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投稿日:2011年05月16日

テーマ: 国語 / 自由が丘校

テキストの特徴と対応策(サピックス編)

この時期、国語の学習相談が多くなっています。

その内容の多くは、学習の仕方がわからないというものです。

国語の学習は、当然やり方があります。

そのやり方は大きく分けると、

文章の読解技術の指導

設問の読解技術の指導

記述指導

の3つになります。

この3つの具体的な方法論は、さまざまなところで述べているので、またの機会にし、それを踏まえた大手塾のテキストの活用方法について述べていきます。

サピックスのBテキストについて

基本は、長文(だいたい3000~6000字程度だが、場合によっては8000字近くの文章も扱う。)で、ほとんど記述問題。記述の字数も30字程度から100字以上と、かなり広範囲で、レベル差があります。

ジャンル別構成も体系的ではなく、物語文の次が論説文だったりします。

題材も麻布や開成、駒場東邦、筑駒などで扱われたものを5年生のテキストで扱うなど、かなりハイレベル。

特に、5年の後半のテキストはかなりハードで、α1でも要旨や主題理解に相当苦しむ文章が多々あります。

また、このB教材は、すべてのコースで使用されるので、必然と国語が苦手な生徒が多くなってしまうのが現状です。

ある意味、大手塾のテキストの中では一番国語の講師の力量が問われる教材と言えます。

 

対処方法

前述したように、講師の力量で単なる授業内容の理解で終わるか、テーマ性があり、かつ読解技術や記述の考え方(心理パターンなどのパターン的なものも含む。)が分かる深い授業内容になるかが分かれる。

もし前半の授業内容なら、復習より市販のテキストなどで国語の学習を補強しておかないと成績は上がらないでしょう。

テキスト問題全部を宿題にして量ばかり求める、もしくはAテキストをBテキストの代わりにするなどのアドバイスはあまり国語の成績を上げることに役立ちません。

またサピックスは討論式授業スタイルなので、問いかけが重要になるが、生徒の中には本文もろくに見ないで、頭の中にある文章の記憶だけで問いかけに答える場合もあり、「記憶の国語」になりやすいのです。

もちろん指導が上手な講師なら、本文に戻って考えるように生徒を誘導していくが、そこを流してしまう講師だと、肝心の手がかりから筋道を立てて考えるという思考が育たず,

したがって「感性の国語」になってしまい、文章内容によって成績が上下する状態に陥ります。

このように、講師の指導技術によって生徒の国語力が変わるのが、サピックスのBテキストの怖さであります。私もサピックス時代、同じ内容でもコースレベルによって設問内容を変えていたし、同じ6年でも、年度によって理解力が違ので、必ず予習し直して問いかけ方とか工夫していた。(もちろん、勤務時間外ですが・・笑)

昔は補充問題として、テキスト問題以外に20問くらい作成していたので、予習だけでもかなり時間をかけていました。当時の国語の室長からは、予習は24時間かけてするものだと言われました。

 

(それぐらい、授業を大切にしていたのですが・・・・今はドクターの生徒から授業内容を聞くと悲しいものがありますね。)

では、もし運悪く講師の力量が低かった場合はどうするか。

基本は個別フォローが必要になります。

難関校ほどそうなります。なぜなら、求めるレベルが高くなるからです。

それができない場合の具体的な方法は、以下の通りです。

 

偏差値40レベル・・・漢字、慣用句、熟語など語彙力アップを図り、思考レベルを上げる。(言葉によって人間は思考するので、思考が幼い生徒は押しなべて語彙力がない。)

でる順シリーズ、要点シリーズ、学研、受験研究社のテキストなどがおすすめ。

さらに自由自在(受験研究社)、でる順長文読解75(旺文社)、読解の基礎(四進ジュニア)、ウイニングステップ5,6年(読解)・みくに出版などの市販のテキストを活用し、読解技術や設問読解技術を学ぶ。

 

偏差値50以上60未満・・・語彙力アップはもちろん、読解は、読解マスター5年(難関校向け、6年でも活用できる)、読解の応用、完成(啓明舎)などを活用し、テーマ別学習を進めていく。さらに記述力アップには、記述力完成(四進ジュニア)を活用しましょう。

ただ、やはり何かしら指導のフォローは必要になります・・・。(営業ではないですよ(笑))

次回は、四谷大塚の予習シリーズになります。