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投稿日:2021年08月17日

テーマ: 算数

【平面図形】「双子山」の考え方

皆さま、こんにちは!
さて、前回は「面積比」の応用編として「Aをねらえ型」について解説しました。
以下のような公式が成立しますよ、ということでした。
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今回は、さらに様々な「面積比」の公式を考えてみようと思っていたのですが、その前に少し寄り道します。
寄り道と言っても、内容はとても重要です。
今まで、ことあるごとに「面積比」の基本は「双子山」です、と言ってきました。
「双子山」さえ知っていれば、ほとんどの問題は解けます、ともお伝えしてきました。
では、「Aをねらえ型」の場合も「双子山」だけで解けるのか、ということを解説したいと思います。
結論から先にいってしまえば、もちろん「双子山」だけで解けます。
今回は、やっぱり「双子山」は万能なのだなー、ということを理解して頂ければと思います。

まずは、「双子山」から確認しましょう。
もう何度もお見せした図ですね。
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次に、前回あつかった問題をもう一度見てみましょう。
こんな問題でした。
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さて、この問題を「双子山」だけで解くならどうしたらいいでしょう?
図を見て「双子山」がどこかにありますか?
ないですよね?
ということは、自分で作る必要があるということです。
そう、つまり補助線を引いて「双子山」を作り出すということです。
補助線の引き方としては、2通り考えられますが、今回はAEを結んでみましょう。
すると、このような図になります。
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ここからは、5月10日のブログでも解説したやり方で、分数をうまく使って「面積比」を処理してみましょう。
まず、△ADEと△DBEの面積を比べます。
このとき、ふたつの三角形は「双子山」ですね?
高さは共通で、底辺比はAD:DB=1:4です。
ということは、面積も当然1:4です。
ではこの数字を、そのまま面積として設定してしまいましょう。
すると、△ABEは5ということになりますね?
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次に△ABEと△AECを比べてみます。
こちらも高さが共通の「双子山」です。
底辺比は、BE:EC=2:3です。
よって、面積比も2:3です。
先ほど△ABEの面積は5となっていました。
ですから、2:3なら、△ABEの面積を3/2倍(2分の3倍)すれば、△AECの面積になります。
5×3/2=15/2ですから、△AECの面積は15/2と決まりました。
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ここまでわかったことを整理してみると、以下のようになります。

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あとは、どの三角形とどの三角形を比べなくてはいかないのかに注意しましょう。
設問は、△DBEと△ABCを比べることを求めています。
いま、△DBEは4、△ABCはすべての面積を足せばよいので、1+4+15/2=25/2です。
よって、4:25/2ですが、解答は一番簡単な整数比にするのがお約束です。
ですので、左右を2倍して、答えは8:25となります。
ちゃんと前回と同じ答えになりましたね?
「Aをねらえ型」の公式を使うのであれば、(2×4):(5×5)で、やっぱり8:25になりますね。

いかがでしょうか?
こうやって考えてみると、「双子山」だけでも問題は解けることがわかりますね。
そして、「Aをねらえ型」の便利さも同時にわかります。
「双子山」を使って解くのに比べたら、圧倒的に作業量が少なくて済みます。
ただし、意味も分からずに公式を丸暗記して使っているのはダメですよ!
それでは応用も利かないですし、忘れてしまったときに対処に困ります。
「なぜそうなるのか?」ということを常に意識してトレーニングしましょう。
「Aをねらえ型」については、詳しくは前回のブログをご参照ください。

それでは、今日はここまでです。
また次回お会いしましょう!

算数ドクター