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投稿日:2024年04月18日

テーマ: 算数

中学受験生必見!「比」の使い方②

みなさん、こんにちは。
受験Dr.算数科の江田です。

「比」について理解を深めよう!
というお話を前回のブログでしましたね。
今回はその続きです。

さっそく問題です。

【問】
A商店ではある品物を何個か仕入れ、3日間かけてすべて売り切りました。
1日目は仕入れ値に5割の利益を見込んで定価をつけ売ったところ、全体の2割を売ることができました。2日目は、定価の2割引きにして売ったところ、残りの半分が売れました。3日目は、2日目の売り値をさらに2割引きにして売ったところ、すべて売り切ることができ、利益の総額は24600円となりました。
このとき、仕入れ値の総額はいくらですか。

ぜひ6年生のお子様はチャレンジしてみてください!

 

いかがでしょう。

この問題、最初とまどう方も多いかと思います。

なぜなら、
「1個あたりの仕入れ値も、仕入れた個数も具体的な数値がわからない」
からです。
よくある典型題では、最低でもどちらかはわかっているものばかりなのです。

それでは、どのようにして考えていけばよいのでしょうか。

 

ここで活躍するのが「比」です。
1個あたりの仕入れ値も、仕入れた個数もどちらもわかりませんが、
それぞれ1日目の値を比の 「1」 とおきましょう。
ただし、もちろんそれぞれ“別モノの比”なので

1個あたりの仕入れ値を①、仕入れた個数を❶

として考えていきます。
このとき、仕入れ値の総額が

①×❶

となります。
ここで注意しなければならないのは
この計算結果は

①でもないし❶でもない

ということです。
ここが前回のブログでお話した内容です。
つまり、“さらに別モノの比”になり

①×❶=⑴

ということになります。

このことをおさえると、
今回の問題の3日間の状況は以下のように整理できます。

3日間の状況を整理した表

この「総売上」と「仕入れ値の総額」との差である

1.164 - 1 = 0.164

が利益の総額である24600円ですので、仕入れ値の総額は

24600 ÷ 0.164 = 150000(円)・・・(1)

と求められます。

いかがでしたか。

算数の世界では具体的にはわからない数値を「1」とおいて考えていく場面が多いですよね。
ただなんとなく比を使っていくのではなく、一つひとつの数値が何を意味しているのかに注意しながら取り組むことで、比への理解は深まっていくことでしょう。

それではまた次回お会いしましょう!

算数ドクター