メニュー

投稿日:2023年08月03日

テーマ: 算数

場合の数(場合分けの利用)  ~V形 W形に並べてみよう~ vol. 3

こんにちは。
受験Dr. の坂井です。

今回も前回の続きのお話。
1~7までの数をW形に並べたとき、並べ方が何通りあるかを考えていきます。
W形の並べ方は次に示すように(ア)~(オ)の5種類の並べ方があります。

スクリーンショット 2023-08-02 13.32.54

いま一度並べ方のルールについて確認しておきましょう。

 

【並べ方のルール】

スクリーンショット 2023-08-02 13.33.54

隣接する数において、下に位置するほど大きく、上に位置するほど小さくなるように並べていきます。
1から7までの数の中で最も大きい数が7ですから、7がW形の最も下に位置することになります。
図1ではW形の一番左は1ですが、これは1<5だから1は5より小さい数なので5より上側に並べることができます。一番右の4も4<7だから4は7より小さいので7より上側に並べることができます。
2と3については、5>3>2と上に位置するほど数の大きさが小さくなっていきます。2と6についても、7>6>2と上に位置するほど数が小さくなっていきます。一方、図3を見るとW形の右側が5<3<1までは上に位置するほど数が小さくなっていきますが、1より大きい2が1より上に並んでいるので、このように並べることはできません。

W形の並べ方のルール確認ができたところで、いよいよこのようなW形の並べ方が何通りできるのかを考えていきましょう。

W形の並べ方(ア)~(オ)5種類のうち、前回は(ア)について考えました。
今回は、前回に引き続き(イ)の並べ方について考えていきましょう。

 

(イ)について

並べ方について調べていくときのポイントは(ア)のときと同様に
数の位置が限定できるものについて、場合分けをするという点です。

1~7の中で7は最大の数だから、7の位置は
右の図1のPまたはQとなります。

スクリーンショット 2023-08-02 13.34.59

7がPの位置にあるとき、6の位置は次の2通りです。

スクリーンショット 2023-08-02 13.35.21

(ⅰ)と(ⅱ)のそれぞれについて、場合分けをしながら並べ方が何通りあるかを考えていきましょう。

 

(ⅰ)の場合

1を並べることができる場所で場合分けして考えます。
1を並べることができる場所は次に示す<X><Y><Z>の3通りです。

スクリーンショット 2023-08-02 13.36.08

<X>と<Y>と<Z>の場合について、aの位置に並べる数によりそれぞれ何通りあるかを考えていきます。

<X>について
aの位置に5を並べることができない (5より大きい6または7をdの位置に並べることができないから)ことに注意して、
a=2のとき、(b,c,d)=(3,4,5)
a=3のとき、(b,c,d)=(2,4,5)
a=4のとき、(b,c,d)=(2,3,5)           よって 1×3=3通り になります。

<Y>について
a=2のとき、(b,c,d)=(3,4,5)
a=3のとき、(b,c,d)=(2,4,5)
a=4のとき、(b,c,d)=(2,3,5)
a=5のとき、(b,c,d)=(2,3,4)           よって 1×4=4通り になります。

<Z>について
a=2のとき、(b,c,d)=(5,3,4)または(5,4,3)の2通り
a=3のとき、(b,c,d)=(5,2,4)または(5,4,2)の2通り
a=4のとき、(b,c,d)=(5,2,3)または(5,3,2)の2通り
a=5のとき、(b,c,d)=(4,2,3)または(4,3,2)の2通り   よって 2×4=8通り になります。
したがって、(ⅰ)の場合は、 3+4+8=15通り になります。

 

(ⅱ)の場合

(ⅰ)と同様に、1を並べることができる場所で場合分けして考えます。
1を並べることができる場所は次に示す<X><Y><Z>の3通りです。

スクリーンショット 2023-08-02 13.37.10

<X>について
aとbは2、3、4,5のうち、どの数でも並べることができます。(a<bでもa>bでもよい)
さらにaとb以外の残りの2つの数は、c<dになるように自動的に並び方が決まります。
すなわち、aとbの並び方(a<bでもa>bでもよい)だけを考えればよいということになるのです。

aとbの並び方: 4×3=12    12通り

<Y>について
aとbは2、3、4,5のうち、どの数でも並べることができます。(a<b)
aとb の数が決まれば、aとb以外の残りの2つの数は、c<dになるように自動的に並び方が決まります。
すなわち、aとbの組合せ(a<b)だけを考えれば良いということになります。

aとbの組合せ: 4×3÷2=6  6通り

<Z>について
aとbは2、3、4,5のうち、どの数でも並べることができます。(a<b)
aとb(a<b)が決まれば、残りの2つの数cとdは自動的に決まります。

aとbの組合せ: 4×3÷2=6

このとき、cとdはc>dでもc<dでもよいので、 6×2=12  12通り
したがって、(ⅱ)のときの場合は、12+6+12=30通り になります。

1~7までの数をW形の(イ)になるような並べ方は
7がPの位置にあるとき、(ⅰ)(ⅱ)より 15+30=45通り となります。
7がQの位置にあるときも考えると 45×2=90通り となります。

 

前回の(ア)の並べ方に続いて、(イ)の並べ方について考えてみましたが、慣れてきたでしょうか。

ポイントは(ア)について考えたときと同じく、
まず7の場所について場合分けをすることです。さらにそれにつながる6の場所が限定されるので6について場合分けをし、最後に最小の1について場合分けをして集計をしていくことです。一言で言えば、数の位置が限定できるものについて、場合分けをしていくということになります。

次回も引き続き、W形の並べ方5種類のうち、(ウ)について考えていきます。
本当に良い練習になると思うので、是非チャレンジしてみてください。

それではみなさん、
またお会いしましょう。

算数ドクター