最新記事 2019年11月01日

テーマ: 算数

かっ車の考え方~応用編~

みなさん、こんにちは。
受験ドクター 理科・算数担当の橋本です。

前回にひきつづき、かっ車の計算方法を紹介していきます。
(前回の「かっ車の考え方~標準編~」はコチラ!
今回は「応用編」と題して、少し特殊な問題を扱っていきます。

問下の図のかっ車をつり合わせるためには、右はじの
ひもを何gの力で引く必要があるか計算しなさい。かっ車やひもの重さは無視できるものとします。

滑車 応用1

前回と同じ発想で解くと、おもりから3本のひもが出ているので
420g ÷ 3本 = 140g という答えとなります。

滑車 応用2

しかし、それぞれのひもにかかる力が全て140gだとしてしまうと
真ん中のかっ車と下のかっ車をつなぐひもも140gの力で引かれて
いることになってしまいます。本来は140+140=280gとなるはず
なので、考え方が間違っていることがわかります。

ここで必要なのは
「 1本のひもにかかる力は等しい 」
という発想です。

前回解いた問題も、下図に赤線で
示したように、1本のひもでつなが
っているからすべて同じ力になる
という発想で解いています。

滑車 応用3

あらためて問題の図を見てみると、
下図のように3本のひもでできていることがわかります。

滑車 応用4

このような問題では、それぞれのひもにかかる力を別々に
順を追って計算していく必要があります。

基本的におもりに一番近いかっ車から計算し始めます。
ひもにかかる力がわかっていないので、はじめのかっ車
の両側のひもにかかる力を①としておきます。(下左図)

次に真ん中のかっ車にかかる力を求めます。
右側のひもにかかる力は、下のかっ車の両側にかかる力が合計されるので、①+①=②となります。
緑色のひもにかかる力はどこでも等しいので、左側も②となります。

滑車 応用5

同様に3つ目のかっ車も求めると、上右図のようになります。
おもりから出る3本のひもにはそれぞれ④、②、①の力がかかるので、
④ + ② + ① = ⑦ が合計になります。
⑦ = 420g なので、右端のひもを引く力①は60gと求められます。

このように、1本のひもにかかる力はどこでも同じという考えを根本に持つことで、
どんな問題でもひも1本に着目して解くという視点が生まれます。
基礎・応用どちらの問題に取り組むにしても覚えておきたい発想です。

それでは、超難問にチャレンジです。
さきほどの発想を使って、自力でどこまで答えに近づけるか力試ししてみてください。
(問題文に書かれている数値がすべて必要とは限りません。)


直径10㎝・重さ20gのかっ車を2つ、輪の直径20㎝・軸の直径10㎝・重さ100gの輪軸1つ、A~Dの4つのおもりを使って下図のような装置をつくりました。
これをつり合わせるためにはおもりAの重さを何gとすればよいか求めなさい。
ただしおもりB,C,Dの重さは20g,30g,40gとし、それぞれのおもりは別々のひもで天井とつながっているものとします。滑車 応用6

難しく見えますが、1本のひもにかかる力に注目すれば実は簡単です。

滑車 応用7

おもりとつながっているひもには、おもりの重さと同じ力がかかっています。
図のように色分けすると、ひだりのかっ車では3本のひもが合流していることがわかります。
それぞれのひもにかかる力はわかっていますから、3本を合計すると
20g + 30g + 40g = 90g となります。
かっ車の左右のひもで
90g × 2本 = 180g を支えていおり、これがおもりAとかっ車の合計に等しいので
おもりAの重さは  180 ‐ 20 = 160g

答えにたどりつけたでしょうか?
計算は簡単なのですが、必要とされている発想は難関レベルの問題です。

難しい問題に悩まされないように1本のひもにかかる力はどこでも同じということを
発想の起点にしていきましょう。