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投稿日:2010年05月21日

テーマ: 国語 / 日記

終わらない悲劇

よく国語の学習相談で、「文章が早く読めない、解き終わらない、時間がなかった、文章の内容が理解できなかったなどが原因でテストの点数が悪かった。どうすればよいのか。」といった御相談を受けます。そこで必ず対策として出てくるのが、設問を先に読む、速読方法を学ぶ、文章を丁寧に読むなどの方法です。

「設問を先に読む」という方法は、おそらく大学受験の予備校(代ゼミだったかな)のやり方を中学受験に持ち込んだものでしょう。しかし、よく考えてみてください。中学受験は小学生が相手ですので、間違いなく答えの探し読みをします。その結果、文章内容を理解するという根本的なことができなくなってしまいます。それに、設問を覚えている暇があったら、文章を読め!(笑)と私は言いたいです。

次に速読ですが、これもあまり勧めません。

なぜなら一番学習した内容を吸収できる時期なのに、速読なんて教えてしまったら、本を通して様々な考えに触れ、自分の生き方などを考えていくという人格形成に必要なことを奪いかねないからです。受験の時だけと割り切ればいいというかもしれませんが、そんな器用なことは人間できません。一回覚えてしまった「楽」は忘れませんから。

では逆に「丁寧に読む」はどうでしょう?

そもそも小学生が丁寧に読んで、しっかり理解できるような題材を中学入試で出題しているでしょうか。

さらに、制限時間内に初見の問題を丁寧に読んで間に合うのでしょうか。

過去におもしろい記事を読んだことがあります。ある作家さんが、自分の作品を題材にした中学入試の問題を解いたところ、100点満点中、40点しか取れなかったそうです。

私はこの記事を読んで、「当たり前だろ~」と思いました。

なぜなら、答えを作っているのは違う人だからです。つまり、設問作成者の意図を読み取れないと、いくら文章内容を理解しても点は取れないのです。

ここに、読解のカギがあります。

次回は、このカギについて簡単に述べていきます。