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投稿日:2012年06月06日

テーマ: 算数 / 自由が丘校

入試に使える算数の基礎 ~各位の数を分解する~

   【問  題】

4けたの整数があります。いま、千の位と十の位の下図を交換し、
百の位と一の位の数を交換した整数を考えます。
(ただし、交換してできた整数は4桁になるとは限りません。
たとえば、もとの整数が1203のとき、交換してできた整数は312になると考えます。)

元の整数と交換してできた整数の和を考える時、次の問いについて答えなさい。

(1) この和は常にある整数の倍数になります。この整数を答えなさい。

(2) この整数の和が15857になりました。もとの整数として考えられる数の中で
最も大きい数を求めなさい。

[学習院]

 

 

   【解答・解説】

典型的な数の性質の問題です。

まずは問題を確認しましょう。元の整数は4桁ですから、それぞれの位の数を仮に

       千 百 十 一
       A  B  C  D

とおきます。

「千の位と十の位の数を交換し、百の位と一の位の数を交換」すのですから、
下図のようになります。

このような数の問題を解く、常套手段は

       それぞれの位の数で分解すること

です。

例えば1234という整数でしたら

        1234=1×1000+2×100+3×10+4

と分解できます。この分解法は様々な入試問題で使えるので覚えて
おきましょう。桜陰、麻布といった御三家でも出題されています。

最後まで解法がわからなくても、とりあえず、やってみる! という
のが重要です。

この学習院の問題も各位の数を分解して考えてみましょう。

(1)の解法

       元の整数 =A×1000+B×100+C×10+D

       交換した数=C×1000+D×100+A×10+B

元の数+交換した数 が「ある整数の倍数」になっているのですから

       元の整数+交換した数 = 「ある整数」×□

となるはずです。

   元の整数+交換した数 = A×1000+B×100+C×10+D

              + C×1000+D×100+A×10+B

これをアルファベットでまとめると

   =A×(1000+10)+B×(100+1)+C×(1000+10)+D×(100+1)

   =A×1010+B×101+C×1010+D×101

   =A×10×101+B×101+C×10×101+D×101

さらにまとめると

   =101×(A×10+B+C×10+D)

つまり、元の整数+交換した数は

       101の倍数

です。

                         答.101

(2)の解法

   元の整数+交換した数=15857

になる場合です。(1)から

   元の整数+交換した数=101×(A×10+B+C×10+D)
             =101×(A×10+C×10+B+D)

ということは、15857も101の倍数ですから

        15857=101×157

です。つまり

   A×10+C×10+B+D=157

です。

   A×10+C×10+B+D=(A+C)×10+B+D

と書けて、(A+C)×10 の部分と B+D の部分に分けることができます。
これが157になる場合、どんな数が当てはまるのか考えてみます。

        (A+C)×10    B+D

   場合①    150        7

   場合②    140        17

   場合③    130        27   → ×

場合③はB、Dは一桁の整数ですから足して27になることはできません。
つまり、場合①か②で考えます。

求める数は

   「もとの整数として考えられる数の中で最も大きい数」

です。

ということは、いかにAを大きくし、次にBを大きくすればいいのです。

場合①について

         A+C=15 → A=9、C=6

        B+D=7 → B=7、D=0

         もとの整数は  9760

場合②について

         A+C=14 → A=9、C=5

         B+D=17 → B=9、D=8

         もとの整数は  9958

つまり答は、9958 になります。

                          答.9958