メニュー

投稿日:2009年04月08日

テーマ: ニュース / 受験情報 / 日記 / 社会

考える社会

 

社会は単なる知識の暗記だけではなく、理屈を理解してから覚えなければならないことがらもあります。たとえば経済の分野です。以下の問題を「考え」ながら理屈を理解してください。

 

問1 景気が悪くなると日本銀行は公定歩合(日銀が市中銀行にお金を貸すときの金利)を上げますか?それとも下げますか?また、それはなぜでしょうか?

景気が悪化すると、人々はものを買い控えるようになり、お金を使わなくなります。こうして、不景気のときには世の中に出回るお金の量は減少します。ですから、不景気のときには、日銀は世の中に出回るお金の量を増やそうとする政策をとります。そのために、日本銀行は一般の銀行にお金を貸すときの金利(公定歩合)を引き下げます。金利が低いとお金を借りやすくなるのは、家計・企業も銀行も同じだからです。

問2 デフレとインフレとはどうちがいますか?

景気が悪化すると、人々はものを買い控えるようになります。ものを買うことよりお金を手元に持っていることに価値を見出します。これが「貨幣の価値」の増大です。人々がものを買い控えると(需要が減少すると)、ものの値段(価格)は下がります。世の中にある多くのものの価格を平均したものを「物価」といいますが、こうして、不景気のときには、「物価」は下がり、「貨幣の価値」は上昇します。これがデフレです。デフレのときは、ものの値段が下がっているので、いまものを買うより後で安くなってからものを買ったほうが得です。これが買い控え、消費の減少になり、それが企業の利益の減少、労働者の賃金の低下につながり、さらなる消費の減少につながっていきます。この無限ループがいわゆるデフレ・スパイラルというものです。

他方、インフレはデフレの反対に、「物価」が上がり、「貨幣の価値」が低下します。インフレのときは、ものの値段は上がっていきますから、後で買うよりいま安いうちにものを買ったほうが得です。こうして、人々はお金よりものに大きな価値を置きます。