最新記事 2020年02月10日

テーマ: 算数

受験算数のコツ!計算の本質と分配法則

みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。

今回は計算問題を攻略するコツです。
「計算ミスが多い」「計算力が弱い」「計算力を伸ばしたい」
ということをよく聞いたり、自分自身も言ったりします。

そもそも「計算力」って何でしょう?

桁数の多い計算も暗算できる力?
早く楽に計算する力?

正解は人によって異なると思いますが、私は
計算に対して、適度な速度で絶対に間違えない力
こそが計算力だと考えています。

筆算をいっぱい書いて計算をしていても
その筆算ひとつひとつが、まずまずのスピードで正確であれば問題ありません。
筆算よりも暗算することで得をする時間はほんの数秒です。
だとしたら自分にとって自信があり、確実な方法を選択すれば良いでしょう。

既に分数計算をしてくれる計算アプリがありますし、暗算で計算力を鍛える
ということが時代に合わなくなるかもしれません。中学入試でも電卓使用可
となるかもしれません。

繰り返しますが、大切なのは間違えないことです。
どんな便利な道具でも、ルールを間違っていたり、入力が間違っていたりしては
誤った数値を弾き出します。

したがって、計算問題を攻略するには
① 四則計算の順序を正しく理解し、計算問題に手順を書く。
② 逆算の方法を理解する。□÷2=3のような簡単な例をイメージして確認する。
③ 広めのスペースを確保し、式を整理する部分と筆算をする部分とに分けて作業する。
④ 2つや3つの数の『最小公倍数』『最大公約数』を思い出せるようにする。
⑤ よく使われる『小数と分数の変換』をおぼえる。

がまず挙げられます。これらは、いわば「機械に正しく数値を入力していくため」に
必要なことと言えるでしょう。

そして、同時に考えないといけないのは、道具に頼り切っていてはいけない
ということです。
自分のした暗算・筆算を過信していませんか?
電卓を使って計算していても、入力した数字が誤っていれば誤った数字が出て
きます。その誤りに気がつけないとダメです。

そこで、計算問題を攻略するポイントの続きとして、
⑥ 概数を使って、答えの数値に見当をつける。
⑦ 答えの一の位が正しい数になっているかチェックする。
⑧ 答えが3の倍数や9の倍数になるときに、各位の和を求めてチェックする。
⑨ やたらと大きな数が分母にあることに違和感を持つ。

が挙げられます。
「こんなことまで?」と思われるかもしれませんが、計算ミスしない人は
こんなことまでを「当たり前に習慣として」やっています。
計算ミス0%を目指すのであれば、これらのことを意識しながら、
1問1問丁寧に取り組む練習をしていきましょう。

さて、中学入試の計算問題において、時々お目にかかるのが
分配法則を用いた「計算の工夫」問題です。

分配法則は、交換法則・結合法則とともに初等代数学における計算法則
の一つです。

交換法則:
2+3=3+2、2×3=3×2 のように、加法と乗法では順番を交換しても答えが変わらない

結合法則:
(2+3)+5=2+(3+5)、(2×3)×5=2×(3×5)のように、加法と乗法では、結合の仕方=かっこをつける場所を変えても答えが変わらない。

分配法則:
(2+3)×5=2×5+3×5のように、かっこをはずした式に展開できる。
逆に考えると、2×5+3×5=(2+3)×5のように、かっこにまとめることもできる

この中でも分配法則を用いた問題が出題されますが、そのパターンは決まっています。
パターンをイメージでおぼえることで、出題されたときに気づけるようになれば大丈夫
です。

① 基本型
同じ数字が入った掛け算の式を足したり、引いたりしている場合
同じ数字以外をかっこの中に入れてまとめることができます。
この場合、かっこの中の計算をすると、10や100のように、そのあとの掛け算
が楽になることが多いです。
例 27×79+27×21
=27×(79+21)
=27×100
=2700

また、この掛け算の部分に交換法則が用いられていることも多いです。
例 19×151-51×19
=19×151-19×51
=19×(151-51)
=19×100
=1900

② 桁違い型
同じ整数でも、小数点の位置を変えて使っているパターンです。
例 31×0.28+3.1×7.2

この場合「31」と「3.1」が似ていて怪しいことに気づくでしょう。
そこで、31=3.1×10 として
31×0.28+3.1×7.2
=(3.1×10)×0.28+3.1×7.2
=3.1×(10×0.28)+3.1×7.2 ←結合法則を用いています。
=3.1×2.8+3.1×7.2
=3.1×(2.8+7.2)
=3.1×10
=31

結合法則の部分については、式を書かずに暗算で処理できるように練習
しましょう。

③ 倍数型
②の桁違い型と同じですが、こちらは小数点の移動ではなく、「2倍」「3倍」
などが入ってきます。
例 41×9+82×13+123×5

この場合「41」と「82」と「123」に注目します。
82=41×2、123=41×3、とすべて41の倍数になっています。
そこで、82=41×2、123=41×3 として
41×9+82×13+123×5
=41×9+(41×2)×13+(41×3)×5
=41×9+41×(2×13)+41×(3×5) ←結合法則を用いています。
=41×9+41×26+41×15
=41×(9+26+15)
=41×50
=2050

④ ドミノ型
これは3つ以上の積が足し算・引き算でつながっていますが、一気にかっこに
くくれない時に使われているパターンです。
例 19×12+19×43+31×55

19×12と19×43はまとめられますが、31×55は共通する数も、公約数も
ないためくくれません。
そこで、まず分配法則が使える部分だけ使っていきます。

19×12+19×43+31×55
=19×(12+43)+31×55
=19×55+31×55

すると、19×55と31×55で55が共通することになります。
これがドミノ型分配法則です。

この後は、
19×55+31×55
=(19+31)×55
=50×55
=2750
と求められます。

⑤ 割り算型
これはついつい間違えてしまうタイプの問題です。
例 35÷2+35÷3

ついつい、35÷(2+3)=35÷5 とやってしまいそうです。
でも割る数を足してしまうと、答えはより小さくなってしまうためこれは間違いです。

この場合は、割り算を「分数の掛け算」に直してから、分配法則を使いましょう。

35÷2+35÷3
=35×計算 分配法則1+35×算数 分配法則2
=35×(計算 分配法則1算数 分配法則2
=35×計算 分配法則3
計算 分配法則4

この5パターンで分配法則はすべて網羅しました。
実際の問題では、これらの組み合わせでできていますので分類して対応しましょう。

例 21×14.8-42×2.4+90×3.5 (ラ・サール中 2014)

どこにどの分配法則が入っているかわかりましたか?
ここでは、③倍数型と④ドミノ型が入っています。

計算の正確さとスピードは日々、正しいやり方で丁寧に取り組むことでこそ
身につけられます。小手先のテクニックに走らないよう、じっくりと練習して
いってください。