第8回 立体図形必勝法①(影)|中学受験専門受験塾ドクターが「算数」の偏差値をアップさせる奥義を伝授!

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第8回 立体図形必勝法①(影)

今後の目次

第8回 立体図形必勝法①(影) ← 今週はココ!
第9回 立体図形必勝法②(錐体の切断)
第10回 立体図形必勝法③(立方体の複数切断)

今回から3回に分けて立体図形を取り上げてまいります。
算数オリンピックでは平面図形が多く出題され、立体図形は立体感覚を問うタイプの問題が時折出題されています。
一方、中学受験ではさまざまな立体図形の問題が出題されます。
体積・表面積・回転体・切断・影・展開図……。形が複雑になってくるため解きにくいと感じるお子様も多いはずです。
しかし、この単元を攻略してこそ、開成・灘・筑駒合格がより確実なものになります。
まずは「影」の問題の攻略ポイントについて説明してまいります。
光源から立体にどのように光があたり、どのように映るのかを正確に作図できなければいけません。
これは、③問題に条件(ヒント)が少なく、どう進めていいかわからないので難しい、になります。
ただし、言い換えれば「きちんと作図できれば普通の立体問題」に近づくということです。
立体をどうやって平面図に落とし込むのか、ここに攻略のポイントがあります。
それでは、この「③問題に条件(ヒント)が少なく、どう進めていいかわからないので難しい」を解決するポイントを、お子様に身につけさせましょう!

ポイントが身につく問題実践講座

問題

図のようなピラミッドの模型があります。底面は1辺20㎝の正方形で、
ピラミッドの高さは15㎝です。底面の辺BCの延長上、BF=40㎝の:Fの真上に光源Pがあります。
ピラミッドの影をなくすにはPの高さℎを何㎝以上にすればよいですか。
2005算数オリンピックトライアル問題
(2005算数オリンピックトライアル問題)

【解くための考え方】
まずは、先ほどの問題を直接お子様に解かせてみてください。

正解はこちら

どうでしたか?正解にたどりつけたでしょうか?
正解できなかった場合、どこまで解き進めることができたのかが重要です。
影の問題では、地面に映る影の図が書けたかどうかがポイントです。

今後受験ドクターでは、「難問攻略イメージde暗記ポイント」カードを作成する予定です。
今回は、その中から「影の図を上手く描いていくためのポイント」を2つご紹介します。

今回使うポイント

【ポイントNo.18】「壁を壊して柱を残そう」

光源から出た光は、立体図形に当たり影を作ります。その影の形を決めるのは、立体図形の頂点です。
面や辺は頂点の作る影を結ぶことによって形が定まります。

そこで、立体図形の余計な面や辺を取り除いて考える必要があります。
まさに、「立体図形の壁を壊して柱を残す」作業となります。

問題の四角すいの側面を取り除きます。このとき、頂点Aが空中に浮いた状態になりますので、Aと底面を結ぶ高さの線だけ残します。
ピラミッドの壁を壊して柱を残す

光源Pと頂点Aを結ぶ直線の延長線と地面の交点が、頂点Aの影となります。影の点をGとします。
陰の頂点G

そして、このGと底面の四角形BCDEとを結んでできる形が、地面にできる四角すいの影になります。
四角すいの影

四角形BCDEの内側には影はできません。
ということは、Gが四角形BCDEの内側に来るとき、四角すいの影が地面に現れないということになります。

では光源Pの高さをどうすれば、Gが四角形の内側に来るかを考えましょう。

【ポイントNo.19】「立体は上・横の2方向で見る」

先ほどの図は斜め上から見た図です。全体の様子を捉えやすいのですが、正確な位置や長さを測るには適していません。
そこで、立体を平面として捉えるためには、上から見た投影図と横から見た投影図の2種類用意しましょう。

<上から見た図>
頂点Aが地面に作る影の点をGとします。
先ほどの図を上から見ると、
上から見た図
となります。
影が地面にできなくなるのは、Gが辺CD上に来たときです。
その時の上から見た図は、
影が出来なくなる時に上から見た図
となります。BCの真ん中の点をHとすると、三角形PAHと三角形PGCは相似形になり、
相似比はPH:PC=50:60=5:6になります。
したがって、PA:AG=5:1です。

<横から見た図>
横から見た場合、地面に映る影の形を捉えることはできませんが、距離を求めることができます。
横から見た図
頂点Aから垂直に下ろした直線と底面の交点をIとします。
三角形PGFと三角形AGIは相似形になります。
相似比は、PG:AG=(5+1):1=6:1です。
よって、PF:AI=6:1です。
AI=15㎝なので、PFの長さも求められます。

このように、影の問題では影を構成する必要な頂点の影を捉え、それを上と横の2方向から見た図で考えていくことで長さを正確に求めていく、という流れが標準的な解法となります。

【正解】

90㎝(以上)

開成・筑駒・灘の問題で今日のポイントを使う

問題 開成中学校 2008

下の図のように、水平な地面に直方体のコンクリートブロックと地点Aから垂直に立つ街灯があります。
街灯に明かりがついたときに、地表上にできる影の部分(コンクリートブロックの置いてある地面をのぞく)の面積を求めなさい。
ただし下の図の数字の単位はすべてmとします。
開成中学校 2008年大問2

【解説】

まずはコンクリートブロックの側面と、上の面を取り除き、底面と柱だけにしましょう。
ポイントNo.18
上の面を取り除き、底面と柱だけにする
光源PからQ、R,S、Tに向けて直線を引き、地面までの延長線を取ります。
光源PからQ、R,S、Tに向けて直線を引き、地面までの延長線
次に、地面の影R、S、Tと底面の四角形を結んで影を描きます。
コンクリートの直方体の影
面積を求めるために、上と横から見た図を描いていきましょう。←ポイントNo.19

<上から見た図>
上から見た図
求める影の面積は、台形TSS’T’と台形SRR’S’の合計になることがわかります。

次に辺の長さを求めるため横から見た図を描きます。
<横から見た図>
横から見た図
三角形R’PAと三角形R’RCは相似です。
相似比は、PA:RC=9:3=3:1になります。
したがって、PR:PR’=2:3です。
この関係は、他の柱(QB、SD、TE)についても高さが等しいため同じになります。

この結果を<上から見た図>に書き込みます。
上から見た図に相似比を書き込む
RSとR’S’が平行、TSとT’S’が平行なので、
三角形PSRと三角形PS’R’が相似、三角形PTSと三角形PT’S’が相似になります。
そして、その相似比はともに2:3です。

ここで辺の長さを求めてもよいですが、相似形の面積比を使いましょう。

相似比 三角形PTS:三角形PT’S’=2:3
面積比 三角形PTS:三角形PT’S’=2×2:3×3=4:9
よって、三角形PTS:台形TSS’T’=4:(9-4)=4:5
です。
三角形PTSの面積は、6.6×4÷2=13.2㎡なので、台形TSS’T’の面積は、
13.2÷4×5=16.5㎡になります。

同様に、三角形PSRと台形SRR’S’の面積比も4:5になります。
三角形PSRの面積は、4×(3+6.6)÷2=19.2㎡なので、
台形SRR’S’の面積は、19.2÷4×5=24㎡になります。

したがって、影の面積は16.5+24=40.5㎡です。

答え 40.5㎡

前回のチャレンジ問題の答え

問題

A地点からB地点に向かって一定の速さで流れている川があります。
この川のA地点からボールを流し、同時にB地点からA地点に向けて船が出発しました。
船がA地点で折り返してB地点まで一往復したところ、船がB地点に到着してから42秒後にボールもB地点に到着しました。
船がB地点からA地点まで行くのにかかった時間は、船がA地点からB地点まで行くのにかかった時間の2.25倍でした。船の静水での速さは一定として以下の問いに答えなさい。

(1)ボールがA地点を出発してからB地点に到着するまでに何分何秒かかりましたか。
(2)船とボールが出発してから、
 (ア)最初に出会うまでにかかった時間
 (イ)船がボールに追いつくまでにかかった時間
をそれぞれ求めなさい。

(2013 開成中 

【解説】

(1)まずは、速さの比に関する部分を考えます。
船がB地点からA地点まで行くのにかかった時間は、船がA地点からB地点まで行くのにかかった時間の2.25倍でした。
B地点からA地点までと、A地点からB地点までは「同じ道のり」ですから、かかった時間の比と速さの比は逆比の関係になります。

時間の比 下り(A→B):上り(B→A)=1:2.25 =4:9
速さの比 下り:上り=9:4

静水での速さは上り・下りともに一定のため、
静水での速さ+川の速さ:静水での速さ-川の速さ=9:4
となります。
静水での速さ+川の速さ=
静水での速さ-川の速さ= とおくと、
静水での速さ=(9+4)÷2=6.5
川の速さ=(9-4)÷2=2.5 となります。
ボールは川の速さで進みます。
そこで、船の上り・下りとボールの速さの比は
上り:下り:ボール=4:9:2.5=8:18:5 になります。
AからBまで移動する場合の時間の比は、速さの比の逆比になりますので、

上り:下り:ボール

111
8185
452072
360360360

=45:20:72

これをふまえて、ダイヤグラムを描きます。
船とボールの動きのダイヤグラム
7265=42秒より、
72=(42÷7)×72=432秒=7分12秒

答え 7分12秒

(2)(ア)出会った時刻や追いついた時刻は、ダイヤグラム上の相似形を使って解いていきます。
ダイヤグラム上の相似形
270:432=5:8

上の図より、すれ違ったのは、

270×812601662
131313
=2分462
13
答え 2分462
13

(2)(イ)
ダイヤグラムの追いつき
270:(432-390)=270:42=45:7

上の図より、追いついたのは、

432×45216037311
521313
=6分1311
13
答え 6分1311
13

今日のポイントを使って問題にチャレンジ!

問題

図1のように、平らな地面に3点A、B、Pがあり、高さ3mの長方形の壁ABCDと高さ9mの柱PQが、地面にまっすぐ立っている。
これらを真上から見たものが図2である。
柱の先端Qの位置にある電灯で壁ABCDを照らしたとき、地面にできる壁の影の面積を求めなさい。
ただし、電灯の大きさや壁の厚さは考えないものとする。
灘中1日目大問12 図1
灘中1日目大問12 図2

(2009 灘中(1日目) 12

※解答解説は次回掲載いたします。