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投稿日:2023年03月24日

テーマ: 算数

算数の小技 ~場合の数・場合分けの基本~

場合の数は算数不人気ランキングの上位に来ます(個人の見解です)。

今回は「数字の5を含む4桁の整数の個数」に挑みます。

いろんなパターンがあるときは、パターンごとに分類(=場合分け)してから調べることが有効です。今回は場合分けを駆使して攻略していきます。

 

【問題】
1000から9999までの4桁の整数のうち、2025や5055のように5を含んでいる整数は何個ありますか。 (2022 本郷)

 

太郎:数字の5を含む4桁の整数を数えるんだね。

父:頑張ってみるか?

太郎:うん。
よし、いくぞっ!
まず5が現れる場所は、千の位、百の位、十の位、一の位の4通りある。
千の位は1以上、その他の位は入れる数字に制限はないから、千の位と下3桁を分けて考えることにする。

父:場合分けだな。いいぞ。

太郎:まず千の位が5の場合、
この場合すべての数が5を自動的に含むことになるね。下3桁には000から999までだから…

父:999個かな。

太郎:うーん。
001から999だと999個あるんだから、000も含めると…
全部で1000個だ。

父:おおっ。

太郎:次に、千の位が5以外の場合、残りの3桁を考えてみるね。
□を5以外の数として、

① 5が1個登場するパターン
下3桁は、5□□、□5□、□□5が考えられる。
□には5以外の数字…0,1,2,3,4,6,7,8,9の9通りの数が入る。
だから、それぞれ9×9=81通りあるね。合計は81×3=243個ある。

父:ほほう。

太郎:続けるよ!

② 5が2個登場するパターン
下3桁は、55□、5□5、□55。
□にはそれぞれ9通り入るから、合計は9×3=27個ある。

③ 5が3個登場するパターン
下3桁が、555。この1個しかないね。

以上、①から③を合計すると
243+27+1=271個になる。

千の位が1,2,3,4,6,7,8,9の8通りだから、
全部で
271×8=2168個だね。

これと、千の位=5のときの個数1000個を合わせて、
答えは3168だ!

父:見事な攻略じゃ。
今回のポイントは?

太郎:場合分けをすることでもれなく、ダブりなく数え上げる。
どこかできいたような気がする…

父:そのポイントを押さえた解答だった!

 

今回の小技

場合分けで、もれなく、ダブりなく数える。

 

父:直接数えるとしたら、これで完璧だ!!

太郎:ちょ、直接って、ちょっと待ってよ。直接求めなくてもよかったってこと??

父:直接求めなくて済む方法はある。いわば「間接技」。

太郎:関節技じゃなくて??
いい方法があるなら早く言ってほしかった…

父:だから最初に「頑張ってみるか」と聞いたのだ。

太郎:そうだったのか!

父:そもそも、最初から答えを教わってしまったら…

太郎:力がつかないね。
でも答えを知りたいのは…。

父:受験生の宿命、か。もう一つの方法については、次回に続く。

太郎:(引っ張るなあ)

 

いかがでしたか。5の位置と、5の個数で重複が出ないように慎重に調べて太郎君は見事に正解にたどり着きました。

「間接技」の話は次回扱います。お楽しみに。

算数ドクター