英明フロンティア中学校説明会レポート(2025年5月28日)
本日は英明フロンティア中学の学校説明会を、受験Dr.国語・算数・理科・社会講師の久米 光太郎がご紹介いたします。
校舎は武蔵関駅から徒歩3分と交通の便が良い。人工芝のグラウンド、テニスコートあり。カフェテリアあり。講堂はバドミントンコートが3面取れる広さ。都内屈指の温水プールは1年中28度に保たれている。
共学化を「強学化」と呼んでいる。これからの時代は自ら考えて行動する人が求められるので、それに合わせた思考重視型授業と探求型ゼミ学習で強い学びを行う。
西武新宿線(準急停車駅)武蔵関駅より徒歩3分
2025年5月28日に行われた英明フロンティア中学の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は英明フロンティア中学ではなく、受験Dr.までお願いします。
学園長からのメッセージ
学園長の平野 洋先生より、英明フロンティア中学校についてお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。
学校概要
本校は練馬区私立初の共学。2025年に高校共学化し、2026年に中学共学化予定。自分は教員経験はなく、大学院から日清食品に就職して2020年に教育業界に転身した。中学生と小学生の親でもある。「世界で1番売れるカップヌードルは、シーフード、醤油、カレーのうちどれか」という質問を考えてほしい。正解はシーフード。海に接していない地域で保存の効く海産物は重宝される。これは教科書に答えが載っていない問題。自分たちで知識を持って集めないといけない。この調査は2016年だから今は変わっているのかもしれない。今はインドの人口が14億人と増えているのでカレーが一番かもしれないし、日本食が広まったので醤油が一番かもしれない。このような正解がない問いに挑戦していくことを大事にしている。私たち親の世代の大学入試は細かい知識を使ったものが多かった。今は学校型選抜と総合型選抜で60%の生徒が入学する。一般入試では言われたことをしっかりやる、嫌なことを頑張れる生徒が求められる。昔は社会でもそういう能力が求められていた。しかし今は目的意識や課題の解決意識が求められる。何が好きなのか、どんなことを学んできたのか、大学で何を学ぶか、社会にどう貢献したいのかが問われる。これは社会の変化ではなく学びの本質だと思う。自分の好きなことを見つけて深く探究し、大学で研究したり開発したりすることが学びの理想。説明会では小学生に自分の好きなことを持って一生懸命勉強してくださいと伝えている。探究型の反対に基礎知識や基礎学力があるという論調には違和感がある。基礎知識も思考力も難題にチャレンジする姿勢も社会に出てから必要だと思う。本校では思考重視型授業×探究型ゼミ学習のどちらも大事にする。お通いの塾のお子さんで勉強の意義が分からないお子さんがいたら本校の学校説明会に来てほしい。
入試変更点について
副校長の西田 尚行先生より、入試の変更点についてお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。
概要
■今年共学化した高校は8クラス入学してきた。まず中学の入試変更点についてお話しする。募集人数は35人×3クラスで定員105名。非常に大きい数字だと思っている。私たちが変わりたいという覚悟の数字である。本校は以下のような生徒を伸ばしたい。
・まだ自分の興味や得意な分野がわからない受験
・コツコツ勉強はするけれど楽しさを感じていない、授業で学ぶ楽しさを求めている受験生
・自信をもって、学習できるようになりたい受験生
■教科型入試の特徴について
英明フロンティアだけの特訓は必要ない。難易度は標準、基礎的な知識を重視。
■入試の日程について
2/1の午前中は2科・4科・R80の入試を行う。
午後は1科2科とR80の併願可能。具体的には、2科入試を受けた後にR80入試を受けることができる。
初日の定員は午前午後合わせて70名。
2/2は2/1と同じく午前中は2科・4科・R80の入試を行う。午後は 1科2科とR80の併願可能。定員は25名。
2/4午前は2科入試を行う。定員10名。
2/5午前は2科入試を行う。定員若干名。
全部合わせて10名を特待で取る、英検取得者は加点あり。
本校第一志望で英検準2級、2級取得者は特待あり。入学金・授業料の免除がある。
■イノベーションクエストについて
高1では自然科学ゼミ、ICT・理工ゼミ、社会学ゼミ、文化・国際ゼミの4つのゼミを全部体験してもらう。鎌倉のオーバーツーリズムを体験するゼミや、明治大学の先生に来てもらって講義を受けるゼミなどがあった。他の学校にない大学に直結した授業を行っている。4つのゼミ全てを経験した上で自分の興味を知る。先日の中学説明会では紙飛行機を飛ばしてもらった。どんな形だったら浮いていられるかを体験できる。自分が勉強してることが誰かの役に立っていると気づくと子どもたちが変わる。
興味を探す4分野を体験して大学の学びを先取りし、進路選択・大学選びのベースにする。入学するだけではなく、大学に入って活躍してほしい。探究も大事だが学力も大事。
■思考重視型授業について
R80は説明する、別の言葉で言い換える、80字で要約するもの。覚える=暗記するだけでなく、思考できる生徒が育つ。知識が土台にあった上で、それを使う力が大事。だから思考重視形授業を行っている。
■グローバル教育について
中学3年生は南半球ニュージーランド修学旅行を行っている。また、Gakkenを通じて6年間、オンラインでのマンツーマン英会話を受けられる。留年しないで3年で卒業できる留学プログラムがある。また、希望者には米国高校卒業資格が得られるプログラムを開始する。これは中3で開始して高2で終わるもの。パートナー大学への入学保証がある。
■まとめ
6年間で着実に伸びる学校を目指す。
暗記詰め込み型の学校では難しいお子さんでもウチなら伸ばせる。
無理なく学力高め探究の力と可能性を高める英明フロンティアに期待してほしい。
新タイプ入試について
入試ディレクターの中島 博司先生より、新タイプ入試についてお話がありました。その中から一部を紹介いたします。
概要
アクティブラーニングの第一人者であり、茨城県立並木中等教育学校の校長を務めた。2016年5月にR80(アールエイティー)を考案した。新タイプ入試ではそのR80を使った入試を行う。R80のRとはリフレクション(振り返り)とリストラクチャー(再構築)のこと。R80では授業の最後にリストラクチャーして各自が80字以内で書く。ルールは2つ。2文構成で80字以内であることと、2文目の最初に必ず接続詞を使うこと。これで思考力、判断力、表現力、論理力の育成ができ、学力向上につながる。論理力とは、相手の主張の筋道を読み解き、自分の考えを整理して伝える力。入試の問題文を正確に読めているか、それを伝える力を養う。書いて伝える力、話して伝える力が中学・高校・大学入試で大事であり、社会で求められる力である。40字1文+40字1文で構成しているのは、文字数がちょうどいいから。社会の教員やっていて書籍の文章を頼まれたとき、編集者から40字前後で主語述語を入れて一通りにしか読めない文章を書いてくれと言われた。新聞記者の書く文章やNHKニュースも40字前後、小6の全国学力調査の記述式の問題も同様。これで書けない人がゼロになる。普段の生活でも、結論を先に述べて○○だからです、と喋るようになる。受験にも仕事にも使える。
R80入試の構成は下記の通り。
大問1 ことばの整理
大問2-1 出された文章の要約
大問2-2 出された資料の要約
大問2-3 2文で接続詞を使ってある事柄について賛成か反対かを書く
大問2-4 2文で接続詞を使って自分の主張を書くR80入試の特別対策講座を本校で行うので来てほしい。
文字で考えを表現できる生徒は教室で輝けると思っている。
最後に
校長の大井 俊博先生より、お話がありました。
その中から一部を紹介いたします。
ご挨拶
90年続いた東京女子学院が劇的に変わっている。まだ足りない部分はあるけれどそれを補うパワーを持っている。今年共学化一期生として入ってきた高1は大変活発に日々を送っている。今度入る中1がどうなっていくのかドキドキしている。そんな伸びしろのある英明フロンティアに期待してほしい。
学校訪問を終えて
校名を変更し共学化を行った学校で、時代のニーズに合わせた「探究型授業」に積極的に取り組んでいる。R80という独自の取り組みも含め、新しい教育スタイルへの挑戦が見られる。昨年の中学入学者は33名とアットホームな環境で、一人ひとりに丁寧な指導が期待できる。今春の大学合格実績では上智3名、早稲田1名など着実に成果を上げており、共学化という大きな変革の中で教育の質向上に取り組んでいる。学校全体が新たなスタートを切る活気に満ちた時期を迎えている、成長が楽しみな学校だと感じました。