第3回 図形問題に強くなる①(円とおうぎ形)|中学受験専門受験塾ドクターが「算数」の偏差値をアップさせる奥義を伝授!

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第3回 図形問題に強くなる①(円とおうぎ形)

今後の目次

第3回 図形問題に強くなる①(円とおうぎ形) ← 今週はココ!
第4回 図形問題に強くなる②(相似の発見)
第5回 図形問題に強くなる③(図形の移動)

今回から数回にわたって図形問題を取り上げてまいります。
図形問題は問題文の代わりに図が与えられており情報量が少なく、自分で補助線を引いたりしていく必要があるため、難易度が高くなるとお手上げというお子様もとても多いです。
まさに③問題に条件(ヒント)が少なく、どう進めていいかわからないので難しいので難しい単元です。
それでは、この「③問題に条件(ヒント)が少なく、どう進めていいかわからないので難しい。」を解決するポイントを、お子様に身につけさせましょう!

ポイントが身につく問題実践講座

問題
1辺10㎝の正七角形の各頂点を中心に半径10㎝の円を7個書き、各円の内側を灰色にぬります。 このときの灰色部分のうち正七角形の外側の部分をA、内側の部分をBとします。 円周率を3.14とするとき、A、Bのうち、どちらが何㎠大きいですか。

算数オリンピックトライアル問題の図

(2015算数オリンピックトライアル問題)

【解くための考え方】
まずは、先ほどの問題を直接お子様に解かせてみてください。

正解はこちら

どうでしたか?正解にたどりつけたでしょうか?
正解できなかった場合、どこまで解き進めることができたのかが重要です。
問題を解く鍵となる補助線は引けたでしょうか?
問題文をから何を求めるべきか気づけましたか?
一見難しそうな図形の問題こそ、ポイントに基づいて解いていくことができます。

今後受験ドクターでは、「難問攻略イメージde暗記ポイント」カードを作成する予定です。
今回は、その中から「効率よく調べていくためのポイント」を2つご紹介します。

今回使うポイント

【ポイントNo.8】「和差を求める問題では各々は不要」

難しそうな形を見ると、「こんな形の面積なんか求められない」と思ってしまいます。
確かにこの問題の灰色の部分の面積をそれぞれ出すのは結構大変です。

しかし、問題文をよく見てみると「A、Bのうち、どちらが何㎠おきいですか。」とAとBの差がいくらになるか聞かれています。
つまり、AやBがそれぞれ○○㎠で、引き算をして答えを出す……という必要はありません。
このような問題では、AとBがそれぞれどのような図形で構成されているかを考えて、その違いを調べていく、という解法の鉄則があります。
立方体を2つに切り分けて、表面積の差を求める問題や角度の問題などいろいろな図形の問題で使われる事柄です。

では、AとBはそれぞれどのような図形の組合せで構成されているのでしょうか。
それを見つけるためには補助線が不可欠です。補助線の引き方について次のポイントを見てみましょう。

【ポイントNo.9】「曲線はおうぎ形の弧」

円やおうぎ形のように曲線が入った図形の問題では、補助線の引き方でよく使われる事柄があります。
それが「曲線はおうぎ形の弧」になっているというものです。
曲線はおうぎ形の弧
ということで、円やおうぎ形が組み合わさった図形では、半径を補助線として引いていき、おうぎ形が見えるようにしていくことが解答への第一歩というわけです。

まずは外側のAから考えていきましょう。
外側のA

この図形に補助線を引きます。
おうぎ形が見えるように、円の中心(正七角形の頂点)から、円周の交点に向かって直線を引きましょう。
図形に補助線を引く

そして、余分な線を消してみます。
余分な線を消す

すると、Aの部分は7つのおうぎ形と7つの三角形で構成されていることがわかります。
この三角形は辺の長さが全て10㎝なので正三角形です。
おうぎ形の中心角は、

180-360÷7=900°
7

……正七角形の内角1つの大きさ
 

360-(60×2+900°)=780°
77

正三角形の面積を求めることはできないので、Aの面積は求められませんが、どのような図形で構成されているかはわかりました。

内側のBも同様に補助線を引いてみましょう。
内側のBも同様に補助線
こちらは、細いおうぎ形(図の青色の部分)が7つと、三角形が7つで構成されています。
そして、この三角形もAと同じく正三角形になります。
一方、おうぎ形の中心角は、

900°60×2=60°
77

です。
これでAとBがわかりましたので、差を求めます。

AとBはともに7つの正三角形(1辺10㎝)を含んでおり、この部分では差はありません。
差が出ているのはおうぎ形の部分になります。
Aのおうぎ形の面積の合計は

10×10×3.14×780°÷360×7
7

になり、
Bのおうぎ形の面積の合計は

10×10×3.14×60°÷360×7
7

になります。

10×10×3.14×780°÷360×7
7
 ―10×10×3.14×60°÷360×7
7
=10×10×3.14×(780°60°)
360°360°
=10×10×3.14×2
=200×3.14

となり、きちんと整数で求まります。

【正解】

Aが628㎠大きい

開成・筑駒・灘の問題で今日のポイントを使う

問題 開成中学校 2016 大問4(2)

点Oを中心とする半径3㎝(直径6㎝)の円の周上に、周の長さを8等分する点を取り、順にP、Q、R、S、T、U、V、Wとします。
8個の点P、Q、R、S、T、U、V、Wそれぞれを中心とする半径3㎝の円を描くと、図のようになります。
開成中学の図1
このとき現れる線を利用して、右の斜線部の図形を考えます。この斜線部の図形の面積は何㎠ですか。(円周率は3.14とします)
開成中学の図2

【解説】

円の中心が分かりにくいので、この問題では円と円の交点を結ぶ補助線を引いていきます。
おうぎ形の弦にあたる部分です。←ポイントNo.9
円と円の交点を結ぶ補助線
求める星形の面積
同じ三角形16個に分割可能
角ア=45°なので角イ=90°
角ア=45°なので、円周角と中心角の関係より角イ=90°です。
したがって、底辺と高さが、円の半径である3㎝の直角二等辺三角形になります。

よって、求める面積は、3×3÷2×16=72㎠になります。

答え 72㎠

前回のチャレンジ問題の答え

問題

下の図のように、番号のついたいろいろな大きさの円柱があります。
の円柱の底面の半径は2㎝で、番号が1つ増えるごとに底面の半径は、前の番号の円柱の半径の2倍になっています。
円柱の高さはすべて3㎝です。これらの円柱の何個かを積み重ねて新しい立体を作ろうと思います。
ただし、円柱の底面の円の中心どうしが重なるように積み重ねます。

<図1>のようにの上にの上にを積み重ねた立体を〔 〕、
<図2>のようにの上にを積み重ねた立体を〔
のように表すことにします。
このとき、立体〔 〕と立体〔 〕は同じ立体となります。
の円柱を1つずつ使って立体を作ります。
立体〔 〕と同じ表面積になる〔 〕以外の立体を全て答えなさい。
解答は、〔アイウエオ〕のように答えますがアはオより大きいものとします。
(2015 桜蔭中Ⅳ(3))

図形1,2,3 図1,図2

【解説】

ポイントNo.7「条件の裏を読み取る」を使って、この問題を考えます。
積み上げる立体5つの表面積の合計は決まっています。そして、立体を重ねることで、「くっついた面」の分だけ表面積が減っていきます。

つまり、表面積の合計が等しく、また求める表面積が立体〔 〕と等しいということは、「くっついた面」の面積も立体〔 〕と等しいことになります。

1~4の面がくっついている
上の図より、1~4の面がくっついていることがわかります。

もしも、〔 〕と重ねるとどうなるでしょう。

〔5 1 4〕と重ねる
1の面が2回くっつくことになります。
これでは〔 〕と同じ表面積にはなりません。

つまり、からだんだん半径が小さくなるように重ねれば、同じ表面積になる、ということになります。
そこで、の位置で場合分けをして考えます。

が一番下のとき……〔54321〕しかできない。

が下から2番目のとき
下から〔ア5イウエ〕とすると、アは1、2、3、4の4通り考えられます。
そして、アが決まれば残りのイ、ウ、エは大きい順に並べるしかありません。
(例 ア=3のとき、イ=4、ウ=2、エ1)
よって、この場合は〔45321〕〔35421〕〔25431〕〔15432〕の4通りになりますが、アはエより大きいという条件がありますので、〔15432〕はダメです。

が下から3番目のとき
下から〔アイ5ウエ〕とすると、アはエより大きいので、エは必ず1になります。
ポイント№6「最小・最大から調べていく」
4はイかウに入りますので、4がそれぞれに入るときを考えますと、
〔24531〕〔34521〕〔23541〕の3通りあります。

が下から4番目のとき
下から〔アイウ5エ〕とすると、やはりエは1になります。
残りの2~4はア=2、イ=3、ウ=4しか並べられませんので、〔23451〕だけになります。

〔45321〕〔35421〕〔25431〕
〔24531〕〔34521〕〔23541〕〔23451〕

今日のポイントを使って問題にチャレンジ!

問題

下の図のように1辺の長さが3㎝の正方形ABCDがあり、頂点A、B、C、Dをそれぞれ中心とする半径3㎝の円をかきました。
斜線部分(正三角形4つと正方形1つ)の合計は何㎠ですか。
〔5 1 4〕と重ねる
(1998ジュニア算数オリンピックファイナル問題)

※解答解説は次回掲載いたします。