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投稿日:2024年04月11日

テーマ: 理科

中学受験理科・ミニ知識 ~爆発に関する問題~

前回のブログで、軽石のでき方について扱いました。その中で、知らない問題に対処する際に、知っている知識と結びつけることの重要性について触れました。

それなら、ということで、その背景を深掘りしていきます。
今回は爆発現象について扱います。知っていて損のない、ミニ知識としてぜひ蓄えていきたい内容です。次の問題で楽しく勉強しましょう。

 

【問題】次の文を読んで、問いに答えなさい。

みなさんは、「にんじん」というお菓子を知っていますか。にんじんの形をしたオレンジ色の袋に入って売られていますが、野菜のニンジンは入っていません。
袋の中に入っているのは、ふわふわサクサクとした食感のお菓子で、実はお米からできています。
この菓子は「ポン菓子」とも呼ばれています。
ポン菓子の作り方は以下の通りです。

ポン菓子の作り方
1 金属製の容器にお米を入れる
2 装置をゆっくりと加熱する
3 内部の圧力が高くなった状態で、ふたをハンマーでたたいて外す
4 米が容器の外に飛び出す

(1)硬かったお米がふわふわサクサクになった理由を説明しなさい。
(2)なぜ「ポン菓子」と言われているのでしょうか。理由を考えて説明しなさい。

 

(1)硬かったお米がふわふわサクサクになった理由を説明しなさい。

(1)硬かったお米がふわふわサクサクになった理由を説明しなさい
かたい米粒が、ふわふわサクサクになる理由を考えます。
米粒に含まれている水分加熱され、温度が上がります。水は通常は100℃で沸騰するのですが、密閉容器内なので、圧力が高まり、そう簡単には沸騰できません。
加熱を続けると、内部の圧力がさらに大きくなります。
「早く水蒸気になりたい」という気持ち(水の気持ちです)が最高潮まで高まったところで、
ハンマーでふたを外します。

すると、容器の中からふわふわになった米粒が、飛び出してきます。ふたを外すことで圧力が急激に下がるため、水蒸気になりたいという願いが一瞬でかなえられたのです。
これによって、多数の水蒸気の気泡が米粒内部に生じます。この気泡が、ふわふわサクサクを作り出すのです。
さて、答案にするために、どのキーワードを用いるかを検討します。
説明部分の使えそうなところに傍線を引きました。傍線部を書き出すとこうなります。

米粒に含まれている水分 加熱 圧力が急激に下がる 水蒸気 気泡

どうでしょうか。解答の完成形がほぼ見通せましたね。
このように、理科の記述問題は、キーワード決めができれば、ほぼ終了するといってよいのです。

(2)なぜ「ポン菓子」と言われているのでしょうか。理由を考えて説明しなさい。

ポン菓子を知っている世代には愚問でしょうが、全く知らない世代にとっては問題として成り立ちそうです。少しだけ考えることが必要です。直接理由が書かれていないので、問題文から使えそうなところを何とか読み取りましょう。
ヒント1 ポン菓子の「ポン!」とは? 何か大きな音が出るのか?
ヒント2 ふたを外した瞬間にお米が飛び出す
傍線部分を拾うと

ふたを外した瞬間にお米が飛び出す 大きな音

これらをつなぐとまとめられそうですね。

今回のポン菓子は、水が急激に気化する現象で、一般的には
水蒸気爆発
と呼ばれます。水蒸気爆発の身近な例はいくつもあります。例を挙げておきます。

①イカの天ぷら
イカの天ぷら、おいしいですよね。イカの天ぷらを揚げる際、イカは表面に水分が残ることが多く、わずかな水分が揚げ油に直接ふれると、パーンと水蒸気爆発を起こします。油が飛び散るので、やけどに注意!

②電子レンジで飲み物を温める
電子レンジで飲み物を温めるとき、加熱しすぎると、少しの振動をきっかけに爆発的に飲み物が飛び散ります。いわゆる「突沸」です。やけど注意!

 

おまけのクイズ問題を用意しました。(正解できなくてOKです)
(3)なぜポン菓子には「ニンジン」の名がつけられたのでしょうか。

難問です。本文中にヒントを混ぜ込んで推測させることはできなくもないでしょうが、そうなると理科ではなくなります。
ただクイズとしては大変面白いです。私もわからなかったので調べてみました。こんな説がありました。

 

移動販売でポン菓子を売る際に、できた菓子をオレンジ色の円すい形のセロファンに詰めて売ることが多かったそうで、その色と形状からにんじんの名がついた、という説がありました。
真相は謎ですが、これは説得力の高い説だな、と勝手に納得してしまいました。

今回の問題は
(1)…軽石のでき方
(2)…火山の噴火
のメカニズムを説明する際に、役に立ちます。地味ですが、ご活用ください。

さらに考察を続けていこうと思います。

理科ドクター