2020 渋谷教育学園幕張中|学校説明会レポート



渋谷教育学園幕張中学校説明会レポート(2020年11月22日)


本日はオンラインで行われた渋谷教育学園幕張中学校の学校説明会を、受験ドクターの勝山利信講師がご紹介いたします。

・教育目標のなかで最も大切にしている「自調自考」という、自らの手で調べ、自らの頭で考えるという”調と考”が建学の精神となっており、OECDの打ち出した”Agency(エージェンシー)=自ら考え、主体的に行動して、責任をもって社会変革を実現していく姿勢・意欲”に通ずる。
・夢は与えられるものではなく、自身の夢を持てるような教育を施し、学校としても資質の高い生徒たちをしっかりと導くことを社会的な責務として果たしていく姿勢ができている。東大や医学部に進む生徒が多い一方、海外大学や芸術分野の大学、学部に進む生徒もおり、多様性を尊重している。

JR京葉線:海浜幕張駅より徒歩10分
JR総武線:幕張駅より徒歩16分
京成線:幕張駅より徒歩14分

2020年11月22日に行われた渋谷教育学園幕張中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は渋谷教育学園幕張中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©渋谷教育学園幕張中学校

プログラム

校長ご挨拶

田村哲夫校長より、校長ご挨拶がありました。
その中から一部を紹介いたします。

校長からのメッセージ概要

現在、コロナ禍において当たり前だったことができない情勢ではありますが、工夫して行うようにしています。スケジュールは大幅に変更したものの、日常は取り戻ししつつあり、授業や校外学習、学校行事を通して培うべき主体性や、当事者意識を持って物事を考える姿勢は、学校の教育目標である「自調自考」の精神のもと、今後も教育目標の柱として実践していきます。世界的な傾向の1つに”バックキャスティング=未来から逆算して現在を考える”が挙げられますが、OECDの打ち出した”Agency(エージェンシー)=自ら考え、主体的に行動して、責任をもって社会変革を実現していく姿勢・意欲”がこれからの社会に必要とされるということと、本校が掲げる「自調自考」の精神は正に一致している考え方です。国際人という表現は日本人特有の表現で、海外の多くの国々やそこに住む人々にとって、我々が言う国際人であることは当たり前のことであり、本校の生徒達にはそれらの人々と同じように本当の意味で国際人になっていただきたい。東大や医学部に進む生徒が目立つことも事実ですが、その他にも海外の大学に進む生徒や芸術の分野に進む生徒もいるように、本校では多様性を持った生徒たちを尊重しています。本当は通学している生徒の様子を直接見ていただき、それらを感じ取っていただきたかった。大事な6年間をどのような環境で過ごされるか、是非慎重な学校選びをしていただきたいと思います。

入試要項説明

校長補佐の永井久昭先生より入試要項についてのお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試当日について

・サーモグラフィにより体温検査を実施(受験番号により、入場時間をずらす)します。
・1教室当たりの使用人数を減らすために、例年では使用しない特別教室や体育館なども試験会場になりえます。
・保護者控室も縮小するため、お子様との待ち合わせは校外を推奨します。
・駅の混雑や天候を考慮して、時間に余裕を持って集合しましょう。
・体温調整ができる服装を整えましょう。
・昼食の時間は設けていますが、休憩中の飲食も許可します。

2次入試について

2次入試は「1次入試の補充」という位置づけではありません。2次入試の合格者の9割は1次入試で残念な思いをした生徒ですので、第1志望としている生徒はあきらめずに最後まで頑張っていただきたい。

その他

・奨学金制度や特待生制度など、経済的な負担をやわらげ、学業を続けられるように制度を用意しています。
・入試当日、例えば電車が遅延してしまった、受験票を忘れてしまった、などということが起きてしまっても、そのまま受験しにきていただきたい。お子様が落ち着いて受験できるようにできる限りの対応をします。
・入学後は生徒を置いてけぼりにはしません。学校としては資質の高い生徒をしっかりと教育することで社会的な責任を果たしたいと考えています。

各教科の入試について

各教科の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

国語

◆問題の構成
・説明的文章(評論文)と文学的文章(近代から現代)に関する問題を1題ずつ出題予定
・文章を読んで設問に答える問題や知識を問う問題を出題予定
・例年から大きな変更はないので過去問をしっかりと解いて対策しましょう

◆学習のポイント
・入学後の学習の方が難しい文章を扱い学ぶことになるので、主題を読み取る力を十分に養っておきましょう
・社会に出てからも日常的に必要とされる能力である、文章を構造から読み取ることを意識して練習しましょう

算数

◆問題の構成
・大問5問構成で、数の性質、場合の数、ともなって変化する複数の量、平面図形、立体図形に関する問題を出題予定
・「これまでに本校が求めてきたような力」を身についているか問う問題を出題予定
※過去問で出題内容や難易度を十分に確認して準備をしましょう

◆学習のポイント
・問題文が意図していることを正確に把握しましょう
・限られた時間の中で条件を読み取り、論理的に考えましょう
・過去問に取り組むときは、時間内に何点取れるかだけでなく、解き切るのに何分かかり何分縮める必要があるかを考えることも大切です
・与えられた図や表はしっかり観察し活用する練習を十分に行いましょう
・結果のみを記入する問題が多いので、焦らず正確にやり切ることを意識して取り組みましょう
※例年、解答用紙の記入が雑で判別できないものも散見されます。丁寧に記入する練習もしましょう。

社会

◆問題の構成
・公民、歴史、地理の順に大問3題、計75点の構成(配点も平均的に割り振る予定)
・問題の表紙にある注意事項をしっかりと読みましょう
・記述の問題も多く出題され、字数指定がある場合はその字数の8割以上の文字数で答えましょう
・記述の問題では部分点も設定しています

◆学習のポイント
・社会の入試問題は自分たちが生きている社会について日常から考えることができているかを問われる内容になっています
・特に記述の問題では、問いの内容に対して解答がずれてしまわないように注意しましょう
・使うべき用語や内容の過不足に注意し、読み手がいることを意識して文章を仕上げましょう
・公民分野では生活や時事に関することを出題しますので、社会で起きていることに興味を持ち調べることも大切です
・歴史分野の記述の問題では条件文が同時にヒントとなっていることもあるので、逃さずしっかりと問題文や資料を読みましょう
・地理分野ではグラフや地図、統計など様々な資料を用いた問題を出題しますので、資料を正確に読み取りそれを活用することを日頃から意識しましょう

理科

◆問題の構成
・物理、化学、地学、生物の各分野から出題しますが、大問4題とは限りません
・図が用いられた問題が多いことが特徴です
・説明文の流れに沿って答えることができるか、考えたことを適切に表現できるか、について問われます
・知識の有無だけでなく、活用する力があるかを問うような問題を出題します

◆学習のポイント
・文や表、グラフから関連性を読み取ったり、比較をしたりするために丁寧に情報を整理しましょう
・過去問の難易度を参考にしながら、様々な数値を表す単位の意味や使い方を学習しましょう
・数値を扱う場合は問題文の指示に従いましょう(特に小数や分数)
・記述する問題では、文が長くなり主語と述語のつながりが的確でなくなってしまうことに注意しましょう
・「など」を多用してあいまいな表現になってしまったり、指示語の多用により意味がわからなってしまったりしないように注意しましょう
・グラフの数値を用いる場合は目盛りの10分の1まで読み取ることもありますので、定規やシャープペンシル、先のとがった鉛筆などを準備し正確に作業ができるようにしましょう
・日頃から「なぜこうなるのか、なぜ注意しなければならないのか、条件が変わると結果はどう変わるのか」について深く考えるようにしましょう

学校訪問を終えて

校長先生が挨拶の中で「本来ならば今通っている生徒たちを直接見て欲しい」と仰っていたことが印象的でした。通学している生徒が、学校教育を通して社会にはばたくための力を、しっかりと身につけていることに対する自信の表れだと思います。入試教科説明の中でも各教科担当の先生方から、なぜこのような出題になるのかの根底に、入学してから社会に出るまでに身につけたい具体的な力があることがきちんと説明されていました。学校に入学することではなく、通学して力を身につけることをしっかりと目的としているお子様には取っては、その高い志に応えてくれる準備が十分になされた学校だと思います。