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投稿日:2024年01月22日

テーマ: 国語

本番直前期、中学受験生の心の成長

こんにちは!はじめまして。
国語科を担当しております、広瀬亜依と申します。
どうぞよろしくお願いします。

 

首都圏の入試は、埼玉入試につづき千葉入試もはじまり、
受験生の顔つきもだんだんと受験生らしく変わってきたように感じます。
毎年、緊張感が最も高まると同時に
受験生の成長やたくましさを感じられる時期だと思います。

 

今回は受験生の心の成長について、少しお話をさせていただきます。

 

ご家庭からのご相談として、
「うちの子、精神年齢が低いんです…」というお声をお聞きします。
特に国語の読解問題では、精神年齢の高さが要求されることもあるため、
精神年齢はひとつの課題になることがあります。

 

ですが、この受験直前期こそ精神的に大きく成長するときであると思います。

 
 

あるご家庭の例を紹介させていただきます。
そのご家庭は、ご両親とお姉さん(受験生本人)と弟さんの4人家族。
共働きのご家庭でした。

 

そもそも中学受験をしようと思ったきっかけは、
お母様いわく、
「弟が生まれてから、お姉ちゃんに構ってあげられる時間がなかったので、
親子で一緒に何かに向かってがんばるという思い出を作ってあげたかった」とのことでした。

 

ただ実際に受験勉強を始めてみると、
思うようにお嬢さんの成績が伸びなかったり、
本人に無理をさせているのではないかと思ったりと、
お母様自身が葛藤を抱えることも多かったそうです。

 

いよいよ受験本番まで、あと一週間というとき、
お母様とお嬢さんの2人で息抜きにアイスを食べに行ったそうです。

 

そこでお母様は、これまでのことを振り返りながら、
ご自身の葛藤なども素直にお嬢さんにお伝えしたそうです。

 

すると、お嬢さんから次のようなことを言われたそうです。

 

「受験をはじめた当初は学校よりも難しいことが勉強できるなら
おもしろいかもしれないという気軽な気持ちだった。
けど、だんだんと受験勉強が大変になってやる気をなくしそうになったときもあった。

 

でも、塾代とか中学受験にかかる費用を見たり、
お母さんが塾に送り迎えをしてくれたりする中で、
お父さんとお母さんが一生懸命働いてくれるから、
自分は塾に通うことができて、中学受験をすることができるんだって気づいた。

 

私も真剣にがんばらないといけないと思った。」

 

家では、ご家族にはそっけない態度をとっているお嬢さんだったため、
お母様は、お嬢さんがそんな風に感じていたことをはじめて知っただけでなく
受験を通して大きく成長している姿に大変驚いたそうです。

 

受験の最中では、
日々慌ただしく緊張感が高まっている時期であり、
なかなかゆっくりお子さんと話す時間がとれないというのが現状だと思います。

 

ですが、そんなときだからこそ
少し時間をとってお子さんと会話してみてはいかがでしょうか。
思ってもいなかった発見があるかもしれません。

 

中学受験は学力の成長はもちろんですが、
精神的にも「自己に打ち勝つ」という大きな経験が得られる機会だと思います。

 

私自身、毎年の受験で、受験生から多くのことを教わります。

 

受験の追い上げのこの時期が一番苦しい時期ではあると思いますが、
残りの一日一日を大切にして、最後まで頑張ってもらいたいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

国語ドクター