みなさんこんにちは。受験ドクターの桑田です。
6月の講師ブログをお届けします。
前回のブログは、「キセル算のココロ 導入編」と題してお送りしました。

こんな計算問題を…

こんな風に変形して…

途中の分数を打ち消すことで、
と計算できることを確認しました。
その際、

などのように分数の差に変形できることを、実際に計算してみて確かめたのでした。
さて今回は、
や、
などの部分について、図形的なイメージを使って、とらえ直してみたいと思います。
突然ですが、

1辺の長さが1の正方形を考えてみましょう。この正方形の面積は、もちろん1×1=1ですね。
この正方形の縦の辺を2等分、横の辺を3等分します。

こんな図になりました。小さい灰色の長方形1個分で、
を表していますね。
そして…

このように横長の長方形を考えると、これは
を表していて、小さい長方形3個分を占めています。
また、

この青い縦長の長方形は、
を表していて、小さい長方形2個分を占めています。
ということは、小さい長方形の個数に注目すると、1=3-2ですから…

確かに、
の式が成り立っています。
こんな形で、式を図形的にとらえることができました!
や、
も同様に、


このような図で表せています。それぞれ、小さな長方形の数に注目しながら確かめてみてください。
今度は、
について考えてみましょう。縦を3等分、横を5等分した正方形を使って考えれば良いですね。

これまでと同じように、上のような図で考えれば…

…
…
…
では、ありませんね!よく見ると小さな長方形の数が合っていません!
を表している赤い長方形は小さい長方形5つ分、
を表している青い長方形は3つ分ですから、その差は2つ分で、

ではなく、


が正しいのです。
このように、分母同士の差が1になっている、
などとは様子が違っています。
では、少しひねられたキセル算、

のような問題は、どう計算したら良いのでしょう?

が正しいということは、
は、この値の半分。つまり、
と表せます。
同じように、

と変形できるので、

と、無事に計算できました!
キセル算では、計算のしくみや理由をきちんと理解しないままに、計算方法だけを暗記している人が目立ちます。
ひねられてもきちんと対応できるように、根本原理を理解してから計算するように心がけていきましょう。
今回は、ここまで!

