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投稿日:2021年09月03日

テーマ: 算数

受験算数のコツ!正方形タイルと敷き詰め問題

みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。

今回は正方形タイルことポリオミノについて解説します。
ポリオミノって何?と思われますよね。
ポリオミノとは、複数の正方形を点でつないだ多角形のことです。
2つつないだものをドミノといいます。そうです、あのドミノです。

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回転させたり、裏返したりすると重なる図形は1種類として数えると
ドミノは1種類しかありません。

3つつないだものはトリオミノまたはトロミノといいます。
ではトリオミノは何種類あるでしょう?

正解は2種類です。
下の図のように、ドミノにもう一つ正方形をつけて作りますが、そのときに
つける場所によって樹形図を作って考えます。重複するものに気をつけましょう。

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4つつないだものはテトロミノといいます。聞き覚えありますか?
このテトロミノが落ちてきて敷き詰めていくパズルが「テトリス」です。
このゲームを考案した科学者は、水族館でヒラメが舞い降りて海底と同化したり、
ヒラメの上にヒラメが重なるのを見て思いついたそうです。

テトリスでは7種類のブロックが落ちてきますが、裏返して重なるものを除くと
全部で下の5種類になります。
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そして、5つつないだものをペントミノといいます。
中学受験の世界でも、かつてペントミノは何種類あるかを答える問題が出題
されました。
これもテトロミノから樹形図で全ての形を一度作成し、
重複するものを消去して数えることになります。以下の12種類が正解です。

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以下、6つのヘキソミノは35種類、7つのへプトミノが108種類
8つのオクトミノは369種類あることが分かっています。

さて、このポリオミノを使った問題に「敷き詰め問題」があります。
所定のポリオミノを使って、指定された形に重ねることなく敷き詰める
という問題です。

 問題 下の長方形(たて4列、よこ5列 20マス)に、テトロミノ5種類を
     1つずつ使って敷き詰めることができますか?できる場合は敷き詰めた
     図を描きなさい。できない場合は「できない」と答えなさい。

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色々考えてみてください。答えは果たして?

それでは正解の解説です。
解説をするために、長方形のマスを市松模様に塗ります。

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正方形のテトロミノは、長方形の中にどのように置いても必ず
緑と黒が2マスずつ入っていることになります。

長方形のテトロミノ、L字型のテトロミノ、階段型のテトロミノも同様に、
どのように置いても必ず緑と黒が2マスずつ入ります。
しかし、T字型のテトロミノは、どちらかの色が3マス、残りが1マスになります。

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長方形には緑マスと黒マスが10マスずつですが、5つのペントミノに入る色マスは
合計で、緑11マス・黒9マス、もしくは緑9マス・黒11マスとなります。
そのため、絶対に敷き詰めることができないと分かりますので、
答えは「できない」です。

この市松模様を使った証明の仕方は、一筆書き問題でも使用されます。

なかなか奥が深いポリオミノの世界です。
正方形をつなげない「正六角形のテトロミノ」が何種類あるか?なんて問題も
出題されるかもしれませんよね。

それではまた次回お会いしましょう。

算数ドクター