積がおよそ( イ )倍に膨張する。

③水分子は電気的に中性だが、部分的には( ウ )と( エ )の電気が偏って存在している。

問 空欄を埋めなさい。
アは整数で、イは小数第一位までの数で、ウとエはカタカナで答えなさい。

まず①②から。

ア=4、イ=1.1です。これは勉強していればどこかで押さえられていることでしょう。
水の液体としての体積変化は非常に小さいのですが、4℃で密度最大というところが他の物質にくらべて特異で、さらに、固体になるときに大きく密度が小さくなることもまた、特異であると言えます。

続いて③です。

ア、イプラス、マイナス(順不同)

説明のために無理やり作った感のある問いになってしまいました。入試でしばしば見かけますが…

水という物質は、水素原子(H)が2個と酸素原子(O)が1個で構成されています。

水分子をH₂Oと書くのは大人では知らない人はほぼいないことだと思いますが、小学生の場合、CO₂に比べるとH₂Oの認知度はかなり低いです。
ここで、Hはプラスの電気を1個、Oはマイナスの電気を2個持っています。

H₂O全体では持っている電気はプラスマイナス0となり、これを「電気的に中性」といいます。プラスでもマイナスでもないという意味です。

水溶液の「中性」は、酸性でもアルカリ性でもないのと似ています。

ところが、全体ではプラマイゼロでも、1個の水分子に注目すると、状況が変わってきます。
2個のHと1個のOのつながり方ですが、

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上のような直線的な位置関係ではなくて、実際は、

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このように、くの字型のフォーメーションを組んでいます。これを3人のアイドルユニットとしましょう。主役はそう、センターの酸素原子ちゃんです。正面から見ると、圧倒的にセンターOの存在感が強くなっていますね。それに対して二人のHはどちらかというと地味な存在。つまり全体ではプラスマイナス0でも、部分部分ではプラスが強いところとマイナスが強いところが偏って存在しているのです。

さて、このことを踏まえていよいよ本題に入りますよ!!

この水分子を帯電した物体に近づけるとどうなるでしょうか。

まず問題文で正に帯電したガラス棒にひき寄せられていたのはどういうことかというと、

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図のように、水分子の-マイナス寄りの部分(O)がプラスの電気にひき寄せられているわけです。

では、負に帯電したストローを近づけると、果たして水は反発するのか?!

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よーく見て下さい。水分子の「バックステージ側」はプラス寄りになっていますね!

これがストローにひき寄せられて、こうなるのです。

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したがって、問題の答えは①ではなくて③!

とわかりました。

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この問題、ほぼ全員①を選んでいて正答率ほぼゼロだろうと予想しています。

受験生のなかで差がつかないとしても、難関校チャレンジャーの皆さんにはぜひ根本の仕組みからとらえてほしいところです。

それではまたお会いしましょう。