最新記事 2020年07月16日

テーマ: その他

【平面図形】そもそも「連比」は大丈夫?

皆さま、こんにちは!

いよいよ勝負の夏が近づいてきていますね。

今年の夏は、学校や塾のスケジュールが例年とは変わっていたりします。

コロナウイルスの影響なので仕方ないですが、それでもやるべきことが大きく変わるわけではありません。

入試のスケジュールが変わる可能性も、今のところは低いと思われます。

例年通り、この夏の頑張りが入試の結果を大きく左右するはずです。

自分の課題と向き合って、ひとつひとつ克服していく夏にしましょう!

 

さて、前回までは、「相似」の問題について、主に補助線の引き方を解説してきました。

代表的な問題は一通り扱ったのですが、ひとつ気になっていたことがあります。

「相似」の応用問題では、ほとんどの場合で「連比」という基本テクニックを使うことになります。

しかし、果たしてお子さんたちは「連比」がきちんと使えているでしょうか?

これが、気になっていたことです。

実際に、「相似」の復習をしていると、6年生でも「連比」があやふやなお子さんにときどき出くわします。

そんな状態では、どんなに解法を覚えたところで、肝心の答えは正確には求められません。

ということで、今回は「連比」そのものについて解説してみたいと思います。

なお、「連比」は「比合わせ」「比の共通化」などの呼び名がありますが、ここでは「連比」で統一します。

 

ではまず、以下の問題が正しく求められるか確認してみましょう。

算数20200716_01

基本中の基本の問題なので、こんなの簡単だよ、というお子さまも多いと思います。

答えは、9:6:5なので、正しく求められている場合は、今日はここまでで大丈夫です。

しかし、もし答えが正しく求められていないなら、その場合はぜひ続きをしっかり読んでください。

 

そもそも「比」という概念自体が、正しく理解できていない可能性すらあります。

なぜ正しく求められないか、その理由として予想されるポイントをいくつか挙げます。

うまく解けていない場合は、今から説明することが正しくできているかをチェックしてみてください。

 

最初に、図に対してきちんと数字を書き込んで考えているかをチェックしてください。

これが脳内で正確に処理できているなら、それは素晴らしいことですが、なかなかそうはいきません。

図に書き込みをしながら考える、これが基本です。

何も書き込みがない図だった場合は、まずは図にきちんと書き込んで考えるようにアドバイスしてください。

これがポイント1です。

 

では次に、図に対して、どんな風に数字を書き込んでいるかを、チェックしてください。

以下のように書き込めているでしょうか?

算数20200716_02

このときに気をつけてチェックして頂きたいのは、書き込んだ数字を丸や四角などで囲んでいるかです。

丸や四角については、三角でも星でも、その形状は何でも構いません。

大切なことは、数字を図形で囲んで、「マーク化」しているということです。

私の経験では、「比」を正しく取り扱えているお子さんのほとんどが、これを丁寧にやっています。

一方で、「相似」や「比」の問題で失点が多いお子さんの多くが、この作業がきちんとできていません。

これを絶対にやらないと問題が解けない、ということはないのです。

しかし、ミスが多かったりする場合は、まずはここを疑ってください。

これがポイント2です。

 

ここで重要なことは、〇で囲まれた1と□で囲まれた1が、同じ1でも違う1だということです。

「比」というのは、あくまで何かと何かを比べたときの数なので、それはいつでも相対的な数字です。

これがもし、1㎝のように単位がついていれば、これは誰がどう見ても絶対に1㎝です。

しかし、「比」の世界では、その数字が示している長さが、絶対的な長さを表しているわけではありません。

ですから、「比」として表されている数字を、何も考えずに足したり引いたりしてはいけません。

〇と〇、□と□のように、同じマーク同士の数字は足したり引いたりしても構いません。

しかし、違うマーク同士の数字は絶対にそのまま計算してはダメなのです。

 

例えば、お金を想像してみましょう。

1円と1ドルを足し算することはできませんね?

少なくとも、どちらかの通貨単位にそろえてからでないと、数字同士を足すことはできません。

つまり、〇や□で数字を囲むという作業は、単位をつけているようなものなのです。

こっちは「円」でこっちは「ドル」だから、という感覚ですね。

それぞれは違う世界の数字だ、という感覚が大切です。

 

以上のことが理解できているなら、答えを3:2:1としてはいけない、ということもわかるはずです。

2つの世界の数字をごっちゃに使っているわけですから、これはダメですね。

ということで、2つの世界の数字を、ひとつに統一してあげる必要が出てきます。

お金を両替するようなものですね。

これが「連比」です。

 

さあ、ここまでがわかったら、あとは実際に「連比」をしてみましょう。

ポイントは、同じ長さのはずなのに、数字が違っている部分を探すことです。

それはどこでしょう?

算数20200716_03

はい、ACの部分がおかしいですよね?

上の〇数字では長さは3ということになっています。

一方で、下の□数字では長さは5ということになっています。

でも、同じACの長さなのだから、これが違う数字になっているのは変ですよね?

だから、ここを同じ数字にしてあげればいいんだ!と考えるのです。

同じ長さのはずなのに、数字が違っている部分を、正しく見つけることができているか?

うまく解けていない場合は、ここもチェックしてみてください。

これがポイント3です。

 

ここまでくれば、あとは分数の通分と同じ要領です。

上の〇数字は5倍、下の□数字は3倍してみましょう。

すると、以下のようになります。

算数20200716_04

ACの部分が同じ15になりましたね?

これで、2つの世界がひとつにつながりました。

このときに、かけ算し忘れている部分がないか、確認してください。

例えば、CDの①はきちんと5倍されていますか?

これをうっかりして間違えるお子さんも案外いらっしゃるので、気をつけてください。

これがポイント4です。

 

さて、あとは答えを出すだけです。

もちろん、答えは9:6:5ですね。

青で表されている数字は、基準が同じになった数字なので、これは足したり引いたりしても問題ありません。

例えばAB:BDを聞かれたら、9:(6+5)=9:11とすればOKですね!

 

いかがでしたでしょうか?

うまく「連比」が使えていない、というお子さんには、以上の4ポイントをチェックしてみてください。

特にポイント2は重要で、ここができていない場合、「比」の概念そのものがわかっていないことになります。

これは文章題で「比」を使う場合にも大切なことなので、しっかり確認することをお勧めします。

 

また、問題が解けていないとしても、その理由は様々だということも覚えておいてください。

どうしてうまくできないのか、ポイントや段階に分けて確認してあげることが重要です。

それによって、取るべき対応も、かけるべきアドバイスも変わるからです。

これについては、プロの先生に見てもらうのが一番です。

ご家庭でうまくフォローができない、という場合は、ぜひ受験ドクターの先生にご相談ください。

 

それでは、また次回お会いしましょう!