第7回 速さの文章題を得意単元にする|中学受験専門受験塾ドクターが「算数」の偏差値をアップさせる奥義を伝授!

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第7回 速さの文章題を得意単元にする

今後の目次

第7回 速さの文章題を得意単元にする ← 今週はココ!
第8回 立体図形必勝法①(影)
第9回 立体図形必勝法②(錐体の切断)

今回は速さの文章題について説明してまいります。
多くの受験生が速さの文章題を苦手としています。その理由は2つあります。
1つが、問題文が他の文章題に比べ長く題意を把握しづらいから、もう1つが比を絡めた出題が多くどのように比を使っていけばよいのかわかりづらいからです。
これは、①問題文が長く複雑で、何を言っているのか、何と問われているのかを理解するのが難しい、になります。
これらを解決していくために、問題文を図にしていく解法は避けては通れません。
図には線分を使った図(状況図)とダイヤグラムの図がありますが、比を書き込みやすい・流水算で使いやすいということから、今回はダイヤグラムの描き方・使い方を中心にお話ししてまいります。
それでは、この「①問題文が長く複雑で、何を言っているのか、何と問われているのかを理解するのが難しい」を解決するポイントを、お子様に身につけさせましょう!

ポイントが身につく問題実践講座

問題

ある公園を入口から周りを1周すると、

最初の1がのぼり坂で
4
真ん中の1がくだり坂で
4
最後の1がのぼり坂
4

になっています。
この公園の周りをA君は自転車で、B君は歩いてまわります。
A君の自転車はくだり坂では、のぼり坂の倍の速さになりますが、B君の歩く速さは常に一定です。
今、A君とB君が公園の入り口を同時に出発したところ、A君が15周して、B君が12周して同時に公園の入り口に戻ってきました。
途中では、A君がB君を追い越したり、逆にB君がA君を追い越したりすることがありましたが、このような追い越しは全部で何回ありましたか。
ただし、スタートと到着のときには追い越しはありません。
(2007ジュニア算数オリンピックファイナル問題)

【解くための考え方】
まずは、先ほどの問題を直接お子様に解かせてみてください。

正解はこちら

どうでしたか?正解にたどりつけたでしょうか?
正解できなかった場合、どこまで解き進めることができたのかが重要です。
問題文の条件をしっかり整理できましたか?あるいは、問題の意味はわかるけれども、速さの比をどのように使って解けばよいかわかりましたか?
今回はどのように問題文を図に表し、その図のどこに注目して解いていくかがポイントです。

今後受験ドクターでは、「難問攻略イメージde暗記ポイント」カードを作成する予定です。
今回は、その中から「効率よく調べていくためのポイント」を2つご紹介します。

今回使うポイント

【ポイントNo.16】「速さの比は『同じ○○』を見つける」

この問題のように、速さの問題ですが「速度」「道のり」「時間」について具体的な数値がほとんど与えられていないため、どうしてよいかわからない時がよくあります。
まずは、問題文にある「割合(比)の関係」に注目しましょう。

A君の自転車はくだり坂では、のぼり坂の倍の速さになります
→速さの比 A下:A上=2:1
→同じ道のりを進むのにかかる時間の比 A下:A上=1:2

A君が15周して、B君が12周して同時に公園の入り口に戻ってきました→同じ時間で進んだ道のりの比 A:B=15:12=5:4
 →平均の速さの比 A:B=5:4
 →1周にかかる時間の比 A:B=4:5

※Aは上りと下りがあるため、平均の速さになる点に注意

この2つをつなげるため、

Aが1周の1の道のりを下るのに
4

かかる時間を②とします。
すると、同じ道のりを上るのにかかる時間は④となり、
Aが1周するのにかかる時間は
(②+④)×2=⑫となります。

Bが1周するのにかかる時間は

⑫×5=⑮になります。
4

【ポイントNo.17】「まずは位置と時間の正確な打点」

2人が出発してから戻ってくるまで、Aは15周、Bは12周しました。
15と12はともに3で割り切れるので、Aが5周したときBも4周して同時に戻ってきています。
つまり、ダイヤグラムはAが5周、Bが4周するまでを描けば、その後は同じ動きを繰り返すので必要ないことになります。

先ほどAが1周にかかる時間を⑫としましたので、
5周にかかる時間は⑫×5=60になります。
大きめに枠を取り、目分量で構いませんので点線で縦横を分割しておきます。
目分量でダイアグラムの縦横を分割

まずはBの動きを描き入れます。Bは速さが変わりません。
Bの動きを描き入れたダイアグラム

次にAの動きを描き加えます。
Aは上り(4)→下り(4)→上り(4)を繰り返します。
Aの動きを描き加えたダイアグラム

大まかに状況を捉えるのであれば、ここまで正確に図を描く必要はありませんが、線と線が交差する回数や時間、場所を考える問題では、ある程度正確に図を描く必要があります。 普段から図を描く練習を行うことで、どのような図になるかのイメージが出やすくなり、結果として図を描くスピードも上がってきます。

ダイアグラムから調べる追いこしの回数
Aが5周、Bが4周する間に3回追い越しがあったことがわかります。
したがって、Aが15周、Bが12周する間に、3×3=9回の追い越しがあったことになります。
しかし、最後に到着したときの追い越しは数えない、と問題文にありますので、この1回を引いて答えになります。

【正解】

8回

開成・筑駒・灘の問題で今日のポイントを使う

問題 灘中学校 2013(二日目)

A君とB君はP地点を同時に出発し、P地点から42㎞離れたQ地点に向かいました。
A君は一定の速さで進みました。

また、B君はP地点から28㎞離れたM地点まで一定の速さで進んだのち20分休み、M地点からは

それまでの1倍の速さで進みました。
3

B君がM地点を出発して1時間21分後、A君はB君を追い抜き、その後A君はB君より20分早くQ地点に着きました。

(1)B君がM地点に着いたとき、A君はB君の後方何㎞の地点にいましたか。

(2)A君はP地点を出発して何時間何分後にQ地点に着きましたか。

【解説】

まずは、割合(比)に関する部分のみ取り出します。←ポイントNo.16

・B君は……M地点からは

それまでの1倍の速さで進みました。
3

→速さの比 B(PM):B(MQ)=3:1
→同じ距離を進む時の時間の比 B(PM):B(MQ)=1:3

他にわかっていることをまとめると、 ・P~Mは28㎞、M~Qは14㎞ ・B君は20分休み、A君より20分遅れてQに到着した。 →B君は休んでいなければA君と同時にQに到着していた。

ここで、B君が最初の速度で14㎞進むのにかかった時間を①分とします。 すると、B君はPからMまで②分、MからQまで③分かかったことになります。

これらの数値を使ってダイヤグラムを描いていきます。←ポイントNo.17

まず、速さを変えていないA君の動きを描きます。このとき縦線を3等分し、Mの位置も書いておきましょう。
ダイアグラムにA君の動きを描く

次に、休まなかったときのB君の動きを書き加えます。
Mには②分後、Qには⑤分後に着いています。
ダイアグラムにB君の動きを描く

実際は20分休んだので、出発してから1時間21分後にA君がB君を追い越します。
これを書き加えます。
出発してから1時間21分後にA君がB君を追い越す

(1)A君がQに着いたのは⑤分後、B君がMに着いたのは②分後なので、
②分後にA君はPから

42×2=16.8㎞
5

進んだところにいます。
したがって、28-16.8=11.2㎞後方にいたことになります。

答え 11.2㎞

(2)ここでポイントとなるのが、A君とB君の速さの比です。
設問で聞かれていなくても、問題に出てくる人(や車など)の速さの比は常に考えるようにしておきましょう。
B君はMからQまでの14㎞を③分で移動します。
いっぽうA君はPからQまでの42㎞を⑤分で移動しますので、2人の速さの比は、

A:B=42÷5:14÷3

=4214=12670=9:5
531515

になります。
したがって、2人がMを通り過ぎて追い越すまでにかかった時間は、
A:B=5:9になります。これらをさらに書き加えます。
A:B=5:9をダイヤグラムに書き加える
○4/3は56分になる

求めるのは、A君がQに着くまでの時間⑤分なので、

56÷4×5=210分
3

=3時間30分後になります。

答え 3時間30分後

このように、速さの問題ではダイヤグラムを描くことももちろん大切ですが、その後ダイヤグラムにどんどん数値を書くことも大切だということです。
そのためダイヤグラムは大きくしっかりと描きましょう

前回のチャレンジ問題の答え

問題

1、2、3、……、Nの数が1つずつ書かれたN枚のカードを時計回りに、数の小さい順に円形に並べます。
次の規則にしたがって、カードを1枚ずつ取り除いていくとき、最後に残るカードがどれであるかを考えます。

・まず、1の書かれたカードを取り除く。
・あるカードを取り除いたら、次に、そのカードから時計回りに数えて2枚目のカードを取り除く。

これをカードが1枚だけ残るまでくり返す。
たとえば、N=13のとき、図2のようにカードが取り除かれ、最後に10の書かれたカードが残ります。(×印は取り除いたカードを表します。)
このとき、下の問いに答えなさい。
カードを取り除くルール

(1)N=8のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。

(2)N=16のとき、1周目にカードを取り除いた時点で、下の図のように8枚のカードが残り、次には2の書かれたカードから取り除くことになります。
もし必要ならばこのことを用いて、N=16のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。
また、N=32とN=64のとき、最後に残るカードに書かれた数をそれぞれ答えなさい。
N=16のとき

(3)N=35のとき、1周目に1、3、5の書かれたカードを取り除いた時点で、残るカードは32枚で、次には7の書かれたカードから取り除くことになります。
もし必要ならばこのことを用いて、N=35のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。

(4)N=100のとき、1周目に36枚のカードを取り除いた時点で、残るカードは64枚です。
もし必要ならばこのことを用いて、N=100のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。

(5)N=2009のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。
(2009 開成中 

【解説】

(1)カードの枚数が少ないので実際に書いて確かめてみるとよいでしょう。
1周目 1、3、5、7 が取り除かれる。
2周目 2、6が取り除かれる。
3周目 4が取り除かれ、8が残る。
したがって、最後に残るカードの数字は8です。

答え 8

(2)1周目の8枚を取り除いた時点で残った枚数は8枚です。
(1)より、最初に8枚並んでいて1から取り除き始めると、最後に残るのは8になることがわかりました。
つまり場所で考えると、8枚の時は最初に取り除いたカードからみて右隣(反時計回り方向に隣合っている)のカードが残ることになります。
このことを利用します。
今、2周目に最初に取り除くカードは2になりますので、最後に残るのは2の右隣にある16が残ります。
N=32のときも同様に考えます。1周目が終わった時点で16枚が残り、次に取り除くカードが2になります。
したがって、2の右隣にある32が最後に取り除かれるカードです。
N=64のときも同様に考えて、64が最後に残ります。

答え N=16のとき16、N=32のとき32、N=64のとき64

(3)(2)からN=32のときも最初に取り除いたカードの右隣のカードが最後に取り除かれることがわかりました。
N=35のとき、3枚取り除いた時点で残り32枚になります。
次に取り除くカードは7が書かれたカードです。
したがって、この32枚のカードで7の右隣に並んでいる6のカードが最後に取り除かれます。

答え 6

(4)(2)よりN=64のとき、最初に取り除いたカードの右隣のカードが最後に取り除かれることがわかりました。
N=100のとき、36枚目に71を取り除いた時点で残り64枚になります。
この次に取り除くカードは73のカードになりますので、この時点で73の右隣にある72のカードが最後に取り除かれます。

答え 72

(5)ここまでの問題から、Nが2、4、8、16、32、64 と2だけかけ続けた数のとき、一番大きい数字のカードが最後に取り除かれることがわかります。
64×2=128、128×2=256、256×2=512、512×2=1024
1024×2=2048より、1周目の途中で1024枚残った時を考えます。
2009-1024=985より、985枚のカードを取り除くと残り1024枚になります。
985番目に取り除いたのは2×985-1=1969です。
次に取り除くのは1971になります。
したがって、1024枚残った時に1971の右隣に並んでいる1970が最後に取り除かれるカードになります。 

答え 1970

今日のポイントを使って問題にチャレンジ!

問題

A地点からB地点に向かって一定の速さで流れている川があります。
この川のA地点からボールを流し、同時にB地点からA地点に向けて船が出発しました。
船がA地点で折り返してB地点まで一往復したところ、船がB地点に到着してから42秒後にボールもB地点に到着しました。
船がB地点からA地点まで行くのにかかった時間は、船がA地点からB地点まで行くのにかかった時間の2.25倍でした。船の静水での速さは一定として以下の問いに答えなさい。

(1)ボールがA地点を出発してからB地点に到着するまでに何分何秒かかりましたか。
(2)船とボールが出発してから、
 (ア)最初に出会うまでにかかった時間
 (イ)船がボールに追いつくまでにかかった時間
をそれぞれ求めなさい。

(2013 開成中 

※解答解説は次回掲載いたします。