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投稿日:2016年07月25日

テーマ: 算数

計算力を劇的に上げる!裏技講座 第3.5回

こんにちは!算数科の吉岡英治です。

 

計算問題、楽しく解いてますか?

 

上達のコツは、とにかく暗算し続けること。

学校まで歩きながら、17の段を浮かべてみる。

車のナンバーを見かけたら、素因数分解してみる。コンビニで何か買ったらおつりを暗算。

三度の飯より暗算。

 

これは例えでもなんでもなく、数字を頭のなかで操作していた時間が長いほど、計算力は上がります。

サッカー選手がボールと友達になるのと同じですね。

数字と友達になれば、様々な計算のトリックが使えるようになります。

 

天才数学者ラマヌジャンが、病に伏していたときの逸話が残っています。

 

見舞いに訪れた数学の教授が次のように言いました。

「乗ってきたタクシーのナンバーが1729だったが、何の特徴もない数だった。」

するとラマヌジャンは即座にこう言い返したそうです。

「そんなことはない!1729は、2通りの2つの立法数の和で表せる最小の数である。」

 

彼が指摘したのは1729が次の2通りで表せるということです。

計算1

このように、A×A×A+B×B×Bのような立法数の和であり、しかも2通りで表せる数の中で、1729は最も小さい数です。

 

タクシーのナンバープレートに何か面白い要素がないか探している教授もさることながら

1729と聞いただけで、2つの立法数の和がすぐにイメージできちゃうラマヌジャン、すごすぎます。

数学者仲間からは、「全ての自然数とプライベートな友人である」と評されていたのだとか。

 

そのラマヌジャン、出身は数学大国インド。

インドは優秀な数学者を数多く輩出しています。

 

今回はインド式計算法の番外編。

<今回は、「左右対称でビューティフル!2ケタ×2ケタのインド式ひっ算法」です。>

普段慣れている日本式とはまた違った趣があります。

いつもと違う刺激を、脳に与えてみましょう。

 

では、32×24をインド式でひっ算してみます。

計算2

横に線をひく、ここまでは日本式と一緒。少し右に長いのが気になりますね。

線の下を3つの場所に分割してください。

計算3

これで準備完了。

では参ります。

 

ステップ① 左の枠には、十の位同士をかけた値、右の枠には一の位同士をかけた値を書き込む

計算7

ステップ② 十の位と一の位を交差してかけて

計算4

足した数を真ん中の枠に書き込む

計算5

ステップ③ 枠の中の数字を繰り上げる

計算6

はい、出ました。答えは768。

日本式と違って左右対称に計算を行うところがビューティフル!

ひっ算が下に伸びずに一行で済むところが良いですね。

<なぜこのひっ算で、答えが求まるのか>

3つの枠は右から順に一の位、十の位、百の位を表します。

一の位同士のかけ算は一の位の数になりますので、右の枠に。

十の位同士のかけ算は百の位になるため、3桁目の左の枠に。

計算7

問題は中央の十の位の計算です。

斜めにかけた3×4と2×2。十の位と一の位をかけています。

計算8

十の位に0をつけてみると、3(0)×4と、2(0)×2を計算していたことがわかります。

その積である12と4は、10が何個あるかを求めています。

そのあと足し算したのは、「10が合計で16個ある」という意味なんですね。

計算9

当たり前に使っているひっ算も、国が変わればこんなに違う。

数に対する感性も、問題の解き方も人それぞれ。

でも正解は1通りなのが、算数の面白いところです。

 

インド式ひっ算法。

普通のひっ算に飽きた人は、ぜひ使ってみてください。

 

<まとめ 「左右対称でビューティフル!2ケタ×2ケタのインド式ひっ算法」>

⓪三つの枠を作る

①左の枠には、十の位同士をかけた値、右の枠には一の位同士をかけた値を書き込む

②十の位と一の位を交差してかけて、足した数を真ん中の枠に書き込む

③枠の中の数字を繰り上げる

算数ドクター