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投稿日:2010年11月17日

テーマ: 受験情報 / 日記 / 理科

身近な”生物多様性”

先月、名古屋でCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開かれ話題になりましたが、今日はこの「生物多様性」に絡んで…

 

 

日本人に馴染み深い生物の一つ、「メダカ」が絶滅危惧種に指定されている事は、皆さんご存知だと思いますが、小学生の中には、「なぜメダカが絶滅危惧種にしていされているのか」分からない人も多いのではないでしょうか。

実際、メダカの飼育学習をする学校も多いので、すぐには「絶滅」のイメージと結びつかないのも分かります。
ですが、メダカは今、間違いなく危機に瀕しているのです。

そもそも、飼育されているメダカと野生のメダカでは品種が違います。
皆さんが学校で飼っているのは「ヒメダカ」、野生種は「黒メダカ」と呼ばれています。
また、この「黒メダカ」の中にも地域や川によって微妙な遺伝子レベルの違いがあり、これらの地域による多様性が失われつつあるというのが、メダカが絶滅危惧種である理由なのです。
メダカが棲めない地域や川が出てきた、ということですね。

さて、こうなると何とかしてメダカを「保護」したいと考えるのが人情というもの…
中には、川にメダカを放流する人も出てきました。
ところが、上記の事を考えると、これは大きく間違っているという事が分かると思います。
そもそも「地域による多様性が失われてきた」のが、メダカが絶滅危惧種になった理由だったのに、放流するメダカは「余所から連れてきたメダカ」です。
そこで違う種同士の交雑が行われれば、むしろ「地域による多様性」の喪失は進んでしまうというわけです。

メダカはもともと、繁殖力の強い魚だそうです。
生きていける環境さえ整えれば、自然と数は増えるのかもしれません。

 

 

COP10のあった今年。多様性に絡めた生物分野での出題があるかもしれません。
机に向かう勉強も勿論大事ですが、ニュースにも目を向けてみて下さいね!