最新記事 2017年09月05日

テーマ: 理科

車窓の中の怪奇現象 速さあれこれ②

こんにちは、大木快です。
電車に乗っていると、時々不思議な体験をします。今回もそんな体験についてお話します。

電車に乗ります。
電車が動きます。
景色が動きます。

遠くに見える村の屋根
近くに見える街の軒…美しい対句。

よく気をつけて見ると、遠いものはゆっくり、近いものほど速く動いていますね。当たり前かって?
図を見てください。

ooki 1

近くのものは、同じ速さで動いていても、動く角度、すなわち向きの変化が大きくなるので、速く流れて見えるんですね。
そういえば、アニメ映画で、流れる景色が距離ごとに異なる速さで動くのをよく見かけますね。遠近感というか、リアルな感じがします。

では、いつもそうなのでしょうか?
こんな経験はありませんか?

近くの民家は、後ろに流れる、
遠くのスカイツリーは車窓の中を後ろから前に進んでいく。

景色が後ろから前に流れる?! そんな経験ないって?!
じゃあ怪奇現象でしょうか?

いえいえ、特定の場所で、必ず見られる現象なんです。どんな場所かと言いますと…
ヒントは線路の形です。

正解は、
カーブを走行しているときです。

まず直線上を運動している時は、冒頭でもお話したように、
全ての景色は後ろに流れていきます。遠くのものほどゆっくり移動します。

続いて、カーブを動いているときを考えます。
実はカーブを動いているときには必ず「不動点」が存在します。
それは遠くの時もあるし近くの時もあります。
それは一体何によって決まるのでしょうか。
例をあげて考えてみましょう。

遊園地にある回転系の乗り物を想像してください。飛行機でもぞうさんでも何でも結構です。中央から伸びた棒につながっている乗り物です。

乗り物に乗っている人から見ると、回転の中心軸は、真横90度の方向に見えているはずです。

ooki 2

常に90度なので、この軸は前後に動きません。ここが不動点です。
電車から見た場合、カーブ区間は円を描きますね。注意深く観察すると、車窓という景色の中で動いてない点があるのがわかります。
このレールの描く円の中心が、この不動点、つまり止まって見える点ということになります。
カーブが緩いと、半径が長いので、円の中心=不動点は遠くになり、
カーブがきついと、半径は短くなり、不動点はより近くになります。

まだ難解?
では、前回お話しした
相対速度
の考え方を用いることにしましょう。

まずは、円盤の端を電車に乗って回転運動している自分。こんな感じ。

ooki 3

相対速度を考えると、こうなります。
自分の動きを止める。つまり動いている自分を基準に考えると、自分からは、円盤の方が回って見える。

ooki 4

景色の動きは、こうなります。

ooki 5

そうなんです。円盤が回転すると考えると、全ての動きが説明できてしまうんです。青い矢印が景色の動きを表します。不動点=円の中心より遠いものは前に、中心より近いものは後ろに流れているのがわかるでしょう。

乗っている電車が見通しの良いカーブに差し掛かったら、巨大な円盤が回転しているように見えるはず!!
是非実際に観察して、小さな感動を味わってみてください。

それではまた!