最新記事 2017年08月04日

テーマ: 算数

走れ! さすれば、風も吹く。 速さあれこれ①

こんにちは、大木快です。

電車に乗っていると、時々不思議な体験をします。今回はそんな体験についてお話します。

駅に停車中の電車に乗っているとき、ふとその電車が急に動き出した感じがししたんです。停まっているはずなのに、なんで?と思って、よく見ると、隣の電車が動き出していたのです。

状況がわかると、なあんだ、と思うのですが、それまでの一瞬は本当に(!)動揺します。一瞬ですけどね。

また別のある時はこんな経験をしました。

2台で並走している電車に乗っている時のこと。

自分は各駅停車、隣は快速電車。2台がぴったり並走していて、隣の電車とは至近距離。ドアの近くで外を向いて立っている人どうし、向き合う状態になります。50センチくらいでしょうか。少し気まずい状態で数十秒が経過して…

やがて、自分の方が駅に差し掛かって減速し始めると

自分が急激に後ろに進んでいく?
ような錯覚にとらわれるのです。前に走っているのに。
これも、遠くの景色を確かめれば、頭ではわかるんですが、それまでの一瞬に存在する不安な感覚、何とも言えぬ奇妙な感覚です。わかる人にはわかるかもしれません。

ところで、
隣の電車が動く=景色が動く=自分が動いているように感じる現象ですが、
動き出した隣の電車から見ると、確かに動いているとも言えるわけです。

このように、視点を変えて運動の様子を捉え直すのが
相対速度
の考え方です。

<複数のものが動く場面で威力を発揮する便利な考え方>

120m離れた2地点AB間をP君、Q君が秒速5m、秒速7mで動くとき、何秒で出会いますか。

①視点=地面の上にいる人

旅人算です。1秒間に近づく距離は、5+7ですから、
式 120÷(5+7)=10 秒
と求められます。

この場合の視点は、P,Q以外の、動かない観察者です。

Pは5で動き、Qは7で動いています。2つの動点が左右から近づいていくイメージです。

②視点=P君にしてみると

ではPから見ると、どのようになるでしょうか。見てみましょう。

Pが動きます。
Pから見ると、景色は…
前から後ろへどんどん流れていきますね。

実際には動いていない木や家が、前方から近づいて、そして後方へと遠ざかるように動いて見えます。

木や家が動く速さはどのくらいでしょうか、

そうですね。自分が動く速さと同じですね。

つまり、景色=地面全体が、自分に向かって秒速5mで動いていることになります。

このとき、景色の中にいるQはどう見えるでしょうか。Qは地面の上を動いています。PからQ を見ると地面の速さにQの速さが加算されて

5+7=12
の速さで自分に向かって動いて来るのがわかりますね。これが相対速度。

相手が毎秒5+7=12m の速さで動きます。自分は止まっていますよ。

この時、120m離れた相手が自分のところに来る時間は
式 120÷(5+7)=10 秒
で求められますね。気づきましたか。式は先ほどの①と
全く同じです。

つまり、視点を変えることで、自分=Pを止めて、Qだけの動きを考えることに成功しました。
言い換えると、2点が動く問題が、1点が動く問題に単純化できているのです。
全く同じ

このように、視点を変えると、動きの捉え方が変わってくることを
相対速度
といいます。

複数の点が動く問題を処理するのに、威力を発揮します。

通過算…2台以上の列車が動く問題
時計算…短針と長針の角度を考える問題
流水算…2つの船が動く問題
時計算でお決まりの6-0.5=5.5度/分も、相対速度と見た方がしっくりきますね。

以上、速さの各分野で重宝する考え方が、相対速度です。ぜひお役立てください。