2019 桜蔭中学④|学校説明会レポート



桜蔭中学校説明会レポート(2019年11月13日)


本日は桜蔭中学校へ、受験ドクターの高田いさむ講師が行ってきました。
創立当時の施設に最新の施設が調和しています。
古い施設もありますが、歴史と伝統がそこに染み込んでいるような印象です。
校舎内を見学していると、数十年前の生徒の様子が偲ばれます。
実際に通ったことがなくても、何となく懐かしい気持ちになるのが不思議です。
長い歴史を感じさせる空間そのものが、最大の特筆すべき施設かもしれません。
水泳指導にはこだわりがあり、温水プールを完備しています。
体育館2つ、卓球室、天体観測ドーム、礼法室、書道室など、様々な施設があります。
最新の設備としては、コンピュータ教室、LL教室なども備えています。
郊外施設として、軽井沢に浅間山荘、西東京市にひばりが丘運動場を持っています。

桜蔭中学校は、関東大震災の直後の大正13年に創立しました。
東京女子高等師範学校(現、お茶の水女子大)同窓会の桜蔭会がその母体です。
女子教育の理想を実現し、社会に恩返しをしようと、会員の寄付によって設立されました。
校訓は「勤勉・温雅・聡明であれ」「責任を重んじ、礼儀を厚くし、よき社会人であれ」です。
「礼と学び」の心を大切にし、自立した女性の育成を目指し、実践して参りました。
開校以来、一貫して礼法や道徳の授業を重視しています。
生徒たちは、周りの人たちに温かい心を持って接し、優雅に行動しようと心がけるようになります。
知性の輝きと美しい心映えを育み、責任感あふれる「よき社会人」となることを目指します。
優秀な卒業生が多いため、そのつながりで様々な分野の方をお招きしたり訪問したりしています。
最近では、グーグル社の訪問を行っていますが、これも卒業生の紹介によるものです。
また、各国の女性大使をお招きしてお話を伺ったりもしています。
講演会が充実しているのも、桜蔭中学校の特徴のひとつです。

JR
『水道橋駅』徒歩 5分

地下鉄
三田線『水道橋駅』徒歩 3分
丸の内線、大江戸線『本郷三丁目駅』徒歩 7分

丸の内線、南北線『後楽園駅』徒歩 7分

2019年10月30日に行われた桜蔭中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は桜蔭中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©桜蔭中学校

プログラム

校長ご挨拶

桜蔭学園理事長、中学・高校校長の齊藤由紀子校長より桜蔭中学校の学校の沿革についてお話しがありました。
その中からいくつかを紹介します。

学園の現況について

最初に、今夏の台風により被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。
桜蔭中学校は現・お茶の水女子大学の同窓会である、桜蔭会を母体として創立されました。
関東大震災直後のことで、今年で創立95周年を迎える歴史ある学校です。
社会報恩の理念のもとに創られました。
初代校長である後閑キクノは、投票で校長に選ばれました。
女性の参政権がまだなかった時代です。
校長が投票で選ばれたというところに、桜蔭の特徴が表れているかもしれません。
桜蔭では創立当初から礼法の授業を行ってきました。
これは、他の方を尊重するような、真の意味での礼儀作法を身につけてもらうためです。
桜蔭の校訓は「勤勉・温雅・聡明であれ」「責任を重んじ、礼儀を厚くし、よき社会人であれ」です。
どのような時代にあっても変わることのない、自らを省みて他を敬う心を育んでほしいと願っています。

学校の沿革

教務主任の井上先生より、説明会配布資料に基づいて学校の説明がありました。
その中からいくつかを紹介します。

生徒の活動について

桜蔭中学校は1学年5クラス編成をとり、6年間を見据えた指導を行っています。
毎年クラス替えがあり、交友関係を広げるようにしています。
校舎は7時30分に開門、8時20分登校で、8時30分から授業を行います。
1授業は50分で、授業終了は15時10分、16時に下校、17時には完全下校です。
クラブ活動は全員必修になっています。
定期テストでの成績・順位は発表しておりません。
数学・英語については、2段階のレベル別授業を高校2年生から行います。
また、文理でのクラスも高校2年生からです。
桜蔭中学校ではキャリア教育にも力をいれており、講演会も充実しています。
優秀な卒業生たちとのつながりを活かし、様々な方をお招きしています。

入試について

桜蔭学園の先生より入試に関するお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

教育課程・入学試験について

良く聞かれるご質問から先にお答えします。
まず、英語を入試科目にすることはございません。
また、塾に通う必要があるかということですが、通塾は勧めていません。
海外転勤については、中学は一度退学して頂き、戻ってきたときに編入試験を受けられます。
高校は1年間であれば留学扱いにして戻ることができます。
大学入試の英語について話題になっていますが、英語の4技能については対策はしています。
GTECの4技能テストを全生徒が毎年受験していますし、ネイティブの授業も、LLの授業もあります。
出願条件は、保護者と同居しており、通学に60分、ドアtoドアで90分ということです。
新幹線や特急の利用は認めません。
面接は5名のグループ面接です。
文化祭の入場については入場券が必要です。
ただし、受験生とその保護者については、入場券なしでもOKです。

中学一年生の生活について

中一学年主任の久保山先生より入学後1年間の流れについてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

中学一年生の生活について

中1の学校生活は入学式から始まります。
5月になると体育祭があり、たてわりのクラス対抗で競い合います。
5月下旬にはプール開きがあり、プールの授業は11月下旬まで週1回続きます。
6月には初めての定期テストが行われ、結果によっては補習も行われます。
クラブ活動は中間試験後から始まります。
夏休みには2泊3日の宿泊学習がクラスごとに行われます。
浅間山荘で行われるのですが、今年は噴火があり途中で中止になりました。
2学期になると文化祭の準備が行われます。
10月初めには遠足もあり、今年はマザー牧場に出かけました。
11月には講演会もあります。
いまは学年音楽会に向けて練習中です。

桜蔭中学の防災体制について

防災部長の方より、桜蔭学園の防災体制についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

防災について

防災訓練は年3回行っています。
9月には集団下校訓練も行います。
学年ごとにグループを作って下校します。
3月11日の東日本大震災の際は、試験休み中でした。
クラブで登校している生徒しかおりませんでした。
生徒全員分のカロリーメイトと水、毛布を用意してありました。
帰宅困難者は泊まってもらい、保護者の方にも泊まってもらいました。
校舎に損傷はありませんでした。
その後、全生徒が泊まることを想定し防災グッズを追加購入しました。
食料も全生徒の3日分を用意しました。
私立同士が連携して、緊急時に互いの生徒を受け入れる避難ネットに登録しています。
また、全職員が普通救命講習を受け、救命認定証を持っています。

学校訪問を終えて

トップ校の余裕と落ち着きを感じさせる説明会でした。
先生方のお話も、とても穏やかで丁寧で、派手な演出やアピールはありませんでしたが、それがむしろ好印象でした。
校舎や設備も、古いものを長く大切に使っているというイメージで、質素で慎ましい印象を持ちました。
女子校ではありますが、「質実剛健」という言葉がぴったりくるような感じです。
桜蔭中学校は、一言でいえば「いかにも日本の学校」という、とても懐かしい雰囲気を感じる学校環境でした。
お茶の水女子大の同窓会が創立母体となっているということが、こういった雰囲気に影響を与えているのでしょう。
長く最難関校に位置し続けてている理由が、よくわかる説明会でした。