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投稿日:2017年03月04日

テーマ: 社会

中学受験に出る干支の話

こんにちは。
社会科担当のDです。
みなさん、社会の学習は順調に進んでいますか?

中学受験の社会の入試問題ではあまり塾では習わないようなことも出題されることがあります。
たとえば、「干支(えと)」もそのひとつです。

今回は「干支」についてお話しします。

 

<干支とは何でしょうか?>

陰陽五行説
古代中国(殷の時代)に陰陽五行説という思想がありました。
万物は「木・火・土・金・水」の5つの要素からできているという考えが「五行」。
「男と女」、「動物と植物」、「昼と夜」のように陰と陽が森羅万象を構成しているというのが「陰陽」です。
この「五行」と「陰陽」が合体したものが陰陽五行説です。
十干(じっかん)
陰陽五行説によって、「木・火・土・金・水」と「兄(え)・弟(と)」を組み合わせたものを十干といいます。

木の兄=きのえ=甲(こう)
木の弟=きのと=乙(おつ)
火の兄=ひのえ=丙(へい)
火の弟=ひのと=丁(てい)
土の兄=つちのえ=戊(ぼ)
土の弟=つちのと=己(き)
金の兄=かのえ=庚(こう)
金の弟=かのと=辛(しん)
水の兄=みずのえ=壬(じん)
水の弟=みずのと=癸(き)

 
十二支
これはおなじみの「子(ね)丑(うし)寅(とら)卯(う)辰(たつ)巳(み)午(うま)未(ひつじ)申(さる)酉(とり)戌(いぬ)亥(い)」のことです。
日常、「今年の干支(えと)は酉」などと使っていますが、厳密に言えばこれは間違いです。
正しくは「今年の十二支は」というべきでしょう。

中学受験 干支
干支(えと)
干支とは十干と十二支を組み合わせたものです。
したがって、干支は10と12の最小公倍数である60で1周します。
「還暦」というのは干支が60年で1周することから来ています。

「甲(きのえ)乙(きのと)丙(ひのえ)丁(ひのと)戊(つちのえ)己(つちのと)庚(かのえ)辛(かのと)壬(みずのえ)癸(みずのと)」と「子(ね)丑(うし)寅(とら)卯(う)辰(たつ)巳(み)午(うま)未(ひつじ)申(さる)酉(とり)戌(いぬ)亥(い)」の組み合わせです。

干支は年、時刻、方角などを表すのに使われてきました。
ちなみに今年2017年は、丁酉(ひのととり)です。

 

<歴史の中の干支>

ワカタケル大王
実在した天皇として確実なのは雄略天皇です。
埼玉県行田市にある稲荷山古墳から「ワカタケル大王」と刻まれた鉄剣が発見されました。
その鉄剣には「辛亥」という干支が刻まれていました。
それが471年にあたります。
つまり、ワカタケル大王(雄略天皇)は5世紀後半に実在した天皇だと考えられます。

中学受験の歴史で干支が使われているもの
「壬申」の乱=みずのえさる=672年
「戊辰」戦争=つちのえたつ=1868年
「甲午」農民戦争=きのえうま=1894年
「甲子」園球場開場=きのえね=1924年
<方位としての干支>

今年の開成中の社会の入試問題でも干支に関連した問題が出題しました。
徳川家の菩提寺である寛永寺は江戸城の北東の方角にあります。
北東の方角を艮(うしとら)といいます。
艮の方角は百鬼(妖怪)が出没する不吉な方角で「鬼門」と呼ばれます。

南西は干支では未申(ひつじさる)にあたり「裏鬼門」といわれます。
こちらも不吉な方角とされます。
南東は辰と巳の間で巽(たつみ)の方角、北西は戌と亥の間で乾(いぬい)の方角といわれます。

子=北
丑=北北東
丑寅(艮)=北東=鬼門
寅=東北東
卯=東
辰=東南東
辰巳(巽)=南東
巳=南南東
午=南
未=南南西
未申=南西=裏鬼門
申=西南西
酉=西
戌=北西
戌亥=北西
亥=北北西
<まとめ>
中学受験の社会では塾であまり詳しく習わないようなことも出題されることがあります。
そのひとつに干支があります。
干支に関連する問題が今年の開成中の社会でも出題されました。
知らないことは積極的に自分で調べたり、まわりの大人に聴いてみたりしましょう。
大切なことはもっと知りたいという知的好奇心です!

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