最新記事 2017年03月09日

テーマ: 算数

うるう年は4年に1回? 日暦算あれこれ②

算数・理科担当の大木快です。

まだまだ寒いですが、道端の草花はすっかり春を感じさせてくれる季節となりました。

今年は「平年」ですから、ホワイトデーはバレンタインデーと同じ曜日になります。今回は、閏年(うるう年)のお話。

前回、ユリウス暦における、各月の日数が決まるいきさつについてご紹介しました。ユリウス暦では4年に1度の閏年を置くことで、季節と暦のずれを修正することに成功しました。

 

ところで現在私たちが用いている暦は、「4年に1度」でおなじみのユリウス暦ではありません。

えーっ、閏年って4年に1度じゃないの?

と思われた方、そうなんです。今の閏年は、正確に言うと「4年に1度」ではないんです!

今回はユリウス暦の改良型である、現行のグレゴリオ暦による閏年の設定についてご紹介します。

 

《ユリウス暦の精度=100年たっても大丈夫》

地球が太陽の周りをちょうど1周する時間を「1太陽年」といいます。

1太陽年=365.24218…日

です。地球の公転と自転は別々の動きなので、きれいな値にならないのは仕方ないところ。

ユリウス暦では4年に1回の閏年を設けて、すなわち1年あたり

1÷4=0.25日増やして、

1年=365.25日

とすることで、暦と季節のずれを解消しました。これはおそらく古代としては画期的な精度だったといえるでしょう。

というのも、この値は実際の公転周期にかなり近いもで、生じる誤差は1年でおよそ11秒。1日の誤差を生じるのに128年もかかるという正確さでした。つまり、この先100年は安泰、な暦だったわけです。

 

《グレゴリオ暦への移行》

そしてユリウス暦は100年どころか、1582年に改良型の「グレゴリオ暦」が採用されるまで、なんと1600年もの長きにわたり使われ続けたのでした!

そのころになると、季節と日付のずれが10日ほどになり、さすがに問題となっていました。

 

《グレゴリオ暦の精度》

すでにコペルニクスやケプラーが現れていた時代です。1太陽日はかなりの精度で求められていて、時のローマ教皇グレゴリウス13世が作らせた改良案は、400年に3回の閏年を置かないことで、暦のずれを解消しようというものでした。これが現在私たちが使っているグレゴリオ暦です。この改良により

1年=365.2425日

となり、一年の誤差は27秒。1日の誤差が生じるまでには3221年!

これで「あと3000年は大丈夫」な暦が完成しました。すでに400年以上経ちましたが、今のところへっちゃらですね。

 

このグレゴリオ暦で行くと、遠い将来、西暦4800年ころに、閏年を1回減らす調整が必要となります。私のカンでは、西暦4400年か4800年を「平年」とするのではないかと思っています。さすがに見届けられませんが。

なお1582年にグレゴリオ暦が導入された際は、それまで蓄積された暦と日付のずれを解消するため、10月4日の次を10月15日、としたそうです。今だったら大混乱しそうですね。

 

《閏年の置き方 攻略法》

ここで、400年に3回閏年を置かないことにする、の具体的な方法を確認しましょう。中学入試では算数でも理科でも暦に関して細かく言及されることがありますから、このことは知っていて損はないです。どうせなら覚えてしまいましょう。

グレゴリオ暦ではこうなります。

 

①西暦が4で割り切れる年を閏年とする② ①に該当する年でも100で割り切れる年は閏年としない

③ ②に該当する年でも400で割り切れる年は閏年とする

一言でいうと、

4で割り切れる年のうち、100で割り切れるが、400で割り切れない年を平年とする

うーん、

どちらも分かりにくいですね。少し言い換えてみましょう。

閏年は400年に97回置く。4の倍数のうち平年とする3回は、下表の×の年とする。
日暦算 うるう年

どうでしょうか。並べて書くと、周期が見えて、覚えやすくなりそうですね。

 

《400年に1度?》

表をよくご覧ください。シドニーオリンピックが行われた先の2000年というのは、実は下2ケタが00なのに、閏年になるという、400年に1度のスペシャルイヤーだったということになります。

認知度が低かったせいか、まったく話題にならなかったので、普通にいつもと同じ「4年に1度の閏年」を過ごした人が多かったように思いますが、私たちは400年に1度、という大変貴重な年を経験していたのです。

 

さて現在の小学生は、2100年に遭遇する可能性があります。近代オリンピックの第1回は1896年のアテネ大会。2100年はおそらく、「閏年でないオリンピックイヤー」として大いに話題になるでしょう。その頃の中学入試で取り上げられる可能性が高そうですね。

《うるう秒》

ところで、閏秒(うるう秒)がニュースになったり、時事問題集に取り上げられることがあります。これは、国際的な標準時を決める時計(正確)と、地球の自転(あまり正確ではない)の誤と差を修正するための作業です。

今年2017年の1月1日に、8時59分59秒の次に8時59分「60秒」が追加される形で1秒挿入されました。

次のうるう秒はいつになるかわかりませんが、そのときは電話の時報でその瞬間をぜひ聞いてみたいと思います。

 

それでは次回をお楽しみに。