2021 豊島岡女子学園|学校説明会レポート③



豊島岡女子学園学校説明会レポート③(2021年10月9日)


本日はオンラインで行われた豊島岡女子学園の学校説明会を、受験ドクター 算数・理科講師の川上 亮がご紹介いたします。
OLでの開催ということでした。
校庭はテニスコート2面分ということでしたが、3つの体育館、そして入間にグラウンドを所有しており
そこで運動会が行われるということでした。解放感を感じるグラウンドでした。

また、職員室前にはホワイトボードが数多く設置され、休み時間に
生徒たちが質問する様子がとても印象的でした。
3つの教育方針である道義実践、勤勉努力、一能専念を指針に
生徒の学力向上、そしてキャリア教育と、世界を舞台に自らの力でしなやかに、
たくましく、自分らしく生きる女性の育成に力を注いでいます。

基本の大切さを知る、努力の積み重ねの大切さを知るために毎朝行う「運針」や
生徒主導の様々な行事・イベント、全員参加のクラブ活動など
すべてがこの教育方針に基づき運営されています。

また、動画の様々なシーンで「探求」という言葉がありました。
どの科目にも「探求」という枠を用意し、生徒たちの知的好奇心を刺激し
それに応える学校の姿勢が伝わってきました。

JR・東京メトロ・西武線・東上線・都バス・私バス「池袋駅」 徒歩7分
東京メトロ有楽町線「東池袋駅」 徒歩2分

2021年10月9日に行われた豊島岡女子学園の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は豊島岡女子学園ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©豊島岡女子学園

プログラム

校長ご挨拶

竹鼻志乃校長より、豊島岡女子学園の教育に関するお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

ご挨拶

コロナ禍での対応について。緊急事態宣言下では4時下校だったが、5時20分下校に戻した。
10月上旬には在校生のみだがスポーツ祭を実施。
今年の受験生には「としまつり on the web」なる文化祭を是非見てほしい。

教育概要

来年130周年。校庭はテニスコート2面分とやや狭いが、3つの体育館と入間に運動場がある。
始業は8時10分。様々な地域から通う子もいるので朝のラッシュを避けられる時間帯に。
下校は夏は17時20分、冬は17時。

教育方針

・道義実践 ・・・ 正しい判断、行動
・勤勉努力 ・・・ コツコツ真面目に努力を継続する
・一能専念 ・・・ 才能を磨き、育てる ⇒ 様々なイベント、クラブ活動を設置

毎朝5分「運針」を実施。集中力を磨く、基本の大切さを知る、努力の積み重ねの大切さを知ることが目的。

昨年度の中1への対応

4月、5月は配信授業。6月から分散登校、7月から通常授業に。
配信授業にしたのは、決められた時間にPCを用意出来ないご家庭に配慮したため。

イベントなどの方針

クラブ活動は全員参加。行事は生徒主導。学業については授業第一。
世界を舞台に自らの力でしなやかに、たくましく、自分らしく生きる女性を育てる

教育方針について

カリキュラムとキャリア教育についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

カリキュラム概要

来年度より高校募集廃止。1クラス44名前後、毎年クラス替え。
中学部 → 分野により各科目A,Bに授業を分ける。
週に国語・数学は5H、英語6H、理科・社会5H。
高1ではグループ探求やディベート英語を行う。
高2からは文系・理系に別れ、全範囲の学習を終える。
高3は入試に向けた実戦形式の演習を行っていく。

キャリア教育

「未来に向けた志と、それを実現する力」を合言葉に「志力をもって未来を作る女性」の育成に力を入れている。
T-STEAMやグローバル教育に力を入れていること、またSSH指定であることを活かしている。

中学生 ⇒ 様々なことに興味、関心を抱く ⇒ 自分の可能性、生き方を探る
卒業生のインタビューなどのイベントを実施したり、
国際理解をテーマに、3年間で段階的なイベントを行っている。

高校生 ⇒ 可能性に気付き生き方を探る ⇒ 進学先を考える
定期的に情報提供を行ったり、個々にアドバイスをするなど、学年で統一された指導体制をとっている

また中3からは季節講習を希望者に行っている。

生徒による学校紹介

生徒による学校紹介がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

学校紹介

  • 探究活動 ⇒ 自分たちで考え、やってみて結果を考察。最後まで考える力を養成する。
  • クラブ活動 ⇒ 中1~高3までいっしょに活動。先輩たちは憧れ。部活は忙しいが、そのおかげで学習内容は授業内で理解できるようにしようと意識している、という子も。
  • 学校紹介ツアー ⇒ 生徒が運営、実施
  • 職員室前の様子 ⇒ 生徒が質問に押し寄せる様子。テスト前はもっとすごい。
  • 委員会活動 ⇒ 生徒主導。意見書BOXの設置から、通学リュックの導入に繋がった。

昨年の中1について(生徒との対談)

学年主任のモトタニ先生より昨年の中1について生徒との対談がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

昨年の中1について

  • 不安だった、中学校に入ったという実感がなかった(生徒)
    ⇒5月にOLで個別面談、6月から分散登校がはじまり、学校が楽しくなり始めた
  • 2学期は8月24日からスタート。
    ものづくりをテーマに、「探求」を経験。PDCAサイクルを促す。
  • クラブ活動 ⇒ どの部活も楽しい。短い活動時間でも集中して取り組んでいる。
  • 美術集中実習 ⇒「学校内に美術館をつくっちゃおう」
    最低限のルールだけ決め、生徒主導で取り組ませた。
    アイデアがあふれ、独創的な空間に。

入試について

入試広報のキシモト先生より入試についてのお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

昨年度の入試より

2月2日 合格者410名/受験者1006名
2月3日 合格者71名/受験者514名
2月4日 合格者75名/受験者558名
繰り上げ合格は24名。第一志望の子、複数回受験した子を優先して繰り上げる。
通知が来た際には、第一志望であることを伝えてほしい。
入学者は269名。
合格発表は当日の21時ごろ。

国・算50分 理社合わせて50分
Web出願。1回から3回をまとめて出願した子が44%。
3回は1回の結果を見てから出願可能。

コロナ禍対応 ⇒ 37.5℃以上だと受験できない。罹患者受験不可。追試無し。

併願校は桜蔭、JG、吉女、雙葉、鴎友の順に多い。

各科目の枠組み、取り組み

①英語
自己実現のための英語コミュニケーション能力の養成

中学では中学英語のインプット、アウトプット
インプット ⇒ スライドの利用、小テスト、細かいフォロー
アウトプット ⇒ 弁論大会

中3から高1ではオンライン添削プログラムが開始。
高校ではディベート英語、校内ディベートコンテスト、精読、科学英語などの取り組みを行っている。

GTEC、TEAPなどの受験を勧めている

模擬国連、エンパワーメントプログラム、海外研修などのイベントを実施

②国語
段階的な学習を行っている。

中1・2 ⇒ 基礎の定着をメインに学習。文章読解の基本表現の習慣化、古典、文法の学習
中3・高1 ⇒ 中3より高校の教科書を用いて学習。論理的文章表現法の学習、本格的な古典学習がスタート
高2・高3 ⇒ 実践的な評論文読解、文学鑑賞、小論文の作成法、古典では問題演習をメインに学習

中学では論語の素読を行っている。

③数学
国語同様に段階的な学習を行っている。

中1・中2 ⇒ 中2で中学数学を終える。代数ではとにかく計算力を、幾何では証明をはじめとする論理の大切さを学ぶ。「算額を作ろう」という問題作成コンテストに応募。昨年度は金賞を2つ受賞。
中3・高1 ⇒ 数ⅠAを終え、ⅡBの途中まで学習を進める。数学の活用として、実社会との関連wo
高2・高3 ⇒ 実践数学として入試演習を行う。

④社会
広く多角的なものの見方を身につける
社会的事象に興味を持ち、主体的に考察する力を養う
社会を切り開いていく力の養成

中1・中2 ⇒ 地理・歴史を並行して学習
中3 ⇒ 政治・経済
高1 ⇒ 基礎総合
高2 ⇒ 文系・理系に分かれ、探求学習のスタート
高3 ⇒ 実戦形式の演習

⑤理科
興味・関心から科学的知識の学習を
実験、観察を大切にし、生徒に考えさせることを大切にしている

中学生 ⇒ 4分野を満遍なく学習
高1 ⇒ 物理、化学、生物に分かれる
高2・高3 ⇒ 実戦形式の演習

入試問題について ①国語

読解力、思考力、表現力、コミュニケーション能力をはかる
50分で大問2題、7000字程度を予定
説明文1題、物語文1題
問題形式は幅広く。抜き出し、選択肢、記述(45字~90字を2問程度)、漢字
選択問題ではテーマの理解、根拠の正確さ、適否の判断が重要
漢字では字形と画数を意識してほしい

入試問題について ②算数

大問6題、小問18題程度 解答のみを答える形式
求める力は以下の4つ
①基礎力(計算力)
②条件整理の力
③規則性を見つける力
④空間把握の力

入試問題について ③社会

大問3題、小問25問程度
漢字間違い、ひらがな ⇒ 誤答とする
求める力は以下の2つ
①正確な知識 ⇒ 差がつきやすいのは年代の並び替え、三権の仕組みなど
②知識の応用 ⇒ 図表、資料の読み取り、文脈からの類推

時事問題は神経質になりすぎる必要なし
30点に満たないとかなり苦しい、40点を超える子たちの合格率高い

入試問題について ④理科

大問4題、小問25題程度
4分野から満遍なく出題
実験、観察からの考察
解凍形式は単語、短文記述(考え方を書く必要は無し)
基本問題は確実に取り切ること
条件整理を正確に、ここで差がつく
文字の形式、字数指定に注意

学校訪問を終えて

来年130周年を迎える、伝統ある学校ですが時流の変化を捉えつつ、3つの教育方針をぶらさずに生徒を指導する学校の姿勢がとても印象的でした。生徒を大学に送り出して終わり、ではなくキャリア教育に力を注いでいること、生徒の才能を磨き育てるために、様々な仕組みがあることなどから「安心して子どもを預けられる」ではなく、「是非ここに子どもを通わせたい」と感じました。

また、OLでの開催でしたが、生徒の普段の様子、成長の様子がとても丁寧に紹介されておりました。
入試問題についても、昨年度の問題を例に細かい説明があり、とても参考になりました。