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投稿日:2010年06月18日

テーマ: 日記

心の支え

 

「大手塾に通わせておけば、合格させてくれるものと思っていました。」

大手塾をやめて4教科ともドクターの個別に切り替えたご家庭との面談中に、お母様はそうおっしゃっていました。

大手塾の合格者数を見て、その中に我が子も当然入るはずだと。きちんと面倒を見てくれるはずだと。

でも、実際は・・・。

 

大手塾にも、生徒一人一人の面倒を見てあげようと、必死に取り組んでいる講師がいるはずです。

でも、物理的に難しいでしょう。会社側の要求と家庭側の要求とで板挟みになり、苦悩しているかもしれません。

 

面談後、自分自身がかつて大手塾に勤務していた頃を、ふと思い出しました。

 

私が勤務していた校舎には、例年、御三家を含む最難関校志望者もいれば、上位校~中堅校志望者もいました。表現として適切ではないかもしれませんが、下位校志望者もいました。

次年度の新入塾生を増やすには名の通った学校の合格実績が欲しいため、最上位クラスの生徒には手厚くフォローするのが当然といった雰囲気。すると、それ以外のクラスの生徒に対してのフォローがどうしても手薄になります。

 

また、日曜日の女子御三家特訓には首都圏各校舎から生徒が集まるので、普段見ていない生徒ばかりを相手に授業を行うことになります。

ここから女子御三家の合格者を出すためには、各生徒が普段通っている校舎の授業担当者との連絡を密に取り、生徒の状況を常に把握しておかなければなりません。

1つの学校だけを担当するのであればまだまし。これが桜蔭クラスとJGクラスを同時に担当する場合には、特訓クラスの生徒のことで忙殺され、ともすると普段勤務している校舎の生徒のことが後回しになってしまうこともあります。

 

女子御三家合格者数を叩き出す責任があることは重々承知していました。

その一方で、講師である以上、志望校のレベル云々にかかわらず、担当するすべての生徒に対して志望校合格のためにできることはすべてしてあげたいという思いが当然あるわけです。

双方の思いを満たすためには、限界を超えるほどの仕事量をこなすしかありません。そうするしかないんです。

もちろん、体は壊れます。社内を見渡せば、生真面目な人間から順に体調を崩して、退社していきました。

幸いにも私は学生時代からノリが体育会系で、徹夜での仕事が続いて体を壊してもすぐに復活する回復力があったことに加えて、合格したときに生徒とご父兄が見せてくれる最高の笑顔と嬉し涙が心の支えになり、体は壊れても心は壊れない状態を保つことができました。

 

ドクターに移ってからも、心の支えは変わらず。

今年度の6年生はいつも屈託のない笑顔を見せてくれています。

合格発表で、その笑顔をつらい涙で曇らせないようにしたい。最高の笑顔を引き出したい。

 

だから今年も頑張ります。