最新記事 2018年01月16日

テーマ: その他

苦手な文章読解を克服するために

みなさん、こんにちは。受験ドクターのNです。

埼玉県の私立入試が始まり、もうすぐ千葉県の入試もスタート。都内入試まで残り半月。
というわけで、受験学年のお子さんにとってはいよいよ大詰めの時期です。

一方、これから新たな気持ちで学習をスタートさせようというお子さんにとっては、
「苦手分野が克服できるかなあ…」という不安がつのっている頃なのではないでしょうか。

今回は、そんな不安を抱いているお子さんや保護者の方に向けてお話しします。

1 「説明文が苦手」というお子さんへ

物語文と比べて、説明文は「かんたんだ」と言ったら、おどろかれますか?
「うそだ、物語文のほうが読みやすい」と言う人がきっといるでしょう。
まあ、聞いてください。
ここで言う「かんたん」というのは、「内容がやさしい」とか「理解しやすい」とかいうこと
ではなくて、
「大切な部分を確認しやすい」ということなのです。

物語文の場合、気持ちの読み取りが中心になりますが、
人物の動作や表情やセリフが常にストレートに気持ちを表現しているわけではありません。
主題にいたっては、はっきりと言葉で示されない場合がほとんどです。これは難しい。

では、説明文の場合はどうでしょう。
「言葉通りに理解」すればよい。要旨はどうでしょう。これもハッキリと語ってくれる。
内容は難しくても「どこが大切か」はハッキリしている

読書とちがって、「読解」のお勉強では、文章を読んだ後に「問題を解く」作業が求められます。
こんな感覚を経験したことはないでしょうか。

「おかしいな、文章は全然難しくなかったのに、問題解いたらメタメタ…」

なぜこうなってしまうかというと、
設問は「大切な内容をしっかりと確認しながら読んでいるか」を確かめようとしているからです。
ですから、「(なんとなく)全文いちおう読んだよ」というレベルで問題にあたると、
とってもイタイ目にあってしまうわけなのです。

あるいはこういうこともあるでしょう。
「文章が難しくて全然できなかった…」「文章が読みやすかったからできた!」…という具合に、
文章内容で出来具合が大きく左右される
これはたいへん多くの受験生にみられることなのですが、
もしも、このまま入試までいったらどうなるでしょう?
そうです、文章内容とお子さんとの“相性”で合否が決まってしまうのです…!

さあ、今日から心構えを変えていきましょう。
「文章を感覚的に読まない」こと。 そして、
「内容の難しさを気にしない」こと。

そのためには、基本的な技術が必要です。
あらゆる文章に通用する「大切な部分を見つける方法」がとても重要になってくるのです。
確かな読解力をもった強い受験生は、たとえば
「~行目に●●という言葉があるので、ここに筆者の批判が示されています」と説明できます。

この「●●」というのが、文章のなかの「大切な部分を見つける方法」というわけです。
主なものを以下に挙げておきますね。

  ①問いかけの答えとなる部分  ②接続語(だから・しかし・つまり・たとえば)
  ③文末強調(~ではないか・べきだ・なければならない・と言える・と思う)
  ④因果関係(~から・ので・ため…) ⑤否定表現(~ではなく…)
  ⑥二字熟語(必要・重要・大切・大事・問題・原因・結果)
  ⑦列挙(まず・次に・もうひとつ~) ⑧要約(このように・こうして~)

2 「物語文が苦手」というお子さんへ

説明文に比べて「使われている言葉が比較的やさしい」「映像イメージを浮かべやすい」ということから、「読みやすい」と思われがちですが、実際は多くのお子さんに苦手意識をもたれています。

考えられる理由はいろいろありますが、主なものとしては次の通りでしょうか。
A ストーリーを追うことに意識が向きすぎて、細やかな心情の確認がおろそかになる。
 B 心情理由を直前の事実だけで理解しようとしてしまう。
 C 人物の「動作・様子・言葉」から心情を短絡的に決めつけてしまう。

A 多くの場合、説明文に比べて長い文章が出されます。
難しい言葉はさほどありまませんから、「とにかく読み進めよう」という意識が働きやすく
なるのは自然なこと。ところが、ストーリー展開の把握は、肝心な設問にはあまり役に立ち
ません。出題者は「話の流れを追えているか」ではなく「心情(変化)が理解できているか」
を確認するために問題を出すからです。
B ふだんの生活を振り返ってみると分かりやすいですよね。たとえば、だれかにほめられたから
といってうれしいとは限りませんし、何かに失敗しても満足できるかも知れません。
C これもふだんの生活を振り返ってみれば分かることです。たとえば、うれしくても不機嫌な
表情は作れますし、腹が立っていても「ありがとう」と言えるわけです。

心情を理解するために、必要な要素は丁寧に確認できるようにしておきたいですね。
主なものを以下に挙げておきます。
①場面展開(時・場所の変化・人物)
  ②心情を直接表す言葉(例→「せつない」、「くやむ」、「残念な」)
  ③心情がうかがえる動作・様子・台詞(例→「じっと見つめる」、「顔を真っ赤にして」)
  ④心情の対象(何に対して)・理由(なぜ)
  ⑤比喩的表現・情景描写
  ⑥五感に関する表現(例→「まぶしく」、「静まって」、「苦い」、「胸が痛い」)

今回は、「これから本格的な読解の学習に取り組む」お子さんに向けて、
「基本的な心がまえ」を紹介しました。

今後の学習にぜひお役立てください。