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投稿日:2009年05月06日

テーマ: ニュース / 社会

古代史のロマン

最近、クレオパトラ(紀元前69ー紀元前30)のお墓が発見されそうだという記事を読みました。クレオパトラは古代エジプトの女王でその美貌でカエサルやアントニウスを翻弄し、後世フランスの哲学者パスカルをして、「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら歴史は変わっていた」と言わしめました。

他方、わが国の古代の女王といえば、卑弥呼(175?ー248?)を考える人が多いと思います。中国の歴史書『魏志』倭人伝の中に登場する邪馬台国の女王。卑弥呼はクレオパトラより2世紀後の弥生時代後期の人物です。今上映中のレッドクリフは魏の曹操軍と諸葛孔明に率いられた呉と蜀の連合軍の戦い(赤壁の戦い、208年)を描いたものですが、その魏に239年卑弥呼は使いを送り、親魏倭王の称号と銅鏡などを授けられました。邪馬台国の位置をめぐっては、九州説と畿内説とが長い間争われてきましたが、最近の考古学の研究から後者が有力になってきました。その手がかりは、卑弥呼のお墓の発見?です。古墳の大きさや年代測定などから奈良県桜井市にある箸墓古墳がどうも卑弥呼の墓ではないかと考えられています。残念ながら宮内庁の許可が下りないため、エジプトのようにお墓の中を調べることはできませんが、かえってミステリアスのままにしておいたほうが古代史のロマンをかきたてらるのでしょうか。