最新記事 2020年05月12日

テーマ: 国語

歌って親しむ季語

 

 

こんにちは、受験ドクター国語科・社会科担当の市村 史帆です。

 

風薫る五月となりました。

早いもので、立夏も過ぎ、そろそろ入梅・・・。

このような暦の知識や季語を使った表現にはなかなかなじみがないもので、暗記しなければ、と思ってしまう生徒さんを毎年目にします。

 

しかし、「テストによく出てくる季語を覚えよう!」というのも何だか味気ないというもの。

そこで今回のブログでは、小学校の音楽の教科書に出てくるような童謡・唱歌を題材に、俳句の季語を見てみましょう。

 

前提として、現在新暦(太陽暦)が使われている関係で、

 

春:現在の2~4月

夏:現在の5~7月

秋:現在の8~10月

冬:現在の11~1月

 

という分け方になります。

 

季語にあたる部分に、下線を引いています。

 

春の季語

 

『さくら さくら』

 

「♪かすみかくもか あさひににおう」

 

『おぼろ月夜』

 

「♪菜の花畠に 入日薄れ

見渡す山の端 霞(かすみ)ふかし。」

 

二番の歌詞にも、季語が含まれています。

 

「♪蛙(かはづ)のなくねも、かねの音も」

 

『茶つみ」

 

「♪夏も近づく八十八夜

 

「八十八夜」とは、立春(二月四日頃)から数えて八十八日目、という意味。

「夏も近づく」とありますので、春の季語であることがわかりますね。

 

夏の季語

 

文部科学省の指定する共通教材には、夏のうたとして

「うみ」「われは海の子」がありますが、この2曲には季語は使われていませんでした。

 

生徒さんに要チェック!と伝えるものとして、

 

「麦の秋」「雨蛙(蛙は春の季語)」「鮎(若鮎は春の季語)」

「かぶと虫」「こがね虫」

 

などがあります。

 

秋の季語

 

『虫のこえ』

 

「♪あれまつむしが ないている ~

あれすずむしも なきだして ~

あきのよながを なきとおす ああおもしろい むしのこえ」

「♪キリキリキリキリ こおろぎや」

 

その他、「くつわむし」「うまおい」も秋の季語です。

 

冬の季語

 

『冬げしき』

 

「♪さ霧消ゆる ~ 舟に白し、朝の。」

 

二番の歌詞、

「♪げに小春日ののどけしや」

 

三番の歌詞、

「♪時雨降りて日は暮れぬ」

「もし灯火(ともしび)の漏れ来ずば、~」

 

 

余談ですが、この童謡・唱歌、授業で生徒さんに詩の種類の説明をするときに例として挙げることもあります。

 

詩の形式上の種類として、定型詩、自由詩、散文詩の三種類がありますが、

童謡唱歌には古くから親しまれてきた和歌から派生して、音数に一定の決まりがある定型詩が多くあるのです。

 

例として「花」・「うみ」・「われは海の子」など、七音・五音を繰り返す七五調、

「ふるさと」などの六四調があります。

 

いくつか例を挙げて詩のリズムをつかんでもらうと、新しく出会う詩でも区別がつくようになってきます。

 

歌いながら、楽しく季語を身につける一助となれば幸いです。

 

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。