2019 慶應義塾普通部①|学校説明会レポート



慶應義塾普通部説明会レポート①(2019年9月20日)


本日は慶應義塾普通部へ、受験ドクター国語講師の太田 陽光先生が行ってきました。
説明会は大学で行われるため実際に見られなかったが、2015年に新校舎が竣工された。

「普通部」の由来「あまねくつうずる」ことを学ぶことの大切さを重んじている。
「人間(じんかん)交際」の場に普通部はなる。
「労作展」自分の力でテーマを見出し、考え、感じ、汗をかき、工夫を重ね、長い時間没頭しながら、一つの作品を仕上げ完成までこぎつける、という経験をつませる。それを多くの人に認めてもらう展覧会。
「目路はるか教室」慶応普通部を卒業し、第一線で活躍する多数の卒業生を講師に招いて、直接学ぶ機会。
一クラスは1年生は24名 2,3年生で40名と1年生に配慮。2,3年生も英語は20名に分割。

東急東横線、東急目黒線、横浜市営地下鉄グリーンライン 日吉駅下車徒歩5分

日吉駅へは
渋谷から25分(急行約20分)/ 目黒から22分(急行約18分)/ 横浜から20分(急行約15分)

2019年9月15日に行われた慶應義塾普通部の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は慶應義塾普通部ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©慶應義塾普通部

プログラム

普通部長ご挨拶

普通部長の荒川 昭より、慶應義塾普通部の教育に関するお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

教育目的について

ご自身が普通部の卒業生。
・教育目的「独立自尊」と「人間(じんかん)交際」
『学問のすゝめ』に、生まれながらにして貧富の差はなく、学ぶことで貴人・富人になる とある。そのような人間同士が他の人と交流することが大切であり、その場として普通部がある。
・普通部とは
『学問のすゝめ』に、「専ら勤むべきは、人間普通日用に近き実学」とあり、「普(あまね)く通づる」ことを学ぶことが大事だという考えに基づく。学校創設以来の考えであり、大学部ができたときに、「普通部」と名乗るようになった。
大切にしている学び①高大への土台作り②まんべんなく(文理芸)③基礎基本の重視④自己表現力をつける(口頭発表・プレゼン)⑤深化と発展(学びの本質を極める)
・労作展(真面目に行ったことを皆に認めてもらう展覧会。今年で91回目)
・目路はるか教室(卒業し社会の第一線で活躍する先輩から直接学ぶ機会)
・50年後の同窓会に100名集まる。

入試について<国語>

オオモリ先生より国語の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

国語について

入試問題
・40分で文章題2~3題(7000字前後) 漢字の書き取り
・合格するために
①本文に集中して一定速度で読み通す。それを積み重ねることが必要。
②設問で問われてから考えるのではなく、よく出題される設問を念頭に、考えながら読む。
例)ー線部と同じ内容の言い換えや対照的な表現を探す設問
   「なぜそう考えたか」、「なぜ行動したか」という設問
記述
①よく読み、何を問われているかを明確に把握する
②問いかけ方を解答に生かす
例)「源治さんの気持ちをそう感じた理由も含めて」→解答「~なので、~気持ち。」

入試について<算数>

ハヤシ先生より算数の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

入試問題
・13問
①1問3分で解く→素早く解く必要あり
②幅広い範囲が出題される
・合格するために
①深い理解(図にできる)
②行き詰ったら柔軟な発想の変化ができるか、視点をかえられるか

入試について<英語>

オカノ先生より理科の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

英語教育と国際交流について
・4技能5領域
・1年生24名で一クラス 2,3年生40名で一クラスを20名に分けた少人数で授業を行う。
・多彩な教材
・英語読書の記録
・外部試験(GTEC TOEICブリッジ)→2,3年生は全員受ける
・選択授業 例)ネイティブ教員による授業や、他の言語、文化を学ぶ授業
・国際交流(フィンランドとオーストラリアへのホームステイ 個人的な交流から発展したもの)

【まとめ】多様な学びを実現する普通部の英語

入試について<社会>

シンボリ先生より社会の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

入試問題
・出題は3分野と時事問題、総合問題(3分野が混ざったもの) 公民は少なめ
合格するために
・30分で50問→スピード必要
・小学校の授業が基本なので、確実に取れる問題がある
・地図・表・グラフの読み取り
・漢字指定ある
・地理歴史の正確な知識(いくつかの知識を結び付けて解答を出す問題がある)
・日常の身のまわりのものにも目を向けてほしい=福沢諭吉先生の言う「普通」につながる 
例)小売価格の問題(買いなれたもの)、濃縮還元の意図(容量を減らし、輸送コストを下げる)
福沢諭吉先生の問題 著作や言葉から

入試について<理科>

モリガミ先生よりAL入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

入試問題
・30分で40~50問 
・記述70~100字
・図、グラフ1~3問
・出題は四分野+生活
・論理力が必要

授業
ほぼ半分が実験
実験の後にレポートを提出

進学と入試について

モリガミ先生より進学と入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

高等部進学での注意点

SFCへの進学者数に制限がかかり、希望者が多い場合、選抜が行われる(「若干名」と記載)
横浜初等部が設立された関係で内部進学者が多くなるため。
【入学前と入学後の生徒の普通部への印象の変化】
入学前        入学後
厳しい、ちょっと怖い→自由、のびのび
男子校       →気楽、楽しい
指導が厳しい   →ゆるい、でもやるときはやる
真面目、勉強だけ→変な人いる、共通の趣味の友だちできた
楽         →再修制度(留年)あり
おぼっちゃま    →一生付き合える人、色々な分野の得意な人がいる
入学後の変化がなぜおこるのかは労作展をみればわかる

入試情報

・2/1(土)男子約180名
・4科×100点(時間 国算それぞれ40分 理社それぞれ30分)
・食事休憩の後、面接試問と体育実技(できなくてもやろうという気持ちが大切。面接で答えられなくても、質問を考えてくれているだけでもよい。
・出願期間は他の慶応附属校と異なるので注意
・願書は手書き
・8:20集合(7:00から待合室となる体育館が開く)
・15:00~16:00解散(待ち時間長くなるので、書物を持ってくるとよい)
・服装はセーターやフリース、運動靴でよい(実際の写真を見た所、黒と紺が多かった)

学校訪問を終えて

「普通部」の由来、「人間(=社会)普通日用に近き実学」という言葉に集約する教育を実践しているのだと感じました。
それは入試問題にも反映されており、ただ覚えるのではなく、日常生活から得る知恵や、今まで学んだ知識をいかして、図や表から答えを見出す。このような意図のもと、作問されているのがこの説明会で理解できました。
労作展では、小田急線や新幹線の車両を作る生徒がいたという例を挙げていたが、本当に生徒自身にまかせているという印象を強く持ちました。
1年生は24名という少人数であるのは、本当に生徒に配慮したものだと思います。