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投稿日:2017年06月25日

テーマ: 国語

国語によくある得点・偏差値が安定しないナゾ

皆さんこんにちは。

国語科・社会科の清水です。

今回は「国語によくある得点が安定しないナゾ」についてご紹介します。

さて、今回のテーマである「成績が安定しないナゾ」ですが、この時期になると
「国語の成績が安定しないのですが…」というご相談を本当によくお受けします。

しかし、「頑張って勉強はしているのですが…」というお声が多いです。
本当に頑張って勉強をされていることがよく伝わっています。

ですから、この状態が続くと、勉強量を少なくしたり、苦手科目になってしまったり…
ということにもなりかねません。

さらに、目前に迫った夏期講習では、「いい得点を出したい」という思いから、多く勉強して成果が出やすい科目に注力して国語に時間をかけない、もしくは今まで通りの「漢字、読解…」という現状維持の学習を続けてしまうという可能性もあります。

そのようなことになる前に!
この「ナゾ」とそれを解く「カギ」をしっかりと理解していただき、今後の国語の学習を「安定した得点源」にしていきましょう。

では、その「ナゾ」に迫っていきたいと思います。

ナゾ①「6年生になってから特に安定しなくなった」
ナゾ②「安定する「読解」とは」
ナゾ③「安定をする工夫をしているか」

ナゾ①「6年生になってから特に安定しなくなった」

これは、扱われる文章がレベルアップしていることが考えられます。

今まで自分の中に蓄えてきた知識(背景知識・語彙・展開のパターン・心情のパターンなど)では足りなくなっていることが原因として考えられます。
だからといって、むやみに知識をたくわえようとしたところで必ず安定するわけではありません。

ですから、
成績が安定しないナゾを解く「カギ①」は「読みに頼らない」ことなのです。

「いや、先生、読まなきゃ解けません。」

当然ですね(笑)

ここでいう、「読み頼らない」とは「読まない」ということではなく、具体的に

「環境問題についての文章だからできた!」
「○○(以前読んだことがある作家)が筆者だったからできた!」
「大人が主人公の文章はよく分からない」
「思想・哲学の話はもうお手上げだから…」
という読解をしないということです。

要するに、「知っているか・知らないか/読み取れたか・読み取れなかったか」という内容理解にのみ重点を置いた読解や、「自分が読み取れた内容」に基づいた読解、各テーマの背景知識や心情のパターンなどに頼った読解をしないようにしましょう。

(しかし、背景知識を理解し、内容を整理しておくことは大切です)

近年の中学入試では、論説文では大人が読んでいる文章も多く扱われてきています。また、小説文や物語文においても、小学生以外の人物が主人公として登場することが多いのです。

そのような状況の中で小学生が知識で勝負をしてもなかなか得点は安定しませんね。
(とはいえ、知識や感性で勝負ができてしまうお子さんもいらっしゃいます)

ナゾ②「安定する「読解」とは」

では、「自分が読み取れた内容」、各テーマの背景知識やパターンに頼った読み方をしないようにして、成績を安定させるためにはどうしたらよいのでしょうか。

成績が安定しないナゾを解くカギ②は「解く!

算数・社会・理科ともに明確な「単元」が存在します。
そして、それらの単元の正しい「解き方・やり方」があります。
そのため、小テストやクラスアップを決めるテスト、模試などはあらかじめ出題範囲が分かっていれば「対策」を打つことができます。また、仮に総合からの出題であっても、弱点単元の補強というかたちで対策を打つことができます。

ところが国語はどうでしょうか?
出題範囲には「読解総合」…
どんな文章が出てくるのかが分からないから対策ができない…と思われがちですが、
国語も算数と同じように読み方・解き方を練習していけば対策ができるのです。
そうすれば、得点も安定していきます。

具体的に何を練習すればよいのかと言いますと、
「読む」ことだけではなく、「解く」ことも練習してください。

「問題を解いていますけど…」
そんな声が聞こえてきそうですが、
「解く」というのは問題だけみて答えるということではなく、「解く」ための「読み方」(=「文章の整理」)を意識するということです。

読解は「設問」(=学校からの指示)に的確に答えることで得点になるのです。
ですから、設問の要求に答えることを前提とした「読み方」を心がけると得点が安定するでしょう。

「自分が気に留めた部分」・「大事そうな部分」をもとにするのではなく、
説明文や論説文であれば「主題」と「構成」を把握する読み方、
物語文や小説文であれば「全体の展開」「場面」「心情と出来事」を整理しながら読み進める…といった
設問を解くことを前提とした読み方を身につけることで、得点が「安定」していきます。

語彙や背景知識、パターンに頼った読み方→×
「解く」ために必要な情報を整理する読み方→〇

国語は文章を読むことなしには得点できませんから、当然文章は読みます。
しかし、「100%の理解」が求められていることではなく、「設問に答えること」が求められているのです。
ですから、設問を「解く」ための読み方を心掛けましょう。

ナゾその③「安定するための工夫はしているか」

本題に入る前に、皆さんは
中学受験の平均的な合格最低点の割合をご存知でしょうか。

当然のことながら学校によって差はありますが、平均すると「約65%~70%」です。
(この先は70%を主として話を進めます。)
ということは、平均してこの点数以上を模試などでとっておく必要がありますね。
では、本当に安定する(70%以上得点する)ための工夫をしているかどうかです。

「安定しない」と思っているだけでは安定はしないですし、問題をたくさん解いても「安定」に直結するとは限らないのです。

ナゾを解くカギ③「70%」を常に意識

では、「安定するための工夫」・「70%を常に意識」とはどういうことでしょうか。

まずは、安定する工夫について説明します。

安定させるための「工夫」はたくさんあるので、「全部を!…」といきたいところですが、今回は
例を一つ上げて説明します。

・「とる・捨てる」の区別
「70%を得点する!→(問3の書き抜きよりも問7の記述を先に解く)→問6と問10「捨てる」問題にして、その分の時間と労力を問7・8・9にかけて、「とる」問題にする!」という区別をつける。
(上記に挙げた例以外にも70%を維持する工夫は多くあるため、後々ブログで紹介して参ります。)

このように、安定させるための「得点のポイント」を意識するということです。

次に「70%を常に意識」についてです。

これは、場当たり的なこと(=テストによって工夫をしたり、しなかったり)ではなく、毎回のテストや模試において厳密に「70%以上をとる」ことを意識するということです。
「よし!頑張ろう!」「絶対に得点してみせる!」ということではなく、
上記に挙げた例を意識することや、
「今回は記述問題に時間を掛けすぎないように4分で仕上げる」
「前回は書き抜き問題に多くの時間を使ってしまったので、今回は最後に解く」
といったことを常に意識しながら読解を進めるということです。

文章の難易度は回によって差がありますが、その中でも、70%を毎回とるという意識を持ち、そのための「工夫」をすることによって得点は安定していきます。

いかがでしたでしょうか。
3つのナゾに当てはまるものがないか確認してみてください。

①や②をクリアしている受験生は、③をこれからの学習で意識していくことで大きな効果を発揮すると思われます。

得点が上がらない、安定しないことには理由が必ずあります。
ですから、「できない」「わからない」ときに「なんとなく…」にせずに、理由をしっかりと考えてみましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事をぜひご参考にしていただいて、「安定した国語」になるように夏期講習を有効に活用してください。

国語ドクター