メニュー

投稿日:2018年05月11日

テーマ: 算数

せっかくの個別指導だからこそ…

みなさんこんにちは、受験ドクターの桑田陽一です。
5月の講師ブログをお届けします。

集団塾でのゴールデンウィーク特訓も終わり、少しだけ受験勉強の谷間を感じられる時期かもしれません。
そんなゆったりした時期(?)だからこそ、今回は中学受験専門の個別指導プロ講師として、保護者の皆さまへのお願い事を1つお話ししたいと思います。

お願い事とは。

「せっかくの個別指導なのですから、お子さんが問題を解いている様子を指導時間内にゆっくり拝見させていただけないでしょうか?」ということです。

「え、そんなの当然のことでしょう?」と思われた皆さま、ありがとうございます。

ただ、個別指導に大切なお子さまを通わせようと決断していただいたばかりの親御さまとしては、「せっかくの指導時間を、ただの問題演習に費やすなんてもったいない!」という心理が働くこともあるようです。

指導前の家庭学習の段階で、不明な問題をもれなくピックアップしておいて、指導時間内では一つでも多くの問題の解説を受けるのがお得で効率的な時間の使い方!

そのように考えられるのは、保護者様の心理としては無理もありません。

しかし、そんな心理が働くのは当然だと思いつつも、あえて、入試までまだ時間が残っているこの時期には特に、指導時間内で、お子さんが問題を解く姿をなるべくたくさん見せてくださいと、お願いしたいのです。

授業内でお子さんに問題を解いてもらっている間、隣に座っているプロ講師は決してぼうっとしているわけではありません。
お子さんには悟られないように(?)、横からじっと鋭い視線を送っています。

問題を解いている鉛筆の先はもちろんですが、お子さんの目の動きを見ている時間も多かったりします。
講師の視点からは、問題を解いている様子こそに指導のポイントがゴロゴロと転がっているのです。

典型問題では、迷うことなくすんなりと最後まで処理できているかどうか?
結果として正解していたとしても、どこかで手が止まったり視線が泳いだりするようでは、その周辺に理解不足が残っている可能性が否定できません。

あるいは、込み入った問題において、どこで手や視線が止まっているのか?
時に、通常想定されるつまずきポイントのはるか以前で考え違いをしているのが分かることもあります。
逆に、慎重に条件を確認すべきところで手を止めずに突き進んでいるので、答えが出た後で突っ込んでみると、やはり確認すべきことをきちんと確認していなかったことが判明する場合もあります。

問題に形の上で正解できていたとしても、指導すべきことが残っているのはよくあること。
このあたり、出来上がった答案を見ただけではなかなかとらえにくいところです。

もちろん、週ごとのカリキュラムを消化していくために、家庭学習で生じた分からない問題のポイントを解説することは当然必要なことです。
ただ、それだけならば、プロ講師による個別指導ではなくても良いかもしれません。

授業時間内にプロ講師の横で問題演習をする時間は、決してもったいない時間ではありません。むしろ、単に分からなかった問題の解説を受けることよりも、有意義な時間であると信じています。

私は、算数・理科の講師ですが、きっと他教科でも同じ。

生徒さんがあらかじめ解いてきたノートを見ただけではとらえきれない、一人ひとりの改善すべきポイントを講師が1つでも多く発見するためには、ぜひ、解いている姿を直接観察する時間をいただくことにご理解をいただけたらなぁと、受験ドクターのプロ講師の一員としてお願いする次第です。

今回はここまで。

算数ドクター