第23回 円の転がり|中学受験専門受験塾ドクターが「算数」の偏差値をアップさせる奥義を伝授!

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第23回 円の転がり

今後の目次

第23回 円の転がり← 今週はココ!
第24回 図形の規則性を調べる
第25回 おかしな時計

今回は円が図形の中を転がる部分について考える問題です。全体の図は与えられていますが、そこからどのように補助線を引き、どこに注目すれば良いかがわかりにくく、「③問題に条件(ヒント)が少なく、どう進めていいかわからないので難しい」という難しさです。
今回は、このような円が図形の中を転がる問題についてのポイントをご紹介いたします。

ポイントが身につく問題実践講座

問題

図のような平行四辺形と、直径が2㎝の1円玉がある。平行四辺形の内部で1円玉を動かすとき、1円玉が通る部分の面積は何㎠ですか。 灘中問題図1
(1999 灘中(一日目) 11

【解くための考え方】
まずは、先ほどの問題を直接お子様に解かせてみてください。

正解はこちら

どうでしたか?正解にたどりつけたでしょうか?
正解できなかった場合、どこまで解き進めることができたのかが重要です。円が動ける範囲は書けますが、どうやって面積を求めていくのかが難しいところです。

今後受験ドクターでは、「難問攻略イメージde暗記ポイント」カードを作成する予定です。
今回は、図形内部を円が転がるときの面積を考えていくためのポイントを1つご紹介します。

今回使うポイント

【ポイント№39】「円と直線は1点で垂直に接する」

パッと見て、円が動く長さは頂点と頂点の間の長さじゃないかな?と思いませんでしたか。
円が動く長さは頂点と頂点の間の長さ

実際に動かしてみると、頂点の手前で円がひっかかるため、端まで動かすことはできません。
手前で円がひっかかる

頂点の部分を拡大すると、下の図のようになっています。
拡大図

つまり、円が直線と接する時は必ず1点で接することになり、図形の角に来たときは隣り合う2つの辺と同時に接することになります。
そこで、接する点と円の中心を結ぶ補助線を引きます。
円の半径は垂直になる

円が直線と接する(1点で交わる)とき、直線と円の半径は垂直になります。その結果、△OPAと△OPBは合同になります。(なぜなら、OA=OB、角OAP=角OBP=直角、OP共通)
したがって、AP=PBとなります。

また、この時円は下の辺とも接していますので、次のような状態にもなっています。
AQ=CQ

先ほどと同様に、△OAQと△OCQも合同になるため、AQ=CQです。
したがって、円が動ける範囲は下の図のCD部分になります。
※Dは上の図のB、Rは上の図のPと同じ位置関係です。
動ける範囲はCD部分

CD=8-(QC+DR)
QC=QA、DR=PB=PA より、
CD=8-(QA+PA)
  =8-PQ
  =8-4
  =4㎝

円が動いた部分の面積は、長方形+半円×2となります。
長方形+半円×2

【正解】

【正解】11.14㎠

ポイントを使って開成・筑駒・灘の問題を解こう!

問題

下の図において、ACとBCは垂直である。斜線で示した部分は、1円玉が三角形ABCの内部で辺と接しながら1周するときに通る部分である。ただし、1円玉の直径は2㎝である。次の問いに答えよ。
灘中問題図1

(1)図の三角形PQRの面積を求めよ。
(2)斜線で示した部分の面積を求めよ。
(2002 灘中(二日目)

【解説】

(1)円が動いた部分がわかるように図を描きます。
円が動いた部分の図

ここに、円と接する点、そしてその点と円の中心を結ぶ半径を書き加えます。  ←ポイント№39
相似形

△APDと△APIが合同なので、AD=AI
△BQEと△BQFが合同なので、BE=BF
△CRGと△CRHが合同なので、CG=CH=2㎝
また、ABとPQ、BCとQR、CAとRPがそれぞれ平行なので、
△ABCと△PQRは相似形になり、PQ=DE、QR=FG、RP=HIとなっています。

そこで、AD=AI=○㎝、BE=BF=△㎝
    PQ=DE=5㎝、QR=FG=4㎝、RP=HI=3㎝
とすると、

QR=(16-2-△)㎝=
RP=(12-2-○)㎝=
PQ=(20-○-△)㎝=
QR+RP=(24-○-△)=
(24-○-△)-(20-○-△)=4=
したがって、=2㎝となり、PQ=10㎝、QR=8㎝、RP=6㎝
○=4㎝、△=6㎝となるので、
△PQRの面積は、8×6÷2=24㎠です。

答え (1)24㎠

円が動いた部分の面積は次のように分けられます。
円が動いた部分の面積

3つのおうぎ形+3つの長方形+(直角三角形-△PQR) ・3つのおうぎ形  半径は1㎝、中心角の和は、
 360×3-90×6-180=360° より、
 1×1×3.14=3.14㎠
・3つの長方形  1×{20+16+12-(4+6+2)÷2×2}=36㎠
・直角三角形-△PQR  12×9÷2-24=30㎠
したがって、3.14+36+30=69.14

答え (2)69.14㎠

前回のチャレンジ問題の答え

問題

図1のような5×5の正方形を下の2つのルールで4つの部分に切り分けます。

ルール1 正方形の辺に平行に、点線にそって切ること
ルール2 切られた4つの部分をうまく組み合わせると3×3と
     4×4の2つの正方形ができること
算数オリンピックトライアル問題図1
算数オリンピックトライアル問題ルール1
算数オリンピックトライアル問題ルール2
これらのルール通りの切り分け方として考えられるものは何通りかありますが、例以外に5通り答えなさい。ただし裏返しや回転で同じになるものは1通りと考えます。

(2007 算数オリンピックトライアル)

【解説】

今回は例以外の分け方を5つ答えればよいので、例を参考にして他の分け方を考えていきます。
たとえば、例の①の長方形をもう少し大きくすることはできないか?と考えていきます。くっつけた時の図から考えると良いでしょう。
くっつけたときの図

あとは実際に切った形にもっていきます。
実際に切った形にもっていく

これで2通り見つかりました。
もう少し楽して答えを見つけていきましょう。
②と③の部分をうまく組み替えてもよさそうですね。
これはできるでしょうか

これはできるでしょうか?
分けられた

無事分けられました。
ということは、もう1つの小さい長方形も3×3のほうにうつすと…
小さい長方形も3×3のほうにうつす

となります。これはどうでしょうか?
残り1つ

これもできました。残り1つです。4×4の正方形はもう分けないとすると、3×3を作る長方形を1マス動かします。
1マス動かす

これは下のようになります。
組み合わせ結果

これで5通りできました。
このように、例で与えられたものを参考にしていくと比較的楽に他の組み合わせを求めることができます。しかし、全ての組み合わせを答える場合は、きちんと場合分けをして考えていく必要があります。

答え 解説の5つ

※他に次のような分け方もあります。
組み合わせ他の例
まだまだありますので、探してみてください。

ポイントが確認できるチャレンジ問題

問題

AB=13㎝、BC=12㎝、CA=5㎝の直角三角形ABCがあります。円を直角三角形ABCの辺に沿って下の図のようにP1→ P2→P3→P1の順に動かします。
駒場東邦中問題図1
①半径1㎝の円を動かすとき、円が通過した部分の面積を求めなさい。
駒場東邦中問題図2
②半径0.5㎝の円を動かすとき、円が通過した部分の面積を求めなさい。
駒場東邦中問題図3

(2012 駒場東邦中(2))

※解答解説は次回掲載いたします。