最新記事 2016年07月31日

テーマ: 国語

国語が苦手な子への処方箋④~線引き・マーキング~

受験ドクターで国語と社会を担当していますIです。

これまでのブログに引き続き、「国語が苦手な子への処方箋」と題して、国語の成績アップの秘策を述べたいと思います。「国語は得意な方だけれども、もっと成績を伸ばしたい」という人でも十分に役に立つ内容ですので、お付き合いいただければ幸いです。

 

なぜ「線引き・マーキング」しない子がいるの?

前回のブログの最後で予告しました通り、今回は「線引き・マーキング」のお話をしたいと思います。

中学受験 国語 成績1

塾の国語講師の多くは、生徒に対して「本文に線を引いたり、マーキングをしなさい」という指示を出します。かくいう私も例外ではなく、同様のことを口にします。

そして、実際に私自身が授業教材を予習する時にも、線引きやマーキングは必ずしています

 

ところが、肝心の生徒の方はというと、意外に線引きをしていない子が多いのです。テストで解いて使用してきたはずの問題用紙なのに、配付されたときとまったく同じ状態なのです(笑)。

 

いったいなぜなのでしょうか?

 

□    線引き・マーキングをするのがめんどうくさい

これは、単なる「ものぐさ」なだけです。線引き・マーキングをするまで、講師や親御様がしつこく言い続けるしかありません。実際に線を引いてみれば分かる通り、線を引く行為自体はほとんど労力を要しないのです。たとえば、歯磨きにしたって、幼い子どもなら最初は嫌がりますよね? 歯磨きをめんどうくさいと思わないぐらいに、線引き・マーキングを習慣化させましょう。

 

□    線引き・マーキングの仕方が分からない

こちらは、ある意味では「納得(?)」の答えです。「だってさぁ、塾の先生は大事なところに線を引けっていうけど、どこが大事か分かれば最初から苦労しないよ~」というのが生徒の本音でしょう。この点については、後ほどくわしく説明します。

 

□    線引き・マーキングして何の役に立つのか分からない

確かに、「とにかくやれ!」と頭ごなしに言われても、何のためにやるのかが分からなければ、ヒトは動きません。もっともな意見ですね。このあたりも後ほど述べましょう。

 

線引き・マーキングは何のためにやるの?

「線引きやマーキングって、なんでやらなきゃいけないの?」、これはあまりにも素朴な疑問に思えるかもしれませんが、とても大事なことです。そして、当たり前すぎるからか、あまり塾講師の口から語られないことかもしれません。

線引き・マーキングをする理由とは、ずばり、「中学入試における国語は問題を解く時間のゆとりがないから」に他なりません。線引き・マーキングをすることによって、初読の段階で本文の内容で大切なポイントを記憶に残すためです。

持論では、中学入試や塾のテストでは、本文を読むチャンス2回しかないと思います。それは、「本文を初読するとき」と「設問を解くとき」です。ただし、後者の「設問を解くとき」はあくまで部分的な精読ですので、厳密に言うと、文章全体を読むのは1回しかチャンスがないのです。

もちろん、本文内容が易しければ、1回読んだだけでもある程度は頭に残ると思います。

ところが、中学入試で出題される本文は、高校教科書レベルのものも主題されます(実際に、大学入試で出題された文章と同じだったということは珍しくはありません)。「そのレベル」の本文を、まだ12歳そこらの小学生が読むわけですから、線引き・マーキングをしないということは、無謀(むぼう)以外の何物でもないと私は思うのです。

中学受験 国語 成績2

 

どこに線引き・マーキングすればよいの?

さて、いよいよ本題です。線引き・マーキングは以下の箇所にしましょう。

 

説明的文章(説明文・論説文・論説文寄りの随筆文)

□ 繰り返される言葉

➡筆者は「言いたいこと(主張)」を何度も繰り返します。そのままの語句を繰り返すこともあれば、形を変えて(=言い換えて)繰り返されることもあります。これらは記号選択問題や記述問題の解答ポイントになります。

 

□ 「~と思う」 「~重要だ(大切だ・欠かせない)」 「~である(~なのだ)」 「~ねばならない」 「~すべきではないか」 「~ということがあるだろうか(反語)」など主張

日本語は文末が文の鍵を握ります。つまり文末表現によって、その文章の重要度が分かることが多いのです。「話は最後まで聞け」ならぬ「話は最後まで読め」というわけです。

 

 「このように」 「つまり」 「ようするに」 「このような」 「こうした」 など、まとめや言い換えの言葉

➡筆者が、わざわざまとめたり言い換えたりするということは、その後に大切なことが書かれているのは必然です。もちろん、出題者はここを読み飛ばさず、問題を作成するのですね。

 

□ 「AではなくB(Aというよりも、むしろB)」 「たしかに(一般的には)Aだ。しかしB」 「AばかりでなくB」 など比較

➡論説文では、単に「Aは~だ!」と自説を一方的に展開するのではなく、他のものと比べながら説明するのが“お約束”です。上の「A・B」ならば、Bが筆者の主張、もしくは強調したいことになります。

 

□ 「ともかく」 「いずれにせよ」 「じつは」など強調

➡ふだん、私たちが会話するときにも「じつはねぇ…」と切り出すことってありますよね? 私だけの情報(?)だという一種の強調表現なのです。

 

□ 「~も」 「~や」 「第一に…(まず)、第二に…(つぎに)」 など並立

➡本文で並べて説明がされている場合、記述問題における要約型(☞前回のブログをご参照ください)で出題されることが考えられます。分かりやすいようにマルで囲んでおくと、解答作成のときに楽です。

 

文学的文章(物語文・物語文寄りの随筆文)

□ 気持ちを表す「表情・様子」 、気持ちを表す「言動(=セリフと行動)」

➡物語文でもっとも大切な箇所は、まちがいなく心情が表れているところです。心情を問わないテストは皆無ですから!

 

□ 登場人物の状況設定

➡特に、前書き部分などで状況説明がされていることが多いようです。中学受験生の中には、前書きをさっと読み飛ばしてしまう子がいますが、これは危険です。前書きは出題者自身が「わざわざ」書いているのです。本文は「ある小説」からの抜粋(ばっすい)(ですから、前書きをきちんと読まないと意味が分からなくなる可能性があるということです。もちろん、問題を解くうえで、直接的に関係してくることだってあります。

 

□ 気持ちの変化をもたらす出来事

➡物語文の出題の典型として、「心情変化」というものがあります。これは、答え方のフォーム(型)があります。それを意識しないで(例えば記述問題で).答えてしまうと、解答要素の不足となってしまいます。答え方のフォームとは、以下のものです。「気持ちの記述(原因・理由+気持ち)」×2+「出来事・きっかけ」でまとめましょう。

 中学受験 国語 成績 3

□ 情景描写、象徴、暗示、伏線

➡最後は、情景描写や象徴、暗示、伏線です。

情景描写は、文字通り、風景描写で登場人物の心情を表すものです。

たとえば、友達と仲たがいをしていた主人公が、あることをきっかけとして仲直りをするという友情物語はよく出題されます。さて、友情が回復した時に、空に浮かぶものとは何でしょう? 虹ですね! もしくは、夕方なら、「夕陽が僕らを照らす」かもしれません。これを情景描写とよびます。

もう一つだけ、例を挙げましょう。将来に対して希望を抱いていた少年たちの「希望」を表す虫は? たとえば「蛍」です。「蛍の光=希望の光」という象徴の図式が成り立ちます(井上ひさしさんの「あくる朝の蝉」のパターンです)。

大人から見ると「ベタ」とも言えるこれらの表現が、中学受験では狙われます。大筋の内容ばかりに目がいく小学生は、注意したいところです。

 中学受験 国語 成績4

以上のことを頭に入れて、線引き・マーキングをしてみましょう。線引き・マーキングの習慣がなかった子だと、最初のうちはわずらわしく感じるかもしれませんが、自然にできるようになるころには、点数にも変化が現れてくると思います

 

次回のブログでは、「記述問題の解答作成の際に気をつけること」というお題で書きたいと思います。

国語が得意なお子様(開成、桜蔭など最難関校を志望する子)にも役立つ内容です。ご期待ください!