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投稿日:2010年07月10日

テーマ: 受験情報 / 国語

プロって?

よく、この業界ではプロという言葉を聞きます。しかし、このプロという言葉が安易に使われている業界でもあると思います。学生の講師に需要があるのも、このプロという定義があいまいだからではないでしょうか。例えば、プロのサッカー選手を目指している少年が、お金を払ってまで学生に教わろうとするでしょうか。先輩に教わるというのはあると思いますが、それは無料ですよね。わざわざ探して、お金を払ってまでという発想にはならないと思います。

高学歴の学生講師も同じです。高学歴=学力がある=教えられるという考え方から、このような講師への需要があるのだと思います。

しかし、この考え方は間違っていて、この講師は教えているのではなく、知識や解法を伝えているだけなのです。それは、参考書でもできること。もちろん、伝え方がうまい人はいますが、導いて教えることはできません。なぜなら、プロではないからです。学習法を研究したり、市販のテキストを調べたり、入試問題をたくさん解いたり、研究したりしないからです。

つまり、学生はあくまでもアルバイトであり、プロはそれでお金を稼ぐわけですから、必死に上記のことを勉強するのです。もちろん、自力で。そして、何か効果的な学習方法なり、テキストなり見つけたら徹底的に研究していくのです。自分の時間を犠牲にするのは当たり前です。そのためには、学力は必要。しかし、ここで求められる学力とは、自力で考え、試行錯誤しながら、答え(効果的な指導方法)を見つけ出す力であり、さらに、社会や、教育関係の新しい情報や入試問題の傾向、生徒の学力状況や、ご家庭のニーズをつかむなどの分析力、そして経験則から得られる知識を有効に活用する応用力やコミュニケーションスキルなど幅広いものです。これらを身につけるのは、決して簡単ではなありませんし、まして片手間でできるものでもありません。

私は十数年前にサピックスに社員として入社しましたが、サピックスという会社は本当に無茶ぶりをする会社でした。例えば入社一カ月目に、当時の指導者(当時は国語科の副教科長、今は、相当偉い人です。)に授業開始一時間前に呼び出され、20問以上の6年のBテキスト問題を解くように言われ、あせりながら必死に解きました。そして、なんとか解き終えた問題を指導者に渡したところ、「うーん、いいんじゃないの。」で終了。解答はもらえず、途方に暮れていると、いきなり「これから、そのテキストを使ってαコースの授業をするから添削手伝って。」と言われました。

解答が分からない状態で、その先生と同じように、αコースの生徒の記述添削をするように言われたのです。それも授業中にです。まして、その指導者の先生は授業がうまく、テンポも速いうえに、添削スピードも速い。解答がない状態で、同じようにしろと言われたって無理。でも、そんなこと言えません。だから、その指導者の先生の採点ポイントを添削している様子や、○をもらった生徒のノートから解答やそのポイントを分析し、添削をしました。もう必死でした。だって、生徒に分かってしまったら授業が崩壊するし、αコースですから、勘が鋭い。当時は偏差値60,70という生徒もいましたから。

結果としては、なんとか無事終了。ちなみに、私の前の研修生は一カ月で辞めたそうです。

また、別の年では、2月に行われる入試分析会というのがあるのですが、実はそこでの講演を2年ほど任されたことがあります。(会社も血迷ったかと思いました(笑))

そのときも、いきなり3か月前に言われ、(それも11月なかば)かといってまだ入試が始まっていないので、原稿を作ることもできず、実質1か月で原稿を仕上げました。原稿が仕上がるまでのやりとりもそっけないもの。~が足りないなど駄目だしのオンパレード。でも、具体的にどうすればいいかなんて教えてくれない。だから、必死で考えたし、他の会場の講演者の話も聞きに行きました。

講演をはじめておこなう人は、模擬講演をサピックスの職員の前でやらされるのですが、これもきつかった。観客は、部長、教科長、室長クラスも大勢いるし、講演終了後はアンケートを観客に書いてもらい、ダメ出しをしてもらうという徹底ぶり。そして、ご丁寧に所属校舎にコピーして渡してくれるのです(悲)。

こんな素晴らしい(笑)経験をさせてくれたことは本当に感謝しているのですが、逆を言えば、プロとはここまでやるのです。だから、社員として入社してよかったと思います。社員でなければ、こんな体験はできなかったでしょう。そしてこのような経験を活かすことで、私のプロとしての技術が向上していくのだと思います。

では最後に、組分けテスト、センター模試の攻略方法について。

四谷の組分け、センターとも傍線部の解釈を正確にすることが、とても大切です。

とくに設問文の内容、傍線部やその周辺の文の内容は解答に結びつく有効なヒントになります。

この2つのテストは、文章全体を問う問題がほとんどないので、この考え方をしっかり身につけることが大切です。ただし、傍線部の周辺だけ読むというやり方は通用しません。

逆に文章全体を問う問題が必ずあるのが、サピックスのテストで、それも記述で聞いてきます。

大概は、心情の変化を問うものが多いです。上記のような傍線部の解釈を意識しながら、根拠探しをしていきましょう。また、設問のつながりも意識していきましょう。

まだあるのですが、企業秘密なので、これくらいでご勘弁を(笑)