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投稿日:2016年06月21日

テーマ: 算数

中学受験のニュートン算を2倍楽しむ方法

みなさん、こんにちは。受験ドクターの安部公一郎です。

 

ニュートン算ってご存知ですか?

中学受験算数であるんです。ニュートン算。

 

かの偉大な科学者 アイザック・ニュートン に関係あるとかないとか。

1

本日はこのニュートン算を題材に、

算数の問題を解く際の2つの着眼点についてお話します。

 

2つの着眼点、、、

前回お話ししましたね。

 

⇒ 総量に注目して解く

⇒ 単位あたりの量(変化量)に注目して解く

この2つの着眼点は、

算数を解くうえで、とっても重要。

 

早速

「ニュートン算を2倍楽しむ方法」いってみよー!

 

〈ニュートン算 線分図で攻略〉

ポンプで泉の水をすべてくみ出すのに、
3台では20時間かかり、4台では10時間かかります。6台では何時間かかりますか。
ただし泉の水は一定の割合でわき出てきます。

 

ニュートン算ですね。

誰がどう見ても。

 

ニュートン算の解法は、大きく分けて4つあります。

 

1)    線分図で解く

2)    面積図で解く

3)    グラフで解く

4)    式だけで解く

 

3)は少数派です。

一般的には、1)線分図で解く か 4)式だけで解く ですね。

 

この1)と4)、実は着眼点が全く違います。

そう、お待ちかね、

 

⇒ 総量に注目して解く

⇒ 単位あたりの量(変化量)に注目して解く

 

どっちがどっちか?

 

1)線分図で解く ⇒ 総量に注目して解く

4)式だけで解く ⇒ 単位あたりの量(変化量)に注目して解く

 

となっています。

 

先に、

1)線分図で解く 方法をやってみましょう。

 

最初に泉に入っていた水をかきます。

2

わいてきた水を足します。

3

(最初に入っていた+わきだした水)を、

3台で20時間かかってくみ出す

4台で10時間かかってくみ出す わけですから、

4

10時間でわいた水が、⑳ですから、

1時間あたり、②ずつ水がわくんですね。

5

最初の泉の水が、⑳とわかりました。

 

「6台では何時間かかりますか?」という問題。

 

1台のポンプが1時間にくみ出す水=①

 

6台なら、1時間に⑥くみ出せますね。

1時間でわく水が②ですから、

⑥-②=④・・・1時間で減っていく水

 

最初の泉にあった⑳の水を、1時間あたり④ずつ減らしていくと、、、

 

⑳÷④=5時間  これが答えです。

 

どうですか。

ポンプでくみ出した水の“総量”に注目して解いていますね。

 

次に、

4)式だけで解く 方法をやってみましょう。

単位あたりの量(変化量)に注目して解くやりかたです。

 

〈ニュートン算は○○算+○○算〉

 

ニュートン算は○○算+○○算

何だか分かりますか?

 

ポンプで泉の水をすべてくみ出すのに、
3台では20時間かかり、4台では10時間かかります。6台では何時間かかりますか。
ただし泉の水は一定の割合でわき出てきます。(再掲)

 

20時間、10時間でくみ出すわけですから、

「最初の泉の水」の量を、⑳と設定します。

20と10の最小校場合数ですね。

 

全体量を最小公倍数に設定する、

これって、

仕事算でよくやる手法ですね。

 

ニュートン算は仕事算の一面を持っていると言えます。

 

ニュートン算は、 仕事算 + ○○算

 

式を立てていきましょう。

ニュートン算の式は、いたってシンプル!

 

はじめの量 ÷ ( 減らす量 - 増える量 ) = 時間

 

と表せます。

 

これ、どこかで見覚えありませんか?

 

えっ?ない?

 

そんなわけありません。

この問題です↓

 

兄は分速80m、弟は分速60mで歩きます。
家を弟が出発して5分後に、兄が家を出発して追いかけると、
兄は出発してから何分後に弟に追いつきますか?

全然違う問題じゃん!

いやいや。まぁ、みてて下さいな。

 

弟が、分速60mで5分間歩きますから、

 

分速60m × 5分 = 300m ・・・はじめの兄と弟の距離

 

300mというはじめの距離(はじめの量)を、

弟は増やそうとし(逃げていく)、

兄は減らそうとする(追いかける)。

1分間に20mずつ接近していく(距離が縮まっていく)。

 

300m ÷ ( 80m - 60m ) = 15分

 

はじめの量 ÷ ( 減らす量 - 増える量 ) = 時間

 

ニュートン算の式とまったく一緒!

 

つまり、ニュートン算は旅人算の一面も持っているんです。

ニュートン算は、 仕事算 + 旅人算

 

おおー!スゴイ!

目からウロコ!

 

では改めて、

最初の泉の水を、

20と10の最小公倍数の⑳とおいて、式を立てると、

 

⑳ ÷ ( 3台 - わく水 ) = 20時間

⑳ ÷ ( 4台 - わく水 ) = 10時間

 

逆算して、カッコ内を求めると、

 

⑳ ÷ 20時間 = ①

⑳ ÷ 10時間 = ②

 

つまり、

3台 - わく水 = ①

4台 - わく水 = ②

 

ポンプ1台の違いが、①の差を生んでます。

ポンプ3台なら③ですね。

 

3台③ - わく水 = ①

 

水は、③-①で②ずつわいています。

 

「6台では何時間かかりますか?」という問題。

 

ここからは、さっきと同じ。

 

1台のポンプが1時間にくみ出す水=①

 

6台なら、1時間に⑥くみ出せますね。

1時間でわく水が②ですから、

⑥-②=④・・・1時間で減っていく水

 

⑳の水を、1時間あたり④ずつ減らしていくと、、、

 

⑳÷④=5時間

 

同じ答えになりましたぁ。

めでたしぃ~。

 

まとめると、

ニュートン算は、 仕事算 + 旅人算

ってことです。

 

〈ニュートン算二刀流 免許皆伝〉

 

2つの着眼点、

 

⇒ 総量に注目して解く

⇒ 単位あたりの量(変化量)に注目して解く

 

2つの解法を使いこなせれば、

ニュートン算二刀流 免許皆伝でござる。

 

一つの問題を異なる着眼点で解く。

これが算数の力を伸ばす秘訣。

 

ニュートン算に限らず、ほかの分野でも試してくださいね。

 

さて、

2倍楽しめましたかぁ?

そうですか、ありがとうございます。

 

今宵はここまで。

ではまた。

算数ドクター