プロ家庭教師松村先生写真

担当科目:
国語・算数・理科・社会
合格実績:
開成、筑駒、麻布、武蔵、慶応、早稲田、桜蔭、フェリス、他

 

もっとも大切なことは、『基本』の『深い』理解

学習を進めていく上で、常に意識しなければならないことは、『基本となる重要事項や法則』

を、様々な場面に応用できるように、『しっかり自分の頭で、正確に理解する』こと、つまり、

『基本』を『深く』理解することです。

最近の中学受験の問題を見て、大人の目からみても高度で難解な『難問』が多い、と感じられていることでしょう。とくに難関校では、算数や理科の『難問』を解くことが、合格の鍵になることは明白です。

そこで、難関校を目指すご家庭からは

『基本問題は出来るのですが、応用問題になるとお手上げです。どうしたら出来るようになりますか?』

というご相談を受けることが多々あります。答えは単純明快です。

『基本』を『深く』理解することです。難関校で合格の鍵となる『難問』は、

  • 内容も高度で作業も複雑な問題
  • 一見平易だが、『罠』の潜む問題
  • 特殊な知識問題だが推測可能な問題

おもに次の3つのタイプに分類されます。一見まったく異なるタイプの問題に見えるこれらの問題ですが、実はそこで問われているのは一つです。

『基本』を『深く』理解しているか?なのです。

① について

巨大な建造物を建設するには、何よりもしっかりとした土台が必要です。同じように、①のように難解で複雑な問題を時間内に正確に解き切るには、『基本』の『深い』理解が最も大切になります。『基本』をしっかり理解した上で、はじめはじっくり納得するまで自分の頭で考えながら、十分時間をかけて解き進む。そして、正答に到達できたら、類題を反復しだんだんと時間内に解ききれるように訓練する。この手順を踏んではじめて、①のタイプの難問が克服可能なのです。

よく、ご家庭や塾で『類題の反復』だけを行う姿を見かけます。『よくわからないから、やり方覚えてしまえ』というスタンスなのでしょう。

しかし、①の『難解で複雑=解く手順も複雑で長い』タイプの問題を丸暗記することは容易ではありません。長い文章を暗記するのに、意味を理解できる日本語と意味不明の外国語、どちらが容易か、比べるまでもありません。

このように、①のタイプの問題において、もっとも重要なこと、それは、『基本』を『深く』理解しているか?なのです。

②については、理科の問題で、詳しく見てみましょう。

【問】図のように、砂を一杯にいれたペットボトルをおもりとして、ひもをつけて天井からつるして振り子にした装置がある。ペットボトルのそこに小さな穴を開け、中の砂が少しづつこぼれるようにして振らせた。このとき、ペットボトルの周期はどうなりますか?次から選びなさい。

(あ)だんだん短くなる
(い)だんだん長くなる
(う)変わらない
(え)早くなったり遅くなったりする。

答えは、(い)です。

振り子では、おもりの周期は振り子の長さで決まるので、下図のように、砂が落ちると、おもりの重心の位置が下がり、ひもの長さは一定でも、振り子の長さは長くなり、周期も長くなります。つまり(い)になります。

難関校を受ける生徒であれば、『振り子の長さは、ひもの長さではなく、重心までの長さ』という『基本』は知っているでしょう。しかし、基本法則や答えの丸覚えをしているだけでは

この問題で、『振り子の長さの変化』に気づくことは、出来ません。多くの生徒が、『砂がへって重さが軽くなっても、重さは周期に無関係で、長さが変わらないから、答えは(う)だ』

という誤答をしてしまうことになります。

このように、『基本』を単なる知識の丸覚えではなく、『深い』理解まで高めていないと正答できないような『難問』、いや『良問』が②のタイプなのです。

③については、次の問題が典型でしょう。

【問】

猫の瞳は夜など、光が少ないと縦に細長くなります。それでは、草食動物のシマウマの瞳はどうなりますか?

(あ)縦長になる(い)横長になる(う)丸くなる(え)小さな点になる

答)(い)横に細長くなる

シマウマの瞳の形の変化は、特殊な知識で、知らなくて当然です。難関校の理科では、たまに、こういった『一見すると知識問題』が出題されます。しかし、実は、単純に知識を問うているわけではありません。

『肉食動物の目は、獲物を捕らえるための遠近感を得るため、顔の前面に距離はなれずついている。これに対し、草食動物の目は、敵を発見するための広い視野をえるため、顔の横に離れてついている』という『基本』は、やはり大部分の生徒が知っています。そこで、この『基本』から出発し、

暗いときでも視野の広さを確保したいはずだと『推測』して、(い)横に細長くなると答えを導き出せるのです。

自分の頭で考え、自分の言葉で説明する

それでは、『基本』を『深く』理解するには、具体的にどうすればよいのでしょうか?

自分は、指導に際して、次の2つの方法を実践しています。

1つ目は、

正解した問題でも、その理由を説明させる

結果や答えなど『基本』の丸覚えでも、なんとなく正解することはあります。

しかし、生徒自身が、その正解を導き出した理由を自分の言葉で説明するには、『基本』に対するしっかりとした理解が必要です。また、正解はしたけれど、なんとなく選び、理解があいまいだという場合でも、『自分の言葉で説明する』過程で、理解をしっかり深めることが出来るのです。また時には、先述の②のタイプの問題をその場で、追加問題として出題し解かせることもあります。

2つ目は、

わからない問題でも、答え・解き方はすぐ教えず、基本の確認を行い、気づかせる

先述のように、難問であっても、問われているのは、『基本』です。『基本』を生徒本人と確認する過程で、生徒自身が、自分の頭で考え、自力で解答に到達できるように誘導していくのが大切です。

以上、ここまで、読み進めて、

『基本』を『深く』理解すること

の大切さを、十分理解してもらえたと思います。そして、こういった学習を行う場合、集団塾ではなく、1対1で生徒とじっくり向き合う家庭教師だからこそ、十分なサポートが可能になるのです。また、受験の難化に伴い、各塾のテキストや市販の参考書など、量も膨大でどれを取捨選択していいか、ご家庭では判断が難しくなっています。しかし、

『基本』の『深い』理解

という、明確な指針によって、生徒の理解の現状をしっかり把握していれば、『いつ、なにを、どのくらいの量学習すべきか』自ずと明確になり、効果的な学習が可能となるわけです。

【自身の体験から】

御三家や筑駒など、最上位校を目指す場合についても、ここまで述べてきたことは、最も大切なことです。しかし、筑駒・麻布を受験合格した自身の体験と、その体験をもとに行ってきた指導経験から得た事として、

学習時間の10%の使い方

これが、最上位校合格に、『決め手』になると考えています。

より具体的には、学習時間の10%を、一見、『志望校受験に直結しない』内容の学習にあてることです。詳しいことは、ここには書きませんが、最初に述べた『基本の深い理解』や、最上位校受験で不可欠な個別の学校対策が、合格可能性80%以上、すなわち5回に4回受かるための学習であるとすれば、学習時間の10%を、一見、『志望校受験に直結しない』内容の学習にあてること、つまり学習時間の10%の使い方を工夫することは、5回に1回の不合格が本番でこないようにする、すなわち合格の『決め手』になるものなのです。

実際、自分自身の受験の時も、受験する学校の過去問以外に、中学入学試験問題集などからランダムに問題を選び、偏差値や問題傾向のまったく異なる学校の問題を解くなどしていました。これは、

『名画の真の良さを理解するには、普段から普通の何でもない絵画に触れることが必要』

と同じで、最上位校の出す、良問の出題意図を見抜く力を養い、同時に、手間だけやたらかかり最後に回すか捨てるべき問題や、出題意図のはっきりしない愚問などに、『はまる』危険性を回避できることにつながるのです。

現在は、自分の受験した時代と違い、ただ単に『いろいろな学校の問題を解きまくる』といっただけでは、十分に効果は得られません。そこで、プロ講師としての豊富な指導経験をもとに、生徒本人の理解度や様々な状態を見極め、的確な教材選択や指示が、やはりここでも大切になってくるのです。

【最後に】受験に近道はありません。目標校合格の道のりは、生徒本人にとってもご家庭にとっても、もちろん講師である自分にとっても決して平坦な道のりではないことでしょう。しかし、決して孤独な道のりではありません。合格という共通のゴール目指して、いつも一緒に歩んでいける講師でありたいと考えております。不安、悩み、いつでも遠慮なくぶつけてください。 自分も全力で答えます。合格に向け、一緒に頑張って行きましょう!