最新記事 2016年09月17日

テーマ: 算数

速さの問題を目で視る!状況図の書き方

みなさん、こんにちは。受験ドクターのEです。

受験生にとってはいよいよ追い込みのシーズン。夏の総復習も終え、

志望校や併願校の過去問に取り組み始めていることでしょう。

目で視る算数、今回は「速さの情報整理方法」を深めてみましょう。

 

それではさっそく実際の問題を見てください。

 

P地点からQ地点までまっすぐに伸びた通路があり、

これに沿って一定の速さで動く「動く歩道」があります。

P地点からQ地点まで通路を歩くと太郎は180歩、次郎は120歩かかり、

「動く歩道」上を歩くと、太郎は144歩かかります。

また、2人がP地点から「動く歩道」上を同時に歩き始めると、

太郎はQ地点に次郎より8秒遅く到着します。

太郎が40歩歩く間に次郎は30歩歩くものとして、次の問いに答えなさい。

(1)太郎の歩く速さと動く歩道の速さの比を、最も簡単な整数の比で答えなさい。

(2)太郎が通路をP地点からQ地点まで歩くとき、何分何秒かかりますか。

【早稲田中入試問題より】

 

 

以前のブログ「図はいつ描くの?」で触れたとおり、問題文を読む作業と図を描く作業は

並行して進めていきます。

つまり、どんどん問題文だけ読み進めてしまうのではなく、問題文の区切りごとに、

そこから分かる情報を小分けに整理していくというのがポイントです。

 

 

『P地点からQ地点までまっすぐに伸びた通路があり、』

速さ1

『これに沿って一定の速さで動く「動く歩道」があります。』

速さ2

 

『P地点からQ地点まで通路を歩くと太郎は180歩、次郎は120歩かかり、』

速さ3

『「動く歩道」上を歩くと、太郎は144歩かかります。』

速さ4

まずここで、動いた「距離」に注目して整理すると

速さ5

太郎が144歩しか歩いていないのに180歩ぶん離れたQ地点に到着したのはなぜか?

それは、太郎が自力で144歩進んだその時間で、動く歩道が36歩ぶん太郎を運んだからです。

ここから、太郎と動く歩道について

「同じ時間」に進んだ「距離」の比が分かりました。

太郎    144歩

動く歩道  36歩ぶん

です。

これが太郎と動く歩道の「速さの比」にあたります。

太郎:動く歩道= 144 : 36 = 4 : 1

 

また、太郎と次郎について関係を整理してみると

 

まずこちらの場面 「同じ距離」を進むのに太郎は180歩、次郎は120歩かけているので

太郎と次郎の1歩あたりの歩幅の比は 逆比で

太郎 : 次郎 = 2 : 3 と分かります。

速さ6

この「歩幅」の情報に、『太郎が40歩歩く間に次郎は30歩歩く』 という情報をあわせると

速さ7

「同じ時間」で太郎と次郎が進む「距離」の比が

②×40 : ③×30 すなわち 8 : 9 だと分かります。

これが、太郎と次郎の速さの比の情報です。

 

先ほどの、「太郎」と「動く歩道」の速さの比の情報と、

ここで手に入った「太郎」と「次郎」の速さの比に関する情報を統合する

 

太郎:次郎:動く歩道

=  8 : 9

4    :  1

=  8 : 9 :  2

と、分かります。

 

ここまでの下ごしらえをしたうえで、問題文の場面に戻りましょう。

 

『2人がP地点から「動く歩道」上を同時に歩き始めると、

太郎はQ地点に次郎より8秒遅く到着します。』

 

動く歩道の上を歩くとき、その速さは、人の速さ+動く歩道の速さになります。

これは流水算の発想ですね。

速さ8

 

すると、見かけの速さの比は

動く歩道上の太郎 : 動く歩道上の次郎 = 10 : 11

 

同じ距離を進む場合に、かかる時間はその逆比になりますから

PからQまで進むのに

太郎のかかる時間 : 次郎のかかる時間 = 11 : 10

だと分かります。

この 比の  1 の差が 『8秒遅く到着します』の8秒のずれということですね。

1 =8秒だと分かれば、太郎がかかった時間である 11 も当然分かります。

 

さて、 ここまでで問題を読み進めながら描いた速さの図のポイントをまとめておきたいと思います。

 

速さの問題では、与えられている情報や問われている情報が、

「速さ」なのか「時間」なのか「距離」なのかをきっちり区別して把握することが重要です。

 

その仕分け作業を助けてくれるのが、『ルーチン化した図の描き方』です。

図を描く際に、「距離の情報」を書く場所、「時間の情報」を書く場所、「速さの情報」を書く場所、

と、いつもその場所には、その種類の情報を書くように習慣をつけてしまいましょう。

 

問題文を読みながら、与えられる場面をそのまま図にしていき、

書きこめる情報があれば図に書き込み

書き込める情報がなければ空欄で空けておきます。

 

すると、今何に関する情報が分かっていて、何の情報が不足しているのかが

視覚的にも明らかになってきます。

速さ9

 

何時何分に出発して・・・というような時刻の情報も反映させたいときは、下のように

「時刻マーク」あるいは「同じ時刻マーク」を書き入れます。

速さ10

 

また、「速さ」というテーマには必ず「動き」があります。

ですから、どこから、どこまで動いたか、という場所に関しての変化と

何時から何時まで、どれだけの時間をかけて動いたか、という時間に関する変化とを

きっちりと問題文から読み取って図に整理しきるようにしましょう。

 

上級編になると「分からない」と見せかけておいて「比なら分かる」という情報の与え方があります。

何分、とか何mと、具体的に書かれていなくても、「同じ速さで」とくれば「速さの比が1:1」

というふうに、比だけでも分かる部分を見落とさないように、描きあがった図を徹底活用していきましょう。

 

次回は速さにおける面積図の活用に触れたいと思います。

ご期待ください。