最新記事 2020年12月03日

テーマ: 理科

冬の満月はなぜ高い。

皆様こんにちは。大木快です。
寒くなってきました。
冬です。満月です。空気が澄んでいるので満月は明るく感じます。
この時期満月を見ると、あることに気づくでしょう。

高い! とにかく高い。

今回は、「冬の満月が高い」
すなわち南中高度が高くなる理由を考えていきましょう。

まず、季節によって「太陽の」南中高度が変化する理由から確認します。

例題1
太陽の南中高度は、夏は高く冬は低い。この理由を次の語句を用いて説明せよ。
(公転、地軸)

季節による変化は、地球の公転によってもたらされますが、ただ公転するだけでは変化は起こりません。

図を見てください。
仮に地軸が傾いていなかったら、こうなります。
理科20201203_01

太陽は同じ高さに見えていますね。
ところが、
地軸が傾くと、こうなります。
理科20201203_02
わかりやすくするため、顔をかきますね。
理科20201203_03
すると、
夏の太陽は、高い。
冬の太陽は、低い。

理科20201203_04
一目瞭然ですね。太陽の南中高度が季節によって変化する理由は、この図を見れば説明できるでしょう。

例題1解答例
地球は地軸が傾いたまま太陽の周りを公転しているから。

では理屈を完全に固めるための敢えてのトレーニング問題です。

練習問題1
次のうち、
1南中高度が高く見えるもの
2南中高度が低く見えるもの
を、それぞれすべて選びなさい。
ア 春の上弦の月
イ 春の満月
ウ 春の下弦の月
エ 夏の上弦の月
オ 夏の満月
カ 夏の下弦の月
キ 秋の上弦の月
ク 秋の満月
ケ 秋の下弦の月
コ 冬の上弦の月
サ 冬の満月
シ 冬の下弦の月

圧倒されましたか。一見ややこしそうな問題のほとんどは「はったり」です。要求されている理屈を用いれば易しいのです。

今回の基本を利用すると、この問題は以下のように考えることができます。
赤字部分が補足です。

次のうち、
1南中高度が高く見えるもの=夏の太陽と同じ向きに見えるもの
2南中高度が低く見えるもの=冬の太陽と同じ向きに見えるもの
を、それぞれすべて選びなさい。

なお、新月は見えないことになるので、選択肢から省きました。
それでは図で考えてみましょう。
まずは「高く見える者たち」
理科20201203_05

夏の太陽と同じ向きにあるものを選ぶだけですね。
続いて、「低く見える者たち」
理科20201203_06

さっきの逆です。以上。
解答は、解説をもって代えさせて頂きます。

それでは、仕上げの問題です。

練習問題2
6月に藤沢市で見た満月が真南に来たときの地平線からの角度は、12月に同じ場所で真南に見えた満月よりも小さくなりました。このことから、6月と12月の月の公転軌道面、地球、太陽の位置はどのような関係になっていると考えられますか。次の中から最も適切なものを選び、番号で答えなさい。ただし、図中の地球は、上が北極側であるものとします。(H29 慶應湘南藤沢)

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正解: 3

地軸だけを見て1.を選んでしまいそうですが、これでは地球から見た月の南中高度が変化しないことになってしまいます。月の南中高度も、太陽と同じ理由で変化していることを考えると、月の公転面と地球の公転面が一致している3.を選ばなければなりません。
なお、実際には月の公転面と地球の公転面は5度ほどの角度があり、この5度のずれがあることによって日食や月食は毎月見ることができない、ということも難関校チャレンジャーは常識として押さえておく必要があります。
天体の運動は、理解するハードルは高いですが、理屈がわかってしまえば暗記量は少なくてすみます。今回の練習問題1は、理屈が入っているかをチェックできる問題になっています。自分で図を描いて正解できるようなら、どんな変化にも対応できるでしょう。

冬の空を観察するときは、短時間でもしっかり厚着をしてくださいね。