『中学受験ドクター』 中学受験を控えた保護者様必読！！【vol.84】2011/2/22
お悩み受信室 ― 「偏差値」って何ですか？ ―
「偏差値」って何ですか？
日頃なにげなく使っているのに、その意味をあらためて聞かれると返答に困ってしまうような言葉があります。
たとえば、「偏差値」。
Ａ中学は偏差値７０であるとかＢ中学は偏差値６０であるとか。
この「ヘンサチ」という言葉、受験や教育の場で頻繁に聞いたり使ったりしますが、
意外とその意味を知らない人もいらっしゃるのでは？
偏差値とは受験者がそのテストの平均からどれだけ離れているかを客観的に表わす数値です。
例えば、Ｃ君があるテスト（全国模試で満点が４００点）を７月と１０月の２回受けたとしましょう。
そのテストの平均は２回とも２４０点で、Ｃ君の得点も２回とも２８０点だったとしましょう。
Ｃ君はこのテストの平均をいずれも４０点（２８０－２４０）上回っていますが、
実は、このデータだけではＣ君の学力を正確に判定することはできません。
Ｃ君がテストの平均からどれだけ離れているかという情報に加えて、
そのテストの受験者全体の得点分布のばらつきも見る必要があります。
受験者全体の得点が平均の近くに狭く分布しているのか、
それとも広くばらついているのか。
これを標準偏差と呼んでいます。
７月のテストの標準偏差が４０（ばらつき・分布の幅が小さい）、
１０月のテストの標準偏差が８０（ばらつき・分布の幅が大きい）、
としましょう。
偏差値＝１０×（得点－平均）÷標準偏差＋５０
上の式に以上のデータ（Ｃ君の得点、平均、標準偏差）を代入します。
すると、７月のテストでのＣ君の偏差値は６０、１０月のテストでのＣ君の偏差値は５５となります。
ようするに、偏差値は、テストの受験者全体（母集団）の平均と標準偏差（受験者全体の得点分布のばらつき）によって左右されるということに気をつけて下さい。
したがって、同じ模試・テスト（同じ母集団）を複数回受けて偏差値の変動を比較することは可能ですが、
他の模試・テスト（異なる母集団）との偏差値の比較は数学的にはあまり意味がないと思われます。
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