中学受験 国語読解方程式より詩の読解法Part2~象徴詩~【vol.217】



第217号 2014-04-10

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 □ 国語読解方程式より詩の読解法Part2〜象徴詩〜
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さて、前回に引き続き詩の読解法。
今回は象徴詩についてお話しいたします。

国語読解方程式より詩の読解法Part2
〜象徴詩〜

■■ 象徴とは ■■

象徴。シンボル。

「形のない概念」を「形のあるもの」で表す。

たとえば「平和」や「愛」「日本」は
形をもたない<概念>です。
「平和」のシンボルは鳩ですね。
「愛」はハート。
「日の丸」は日本を表します。

何と何が結びつくのか。
象徴は<約束>から成っています。
<約束>を知らない人から見れば
鳩は鳩でしかない。

と同時に、
約束ではない、
そのものの持つイメージから
何かと何かが象徴として結びつくことがある。

国語の読解の「象徴」は、
このイメージによる結びつき
さす場合がほとんどです。

たとえば「人生」。
「道」や「歩み」にたとえられることが多いでしょう。
「山あり谷ありの人生だ」
などと言いますね。
それは「道」や「山」「谷」がもつイメージが
「人生」のそれと重なるからでしょう。

また、
日本人は「人生」を「旅」にたとえました。
「たとえ」。
そう、象徴は比喩の一種なのです。

形のない概念を形のあるもので表す。
それが比喩の中の象徴です。

たとえば次の詩を見てみましょう。

真壁 仁  

峠は決定をしているところだ。
峠には訣別のためのあかるい憂愁がながれている。
峠路をのぼりつめたものは
のしかかってくる天碧に身をさらし
やがてそれを背にする。
風景はそこで綴じあっているが
ひとつをうしなうことなしに
別個の風景にはいってゆけない。
大きな喪失にたえてのみ
あたらしい世界がひらける。
峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい。
みちはこたえない。
みちはかぎりなくさそうばかりだ。
峠のうえの空はあこがれのようにあまい。
たとえ行手がきまっていても
ひとはそこで
ひとつの世界にわかれねばならぬ
そのおもいをうずめるため
たびびとはゆっくりし小便をしたり
摘みくさをしたり
たばこをくゆらしたりして
見えるかぎりの風景を眼におさめる。

この詩の表(おもて)は
「峠」の形状、その特徴の解釈となっています。
しかし、
この詩の裏(うら)はもう一つの意味をもちます。

それが如実にわかるのは、
1行目。
「峠は決定をしているところだ」。
これは、人生における「決定」のときと
重ね合う部分です。

さらに「決定」の前に「選択」があり、
「選択」することによって
選ばれなかったもう一方が存在する。
その喪失感。
「大きな喪失にたえてのみ/あたらしい世界がひらける」

この「あかるい憂愁」が
全篇を覆っています。

この詩は全体が人生の「決定のとき」を象徴している
象徴詩なのですね。

このように
象徴詩は
詩全体が、
表(おもて)と異なる裏の意味を持っているものを
指すのです。

詩を含む韻文は、
一つ一つの言葉に意味の重層性を持たせることの多い
文学形式です。

それが、
詩全体に重層的な意味を持たせているのが
象徴詩、
とも言い換えられるでしょう。

象徴詩かどうか、
まずは疑って読んでみる。

問題にあたるときは、
そういった姿勢が必要です。

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