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武蔵高等学校 中学校 / 学校説明会 / 実況中継

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1.校長 梶取弘昌先生より本校紹介

本日はご来場ありがとうございます。私から武蔵全体の話をしまして、そのあと学科主任、教頭から詳しい話をさせて頂きたいと思います。さて、この講堂は改築を一昨日終えまして今日が使い始めです。ずいぶんと綺麗になりました。座席も少しゆったりとするように致しました。少しくつろいで聞いて頂ければと思います。

武蔵野の事を媒体で色々な事を言われる事もあるんですけども、やはり今日のような我々から直接語りかける場、それが一番大切だと考えております。この場での発信を私たちも一番重要と考えておりますので、色々なお話を聞いていって頂ければと思います。

武蔵野のあゆみですけども、大正11年。1922年に旧制7年制高校として始まりました。それから、1948年に武蔵野高等学校から49年に中学校が開設いたしました。

建学の精神としまして、

1. 東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物
2. 世界に雄飛するにたえる人物
3. 自ら調べ自ら考える力ある人物

この3つの理想を挙げております。ただこの理想は私も卒業生なんですけれども、いささか古めかしく感じています。もち通り捉えますと、やはり時代的に合わないようなものもあるように感じています。私としましては、ここにある世界というのはもち通りの世界でもありますが、自分に対しての華奢、そういう意味でもあるように考えております。

しかしこの三理想を私なりに読み変えますと、まず自分自身を磨いていく。その磨いた中で人と繋がる・世界と繋がる、そのような事が大切なように私自身感じております。

教育の目指すところ。私が考える事を申しますと、自分を磨いていく。その中で学んだ事を社会へ還元する、そのような事が大切だと思っております。ですから、その学びが自分自身の中で完結してしまうとあまり意味がありません。自分が学んだこと気が付いたことをどう社会に向かって発信していくか、それが大切なように私自身が感じております。

1.校長 梶取弘昌先生より本校紹介

本校の教育の基本と言いまして本物教育。自調自考。自ら調べ、自ら考える。これは建学の精神にもあります。では、その本物教育とは何か。改めて聞かれると、私自身もよく分からない部分もあります。ただ、偽物というのは色々あるんですね。どのようなものが偽物か。自分の体験を通して感じた事で無いこと。自分の五感を通して確かめていないもの。そのようなものは、私は偽物だと考えております。

小学生諸君は色々なゲームをやりますか?ゲームの中で自分が英雄になったり色々な所へ行ったりしますよね。それはあくまでもバーチャルな世界です。我々が自分の五感を通して感じたことって、それほどはないんですね。私の年になりましても、そんなにたくさんあるわけではないんです。やはり自分の身体で感じたことが、一番の本物だと考えております。ですから本物教育の定義というのはなかなか難しいんですけども、そのように自分で考え自分で感じたこと、それが一番大切なことだと思っております。

あとで各科主任の方から話が出ると思いますけども、原典主義という言葉も出てきます。これもやはり本物ですね。小学校の教科書あるいは塾に行っているのであれば、塾のテキストを見て下さい。非常に分かりやすくなっています。ただ、その分かりやすいというのは本当に良い事でしょうか?それを見ると、分かった気にはなるんですね。その分かった気になるという時が一番怖いんですね。本当は分かってないんです。ですから、先生が言うことを真に受ける。書いてあることを真に受ける。それで終わってしまう。

1.校長 梶取弘昌先生より本校紹介

例えば食べ物で言えば、魚を食べる場合に骨があります。骨を全部取りさって食べやすい大きさに切ったものを口に入れる。そのようなテキストが、氾濫しているように思うんですね。それは本物ではないです。本物教育はもっと噛み砕くのに力がいりますし、一回読んだだけでは分からない。ですけども、何度も何度も味わっているうちに「あ、こんな事か。」とおぼろげに分かっていく。本当に分かるのは大人になってからかもしれません。そういうものが、本当のものだと思っております。

ですから、良い先生というとしっかりして献切丁寧に教えて生徒の質問に何でも答える。これが良い先生という事になってますけども、果たしてそうでしょうか。もちろん良い先生なんですよ。良い先生なんですけども、例えば先生が「書いた事を写しなさい。」それだけで全てが終わってしまうと何も考えないんです。

例えば、先生が例題を解いていると。先生は解くのが上手いですよね。「あ、そうか。」と思って、それを丸写しにする。その間自分は何も考えていないんですね。もっと良い先生というのは、「お前やってごらん。」ひたすら待ちます。出来るまで待っています。一日後か二日後か一週間後か知りません。そして、「先生出来た!」と言った時に、「合ってる。凄いね。」と言ってくれるし、間違っていたら「ここ違うんじゃない?」とヒントをくれます。それが、私が考えている本当の先生かなと思っております。献切丁寧に教える、教え過ぎるとダメになります。ですから、少し生徒たちに考えさせるという事がすごく大事かなと思っています。

1.校長 梶取弘昌先生より本校紹介

小学生の君たちに言いたい事は、まず自分の手で書いて下さい。自分の頭で考えて下さい。今コンピューターの前にいます。ワープロも良い物があります。そういう物を使って、見かけだけの良いものだけじゃダメなんですね。まず自分の手で書く。時間がかかってもそちらの方が将来、「やって良かった。」と思うようになると思います。

次に、自調自考。自ら調べ自ら考える。これがやはり三理想にもあります。武蔵野の先生たちは教えるのが大好きです。ただ、そう素直には教えません。教えたい気持ちを我慢して我慢して生徒がやるのを見ています。我慢するのは大変なんですね。こうやっちゃえば早いのに…先生たちは皆分かっているんですね。それをひたすら待つ。そうする事で、自分たちで考えることが出来るようになってきます。

保護者の方にもお願いですが、見守るという姿勢が一番大切かなと思っております。私たちも生徒を見守っています。これは放任ではないんですね。見守りながら生徒が育っていくのを見ていくと。それが一番大切かなと思っております。

本校の入試問題は、記述試が多いとよく言われます。だから、「武蔵受けるの辞めた。」そうならないで下さい。
世の中に出て、○×で答えを聞かれることがあるのでしょうか?お父さんお母さんたち。選択肢の問題で、「ここから正解を2つ選んで下さい。」そういうようなことが、会社の中で行われているのでしょうか?自分で書いて、それを人に伝える。それがなければ、世の中では評価されません。ですから入試問題も同じことです。武蔵が記を捉った問題を出してるわけではなくて、それが人として必要だからそのような問題で生徒たちに考えてもらう。そう思っております。ですから、武蔵の問題が変わっているわけでもないし、私たちはごく当たり前のごく普通の問題を出しております。

1.校長 梶取弘昌先生より本校紹介

よく武蔵が自由な学校だと言われます。ただ、世間的な意味と違っているというものは、「武蔵は制服がないんです。だから自由ですよね。」「茶髪の生徒もいますよ。だから自由です。」そんな事はどうでもいいんです。
私たちが考える自由は、学問の自由です。先生と生徒、当然レベルの差はあります。ですけれども、生徒たちと一緒になって考えて君たちこう考えたら…そういう事を策しアドバイスをしたり、生徒の考えることを大切にしたり、それが本当の意味の自由だと思っております。その自由は武蔵にあります。そうすると、色々時間はかかるんですね。ただ、最短距離で歩く事が大切なんでしょうか。効率が良い事がそんなに重要なんでしょうか。周り道をしたり失敗したり、そういう事がすべてその大人たちの力になります。それを我々は見ていきたいと思います。

学問というのは、人と競争するための道具ではないんですね。学校だとか色々なところで、「僕1番だった。」「あいつに負けちゃった。」そういうくだらない競争をしていませんか?どうでもいいんです、そんな事は。勉強は競争ではないんですね。入学試験もそうです。人と比べて何番だとかどうでもいいんです。自分がちゃんと解ければいいんですよね。ですから、うちの先生たちの問題に対して挑戦をしてきて君たちが解く。それだけです。人に勝った負けたという事はどうでもいい事です。ですから、入試に受かれば良い。そういう歓楽的な勉強はしないで下さい。もしそういうつもりで勉強して運良く武蔵に入ったとしても、そこから先大変な苦労をします。入試は競争ではありません。まず自分がやるべきことをきちんとやる。それだけで十分です。

1.校長 梶取弘昌先生より本校紹介

学力ってよく言いますけども、私も「学力って何ですか?」と聞かれてもよく分からないです。ただ、一番基本になる読み・書き・そろばん。これは出来なければダメですね。ですから、武蔵の問題が書き取りの数が少ないとか、計算問題だけ出ないとかそんな事を気にしないで下さい。これは基本です。文字が書ける、計算が出来る。ただ、それだけでは本当の力ではないんです。それを元に応用した力。教養といっていいかもしれませんが、それが必要になります。

それからもっと大切なことは自分で想像することです。色々な科学の現場では、人がやっていない事をしないと評価されません。ですから、ナンバーワンではなくてオンリーワンなんですね。ですから、そこを目指していくべきだと思います。誰も考えつかない事を自分で考える。これが出来て、初めて本当の学ぶ力が付いたのだと思います。

武蔵野の6年間でこれが出来ると思いませんけれども、これを目指しております。ただ、こういうものを支えるために安心して勉強が出来る。そういう環境が必要です。それと共に、「勉強したい。」そういう気持ちを持つということ。よく学力の低下と言われますが、私は学力が低下しているのではなくて学習意欲が低下しているのだと思っております。

それは、1つは先ほど申し上げたように競争社会ですよね。それが、子供たちの世界にも悪い影響を及ぼしている。そのように思っております。私自身演習会に入っておりまして、そこでこのようなモデルを考えました。今言いました学びへの意欲、安心感があっての学力、学ぶ力だと思います。ですから、ご家庭では安心して過ごせる、そういう空間を作って頂きたいと思います。学校もそうです。友達もそうです。ですから、友達と居ると安心する。家に居るとすごくホッとする。そういうような所があって、初めて学ぶ力というのが出てくるのだと思っております。

1.校長 梶取弘昌先生より本校紹介

ところが、日本の現状はそうはなっておりません。先ほど申し上げたように、行き過ぎた成果主義。行き過ぎた数値目標。これが、剥ぎ取っているんですね。数字で出ると簡単です。どこの大学に何人入った。何とかのテストが何点だった。見やすいんですけども、それだけ目指していくとやはり本来の学問とは離れていくように私は思います。

それで、子供たちが育つには時間が必要なんです。武蔵に入っても、6年間で出来る事は限りがあります。その子供たちが30、40、50歳になって初めて武蔵に行ってよかったという想いが湧いてくれば、しめたものです。そのような長い時間が子供たちには必要です。ですから、我々教師から保護者の方もそういう目でお子さんたちを見て頂きたいと思っております。武蔵での教育。そのような環境を生徒たちに与えていきたい、そのように思っております。

やはり子供たちの学びを保障して、授業はそれをどうやって活かすか。また、職員室はないんですけども研究室があります。そこに先生方がいらっしゃるので、色々な話をしてもらいたいと思っております。また、図書館も充実しております。大学には70万冊、高校中学で7万冊ぐらい本があると思います。体育施設もプールが2つ、体育館、人工芝のグランドがあります。このようなものを利用してもらえればと思っております。

また、校外での学習。これは中1で山上学校、中2で海浜学校。また有志ですけども、スキー教室があります。そして地学巡検。これは中1の行事ですが、箱根に行って地形・火山の成り立ちを調べます。中3では天文実習。今年もこれから行きますけども、うまく晴れれば素晴らしい星空が見えますし、雨が降れば何も見えない。それも本物なんですね。プラネタリウムに行って星空を見る。それだけじゃダメなんです。ですから、本物というのは何が起こるか分からないんです。それがまた楽しいのだと思っております。

1.校長 梶取弘昌先生より本校紹介

色々な学校行事がありますが、生徒が主体で行われております。先日も体育祭を行いましたが、生徒が頑張っていきました。ただ、先生たちが裏できちっとバックアップしているので出来るのは間違いないのですが、あまり先生たちは表舞台に出ないようにしております。

そして、国外研修。これもほぼ2か月の間、第二外国語の上級の生徒から選んで国外に送り出しています。まったくの1人旅になるので不安ですけれども、帰ってきた生徒は非常に力を付けて帰ってきております。これは語学旅行だけではありません。その国の文化、物の考え方、すべてを学んでくるのが国外研修だと思っております。
残念ながら、1校との交流は先方との都合で無くなってしまいましたけども、他の国はまだやっております。

またユニークな試みとしまして、総合学習。この学校では総合講座と言っておりますけども、色々なものが開設されております。

校内を通った人は気が付いたかもしれません。ヤギがいます。「何でヤギなんだ?」これも総合講座の一貫でやっておりますけども、命を育てることの大切さ、それを生徒と一緒に我々も学んでいきたいとそう思っております。実際にこの講座を取っている生徒たちは、岡山の方の農場に行きまして実習をしてきました。出産の立ち会いもやりましたし、乳搾りもすべて出来ます。365日休みがありません。そうやってこれから育てていくつもりです。

大切な6年間をお預かりするので、やはり我々も心して子供たちと接していきたいと思っております。武蔵という型にはめ込むのではなくて、子供たちを大切にしながら結果として「武蔵野の生徒だね。」そういう風になればいいのかなと思っております。教師と生徒という立場は違いますけども、やはり我々ももっともっと成長したい。そして、子供たちと居る事で成長していきたいと私は思っております。

1.校長 梶取弘昌先生より本校紹介

ここで全体の話は終わりますけれども、私が第二会場の方へ行きますので少し芸術科目の話をさせて頂きます。美術と書道、音楽に分かれておりますけども、今まで申し上げたような考え方の中で行われております。美術であれば絵筆を通し、書道は墨で字を書き、音楽は歌ったりリコーダーを吹いたり、そういう事で自己表現の方法が違うというだけです。ですから、上手い歌を問題にするのではなくて、そのような表現手段が違ったとしても何か自分を表現したい。逆に言えば、表現したい事がなければいくらテクニックを持っていてもダメなんです。特に小さい頃から英才教育を受けている子どもたち、テクニックだけというのがあります。それではダメです。そうではなくて、表現したいものがある。そのためにどのようなテクニックをつけたらいいのか。その順番が逆転すると、間違った方向に行くと私は思っております。

これで私の話は終わりたいと思いますけれども、資料の中で卒業生の文集をお配りさせて頂きましたが、これは卒業した時に書いた同窓会の会報があるのですが、そこで書いたものを本人の状態をとってお配り致しました。武蔵についての教育を、生徒の視点から素晴らしい文章で書いていると思いますので是非ご覧下さい。

もう一点。毎日小学生新聞は、私自身が4月から連載を頼まれまして1年間を連載しております。ご覧になった方もいると思います。題材は音楽なんですけども、音楽を通して今の教育について色々な問題提示もしております。1回目は「音楽が好き」というテーマですが、「まず好きでなければ始まらないよ。」「上手い下手はどうでもいいんだよ。」と言っております。

それから色々テーマを変えていますけども、基本的には「自分から何かを伝えるというのはどういう事なんですか?」という事を子供たちにも分かるように書いているつもりです。やはり自分から発信していく。それが大切であることと同時に発信すべきものがある、そういうものが一番大事なことだなと思っております。

皆様と今後もご縁があることをお祈りしております。また2階に記念室がありますので、お時間ありましたらそこを伺って下さい。個別相談の会場も用意してありますので、そちらもいらっしゃって下さい。同じ建物の中に高校中学の図書館もありますので、どのような雰囲気かご覧頂ければと思います。

本日はどうもありがとうございました。

2. 教科に関する説明

国語科主任 江草先生より国語科について

皆さん、こんにちは。国語科の主任を務めております、江草と申します。宜しくお願い致します。主任と申しましてでも、その学科の中で一番偉いというわけでもありませんし一番年期が入ってるというわけでもなくて、単に順番で回ってくるだけですので、そういう人間が出てきたんだという風にご承知下さい。

一口に国語と申しましても、明治以降の文章を読むいわゆる現代文。それ以前の日本の古い文章を読む古文古典ですね。そして主に中国で書かれた詩や文章を読む漢文と、3つジャンルがあります。ご存じの通り。普通の学校ですと、国語の先生はその3つのいづれかを教えるのが普通かと思うんですが、本校の場合はそれぞれ専門がはっきり分かれておりまして、私はその中で申しますといわゆる現代文の担当という事になっております。

ただ今日は国語の3つのジャンルすべてまとめてお話をするつもりでございます。私の後もまだ説明だいぶ長く続きますので、どうぞリラックスしてお聞きになって下さい。私の方からは国語の授業でどんな感じの事やっているかという事と、国語の入試についてごく簡単にお話をしようと思っております。

それで国語の基本方針と言いますと、先ほど校長の方からもお話がありましたけれども、本物教育・原典主義という事をやっていこうという風に考えております。

国語に則して具体的に申しますと、いわゆる検定教科書というのがありますよね。各出版社から出しているもの。その検定教科書に沿った授業を必ずしも本校の国語の授業では行っておりません。ですので、どういうものを読んでいくかと言いますと、それぞれの教員が用意したプリント教材ですとか、あるいは指定したテキスト本ですね、生徒の方に購入してもらってそれを使うようにというような事をやることが多いです。

2. 教科に関する説明

国語科主任 江草先生より国語科について

そういう物の中には、例えば現代文なんかでは大正時代辺りに出た古い雑誌のコピーを直接読ませるとか、古典の方ですと昔の人が墨と筆で書いた、ぐにゃぐにゃしたミミズみたいな字がありますよね。崩し字です。ああいうものを読んでもらうとか。そういった事を交えてやっています。つまり、なるべく元の形に近い物で読んでもらおうと考えています。お分かりだと思うんですけれども、ぐにゃぐにゃしたあのミミズのような形ですとか、あるいは大正時代の雑誌のコピーなんかですと、いわゆる旧仮名使いで書いてあります。

つまり、虫のあのヒラヒラ飛ぶ蝶々の事を「てふてふ」って書いてあったりするわけですよね。当然読みにくいわけですよ。ですけれども、そういう読みにくいものをじゃあ何でわざわざ使うか・読んでもらうかと言いますと、逆に考えますと読みやすいという事は読みやすいように誰かが手を加えて加工したから読みやすいわけですよね。そのぐにゃぐにゃしたミミズ画みたいな字を活字に直してくれた人がいる。あるいは、てふてふと書いてあるのを読みやすいように「ちょうちょ」と書き直してくれた人がいるわけです。だから読みやすいんですよね。そういうものばっかりでやはり学んでいると、誰かが手助けをしてくれないと自分では何も読めない。何も分からない。というような事にもなってしまい兼ねないわけですよね。

極端な話をしますと、その書き換えた人が間違っていた場合にはその間違った人についていって同じように間違ってしまうという事にもなってしまうわけです。こういう事というのは、学園の理想である自ら調べ自ら考えるという事にはまったく反するわけですので、国語科としてはそういう風に他人に頼らなくても自分自身で情報を読み取って自分で判断力を持って判断出来る、そういう風になっていってほしいなという事を理想としています。

2. 教科に関する説明

国語科主任 江草先生より国語科について

実際に私は今年中1を担当して教えているんですけれども、志賀直哉ですとか芥川龍之介ですとかそういった大正時代の作品を中心に読んでいるんですけども、中1で入った諸君ですといきなり「お前たち、旧仮名使いを読めるようになれ。」という事で、てふてふとか読ませていたんですね。半年たった今でもばりばり中1でも読んでおりますので、そういう風にやってもしっかり生徒たちはこなせるぞという事ですね。

具体的な授業な話を申しますと、以前私は高校1年生の現国の授業を担当してた事があるんですが、その時に菊池さんという作家の「忠直卿行状記」という小説を読みました。今日は小学生の諸君がたくさんいらっしゃいますけども、菊池寛は知ってますでしょうか。芥川龍之介なんかも仲間だった面白い小説を書く人ですね。その「忠直卿行状記」というのは越前、つまり福井県ですね。その殿様だった松平忠直という徳川家康の孫にあたる人なんですけども、その人は悪いお父様だったというお話なんですね。

それを読んだんですが、その時に合わせて実在の人物である、その忠直という人が古文書だとどういう風に描かれているかというのを合わせて読んでみたわけです。

今いい時代になりまして、福井県の図書館が古文書を写真に撮ってインターネットで公開しているんですよ。だから自由に読めるんですね。そういう昔の人が書いた古文書を生徒に配って、生徒と一緒に苦労しながら一生懸命我慢しながら読んでいってたんですね。そうすると、小説に菊池寛が書いた忠直という人の人物像と、古文書に書かれている忠直の人物像が違うという事が分かるんですね。やっぱり違うんです。同じように悪い事の様なんですけれども、違う悪さなんです。そういう所を見ると、菊池寛という小説家がどういう風にそのキャラクターを描きたかったのかという狙いが見えてくるわけですね。

2. 教科に関する説明

国語科主任 江草先生より国語科について

国語の教科書なんかを見ますと、菊池寛という小説家について人間の心理を分析して近代的な解釈を加えたなんていうような非常に要領のいい説明がしてあります。その説明はもちろん正しいんですけれども、近代的な解釈を施したといってもよく分からないんですね。ピンときませんので。でも、そういう風に苦労して他の古文書なんかと比較してみると、こういう風に変えようとしたんだなという狙いがはっきり分かってくるわけです。だから我々としては、そういう教科書の、非常に要領良くコンパクトにまとめられた説明ではピンとこない部分まで自分で苦労して読み解いて見つけて分かっていってほしい、本当の意味で分かってほしいという事を狙いとしています。

以上のような本物教育・自ら調べ自ら考えるという方針の元に、高校2年生ではいわゆる大学のゼミ形式のような授業をやっています。つまり、各教員がテーマを設定しまして出席者20人ぐらいで分割授業というのをやっていくんですが、1人や2人でチームになってもらって発表を割り当てていって、「この事について調べて考えて皆の前で発表しなさい。」というような事をやっていますね。

今年高2も教えているんですが、今年の高2の諸君には明治から昭和初期ぐらいの新ポエムを学んでもらっています。1学期からずっと今2学期の半分ぐらいまでですけども、ずっと詩をやっているんですね。詩が嫌いな諸君には非常に苦労しているんだなと思うんですけれども、あまり音を上げずにそこそこ楽しんでやってくれているようです。

2. 教科に関する説明

国語科主任 江草先生より国語科について

そういう授業を、高3になるとさすがに大学受験も近くなって時間的な余裕もないですから、じっくり自分で調べて考えて発表するという事を集大成としてやってほしいな思ってやっております。その他の学年でどんな事をやっているかというのは、お手元の方の学校案内に簡単に書いてありますので後程ご覧下さい。

本物教育という事で言いますと、通常の授業の他に毎年中3は歌舞伎教室というのを校外に見に行って本物の歌舞伎を見てもらっていますし、3年に1度はこの大講堂に京都から大蔵流の狂言師の方に来て頂いて、身近な所で舞台をやってもらっています。先日残念ながらお亡くなりになってしまったんですけれども、茂山忠三郎さんという素晴らしい役者さんがいらっしゃいまして、その方々なんかにも来て頂いておりました。

最後に、入試について国語科の方からいくつか申し上げたいと思います。

まず出題の素材についてなんですけども、武蔵の国語は物語しか出ないという事は、真しやかりに言われておりました。ただ、過去の学校説明会ではその年の主任の方からジャンルは一切決めておりません。物語でも説明文でもふさわしい物があれば何でも出しますよという事を申し上げていたんですが、ずっと長らく物語が続いていたのでそういう誤解が生じてしまいました。

ところが、前回の入試では久しぶりに説明文を出しましたので驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。ただ今後も、私どもの基本方針としては物語であろうと説明文であろうと適当なものがあれば出題をするつもりでおりますので、どちらかなという風にはお考えにならないで下さい。

出題の方式としましては、例年通り変えるつもりはありません。つまりは、長い文章を1題出して記述中心の解答を書いてもらうような伝い。これはもう、基本的には変わらないと思って下さい。

2. 教科に関する説明

国語科主任 江草先生より国語科について

入試については、細かい注意事項が資料というお手元の方にございますものにも書いてありますのでそちらも後程ご参照頂きたいのですが、国語について特に気になる事を申し上げておきますと、よく毎年個別相談会でもあるご質問なんですけども、「漢字はどれぐらい使って答案を書けばいいんでしょうか?」というものがあります。漢字については、国語科としては1文字2文字誤字があったところで致命的な減点をするつもりはありませんので、誤字を恐れずに、小学生が書ける漢字については思い切って書いてほしいというのが国語科の気持ちです。ただ漢字について言いますと、漢字の書き取り問題ですね。これは過去問をご覧頂いた方はお分かりだと思うんですが、近年はほぼ毎年出ております。ですので、今後も漢字の書き取り問題は出るだろうなという事をお考え頂いて結構です。ですから、そのつもりで漢字の学習はしておいて下さい。

そしてもう1つ。過去問をご覧になった方はご存じだと思うんですが、国語の問題は問題があってその横に余白があって、そこに自分の答案を書くというスタイルになっています。解答欄というものが無いんですね。罫線もありません。受験生の中には書きやすいようにするためなのか、自分で枠を作ったり罫線を書いてくる子がいるんですが、そのお手元の資料の方にもありますけれども、答案に直接関係のない事を書いてはいけないという決まりになっていますので、罫線や解答欄も自分で書かないようにして下さい。というご注意だけしておきたいと思います。

私からは以上です。どうもありがとうございました。

2. 教科に関する説明

数学科主任 村上先生より数学科について

こんにちは。数学科の村上です、宜しくお願い致します。

入試の話を先にさせて頂きたいと思います。算数の入試は、概ね四題大きな問題が記述式となっております。これも概ねという形ですけれども。つまり計算には、「その途中で考えた事も書きなさい。」という事を皆さんに要求しています。そういった事を言いますと、例年どこまでどういう風に書いたらいいのかと、きちっとトレーニングしておかないといけないのかという事を心配なさるご家庭が多いわけなんですが、これは先に申し上げておきますけれども、特に準備は必要ないという風に思います。小学生の自分の思っている表現できちんと書いて下さればOKです。

あまりにも読めないという字では困りますので、丁寧にきちっと書いてほしいです。学科の教員で時には数人ばかり、皆で斜めにしてみたり縦にしてみたりしながら答案を追跡してみたりすることもありますので、そのぐらい丹念に読んでいますので、受験生の皆さんはとにかく一生懸命問題を解くという事に専念してほしいなと思います。あまり書き方にこだわらないという事が大切だと思います。論理的にきちんと書けるトレーニングというのは、中学校高校で一生懸命トレーニングしてもらえますので、今のところそこの部分は気を配らなくていいかなという風に思っています。

これから授業の話をします。ちょうど教科書2冊手元にあったものを持ってきたんですけれども、代数1という武蔵の中1に入りますとこういう代数の教科書を一冊。それから、これは中学の幾何という3年間中学校で使う教科書なんですけれども。この代数分野と幾何の分野。この2つに分けて勉強をしていく事になります。概ね週5時間ないし6時間の勉強になっていくわけです。

2. 教科に関する説明

数学科主任 村上先生より数学科について

幾何のお話からしますと、例えば小学校の頃三角形や四角形の勉強をしてきたと思いますけれども、いきなり幾何の勉強に入りますと、定義2と致しましてすべての直角は相等しいと解きます。これを証明しましょう。至るところに直角に見えるような角度ってたくさんあると思うんですけれども、この直角が全部等しいこと・自分たちがある一定のルールを決めたうえでそれを示す・成り立つことを示すなんていう勉強から始まっていきます。当たり前の事じゃないかということで、だいたい証明する気に最初はならないんですけれども、学んでいく間に意外とこれ自分の事ではないな、明らかな事じゃないなという風に覚えてそこから数学的な考え方の基礎というようなものが出来てきますので、そういった事に取り組んでいってもらうという形に慣れてきます。

週2時間中1~3とありまして、中1~2では平面幾何、中3では主に立体幾何について学ぶと。かなり世の中の学校と比べても幾何学の勉強に重点を置いた学校であるというように申し上げる事が出来ると思います。

代数の方ですが、小学校の場合には整数や分数、少数といったようないわゆる有理数と言われる数の勉強を主に掛け算・足し算・割り算・引き算というように勉強しながらやってくるわけですけれども、そういった勉強というのは算数の特徴のなんですけれども、問題を解くのに使いながらその数の性質を知っていくと。解きながらだんだん分かると。使わないといつまで経っても分からないんですね。小学校の頃、初めて勉強した時に5/7は何かとか最初は書き方自体分からない。どう表現していいか分からないというのも、いつの間にか今は自由にそれを計算の材料に使える、そういった事も起きてるわけです。

2. 教科に関する説明

数学科主任 村上先生より数学科について

算数その物は基本的にそういう形を通っていきますので、とにかく目の前に現れた概念を敬わらずに受け入れて勉強していくと。計算をしながら問題を解けた時の喜び、嬉しさが分かるお子さんであればどんどん伸びていきます。逆に取り組まないで、ただ眺めているという勉強するお子さんだとなかなか伸びないという風になってしまいます。

ここで申し上げたいことは、先ほどから本物教育というものが出ているんですけども、算数・数学はよりシンプルでで、先生が授業の時に持ってきた話題や内容について面白がって取り組んでくれる子供という事ですね。代数においても幾何においても一生懸命取り組む子供でないとその良さが分からない。

武蔵高等学校中学校には専任教員10名。それから非常員の教員が4名。計14名の数学科の教員がおりますので、これを中高6年間の間に生徒さんの立場からみると、上手く利用して頂くと。気の合う先生を見つけてもらって、どんどん相談・ご質問に来てほしいと思います。色んな素性の教員がおりますので、それぞれの数学への取り組み方は違います。我々教員の間でも、ものすごく厳密に数学に取り組む教員もいれば、僕のような問題を解かせるように楽しい方に攻めていこうという教員もいますし、結果は同じなんですけども、自分の合う教員を上手く見つけてそういった教員と手を取り合って相談しながら6年間勉強していってほしいと思います。数学科研究室に来ればいつでも誰かしらの教員が待っていますので、誰でも相談出来るという利点もありますし、ぜひ上手く利用して頂いて6年間数学を勉強していってほしいと思います。

数学科の方からは以上になります。

2. 教科に関する説明

社会科主任 本田先生より社会科について

皆さんこんにちは。社会科の主任の本田と申します。宜しくお願い致します。

私は社会科主任と共に高中図書館の図書館長も兼務しておりますので、話の中で少し図書館の宣伝もさせて頂きたいなと思います。中学1年生にこの話をすると、先生やっぱり偉いんですねと言われるんですが、生徒の前では「そうだよ。だから僕の言うことは授業ではしっかり聞かないといけないよね。」とやっています。ただ先ほど皆さん、事情を把握されているかと思いますので、長い時間これからまだ理科・体育・英語と続きますのでリラックスして話を聞いて下さい。

まず、社会科のカリキュラムなります。先ほど数学科の方では入試問題から入りましたが、社会科の場合は社会科の特色・カリキュラムを先に話した方がおそらく入試の事も分かってもらえるんじゃないかなと思いますので、カリキュラムの特徴から話をしたいと思います。

まずカリキュラムとしましては、中学校は大きく社会Ⅰ・社会Ⅱという風に分けてやっています。もう少し詳しい事はパンフレッドに書いてあるんですが、おおざっぱに言うと社会Ⅰの方が日本史で、社会Ⅱが世界史をやっています。普通他の学校だと、地理や歴史や公民という風に教科を分けてやるかと思うんですけれども、あえてここでは同語的に社会Ⅰという事であれば日本の事を総合的に、社会Ⅱの方は世界の事を総合的にやるようにしています。なるべく生徒は中学生の間、社会訓練とかを楽しんでもらえるように授業を考えているつもりです。

2. 教科に関する説明

社会科主任 本田先生より社会科について

例えば社会Ⅰの歴史分野であれば、遠山の金さんを扱ったりする時があって、そもそも彼は本当に居たのか?とか、桜吹雪はあったのか?とかそういった所から当時の社会背景を皆と一緒に考えたりしますし、場合によっては地理的な面で言えば砂糖の事やチョコレートの事を通して世界の繋がりを見たりもしますし、これからは今まだやっていないんですけども、アフリカの事をやろうかなと思っていまして、アフリカのカメルーン北部に小さな地域があるんですが、そこは20以上の部族か一緒になって生活していらっしゃって、どうやって20以上の部族が一緒になって生活できるのかなというのを中学生と一緒に資料を見ながら考えていきたいなと。

それに対して高校生の方はどうかと言うとですね、比較的オーソドックスになっています。世界史・日本史・地理・政治経済・倫理を系統的に行っています。教科書を掘り下げながら各自の専門を生かしながらやっているようにしています。

¬本物という点では歴史分野では資料に古文書等を読むことがありますし、地理分野では地形図を見ながら例えば中1なんかは家の周りをグルグル何度も周ってもらって、探検しながら古い地図と新しい地図とで何が見えてくるかというのをやったりもしています。

特に社会科の特徴としては、とにかく生徒に試行錯誤してもらうように自分で考えながら物事を進めていくそういう力をつけてもらえるように、工夫をしているつもりです。1つ例を出すとすると、昨年度から始まったんですが中学3年生に卒業論文を書いてもらうようにしています。幸いこの学校は、先ほど校長の話にもありましたが図書館内の図書の数が非常に多いんですね。先ほど具体的な数を校長が申したので繰り返しませんが、ただ数だけじゃなくて私も同じような学校をいくつか講師で周った事があるんですが、ここに来て驚いたのが内容ですね。数だけじゃなくてその専門的な本を見たときに、ここはちょっと違うなという風に思いました。

2. 教科に関する説明

社会科主任 本田先生より社会科について

こういった話をすると、うちの子はレポートとか論文なんて書けるかどうか心配ですというような話を聞くんですけれども、大丈夫だと思います。去年の中学3年生も最初は非常に突っ込みどころ満載のレジュメを持ってきてくれました。私も知りたがり屋なので、何でもかんでも聞いてしまうんですね。そうすると、終いには質問攻めをしてしまって生徒が半べそかいてる状態になってしまうんですが、やってしまったなと思いながら大勢に同じ事をしてしまいます。ただ生徒は、自分が言ったものを知らないという事をおおよそ言った所で初めて知るようですし、担任に自分の意見を否定される事ではないですが、別な見方をされたりするという点ではいい経験にはなっているんだなという事は感じています。ただ、それでも出来ない、出来ないと言いながら全員が卒業研究を書いてくれました。中には、夏休みや平日学校がない時を利用して30件以上一生懸命やってくれた子もいます。途中で助ける事はあるんですけども、なるべく彼らに時間をかけてでも一生懸命自分でやってほしいなといった事を工夫しながら授業を進めています。

さて次に入試問題についてですが、社会科のテストは、内容は我々社会科教員からのメッセージだと思って頂けたらなと思います。我々社会科の教師が、面白いなと思ったものをなるべく面白く分かりやすいように文章を作って解説しながら一緒に考えてほしいと思いながら作っているものです。

2. 教科に関する説明

社会科主任 本田先生より社会科について

例えば一昨年の問題で言えば人口の問題があったと思いますが、これも総務省の統計局のホームページからデータを持ってきたものなんですが、1番最初の☆の問題は東京都の人口より新潟県の人口の方が多かった事についてですね。そういった所について何でだろう?と考えてほしかったですし、それから去年は石炭産業・エネルギー問題についての問題でしたが、今年ユネスコの記憶遺産に登録されている山本作兵衛さんの画を出しました。我々あの画から当時の社会の様子を考えてほしかったんですが、まさかそういったユネスコの記憶遺産に登録されるとは思っていませんで、我々が彼について知っている事は彼が年間200升以上日本酒を飲むという大酒飲みで、1升瓶が1.8リットルなので1日1リットル飲んでるんだとそれぐらいしか知りませんでしたが、社会科の問題が変わっていると世の中に思われていると自覚はあるんですが、勝手に私の解釈ですが変わってるというよりも一歩先を見ていたのかなと自画自賛の問題にしていると(笑)

本校の入試の問題の特徴としては、問題が地理とか歴史とかっていうように分かれてはいません。過去問を見て頂けたら分かると思うんですが、先ほども中学生のカリキュラムの所でも申し上げましたが、そもそも社会科という科目が扱う内容というのは複数の学問分野にまたがっている学才的な問題が多いかと思いますので、あえて1つ1つ分けるというのではなくて、総合的に捉えていこうねという皆へのメッセージだと思って頂けたらいいと思います。

そういった社会科の入試問題の勉強法といたしましては、とにかく小学校の教科書をしっかりやってほしいなと我々も見ています。当然単語だけではなく、語句だけではなくその事実関係内容をしっかり頭で理解してほしいなと思います。その中で歴史的な視点や地理的な視点を考えながら、入れながらいっていければいいんじゃないかなと思います。

2. 教科に関する説明

社会科主任 本田先生より社会科について

それから、本番の時はぜひ問題をよく読んで下さい。内容その物は恐らく初めて聞いたことばっかりするかもしれませんが、なるべく優しく解説しているつもりですので、丁寧に読んで下さい。

そして満点は難しいかもしれませんが、文中にかなりヒントになる事が絶対書かれているはずなので、それをよく読んで小学6年生なりに考えてもらって自分の言葉で書いてくれると、だいたい合格点はいくんではないかと思います。

それから個人説明会の時によく受ける質問なんですが、時事問題が毎年出るんですか?と言われますが、特に意識していません。ここだけの話。歴史をみる意味を考えるとすぐ分かるんではないかと思うんですが、今起きている事を考える際にそれまでに起きた事を見て解決策を探る。この後どうしたらいいかということを探る時に過去の問を見る時もあると思うので、歴史の時を見ているときは、若干将来的には何を考えたらいいかという繋がりを持ちながら、自分でみて考えてくれれば自ずと時事問題というのは出来てくるんではないかなと思います。なので、特別に意識してるわけではありません。

それから漢字についてですが、先ほど国語科で出たような事だと思って頂ければいいと思います。出来る事であれば漢字は書いてほしいですが、当然小学6年生で習っていない漢字もあると思いますし難解な漢字もあるかと思いますので、徳川家康を漢字で書けないとちょっと困るかもしれませんが、なるべく間違っても漢字で書いてくれれば特に記述が多いと思うので、それだけで0点になったりする事はないと思って頂いていいと思います。

あと字の読みやすさですが、私は今のところ読めなかった字はないですが、ほかの教員は分かりませんが先ほど国語科で出たようなミミズがかったような変体仮名で書かなければ何とか読めるんではないかと。ただ出来れば、丁寧に書く練習はしてほしいなとは思います。

最後になりましたが、是非ほかの科の入試問題も工夫されていると思いますが、社会科の入試自体楽しんでほしいなと。ぜひそういった受験生に入ってほしいなと思っていますので、よろしくお願いします。

2. 教科に関する説明

理科主任 西山先生より理科について

皆さんこんにちは。理科の西山と申します。

私の理科の話としましては大きく3つほどあります。1つ目が武蔵の理科についてです。それから入試の事について。それから最後は理科は離れまして私の簡単な教育観ですが、そういったものを話そうかなというように思っております。私の方では大きな事についてご説明申し上げます。そしてまた細かい事、お聞きたい事がありましたらとりあえず相談会の方で質問を受けさせて頂ます。

武蔵の理科は中学・高校で多少違うところがありまして、中学では特に観察とか実験とか実習といったものを重視しております。先ほど校長の方からも本物教育と言っておりましたけれども、保護者の方は私と同い年ぐらいの方が多いと思いますけども、天の川子供の頃見えましたよね。今見えないんですよ。とてもかわいそうだと思うんですよね。私は東京の青梅で生まれ育ちましたので、上を見れば天の川がその頃見えてました。そういったものを全然知らないで天の川何だかんだと言ったって、やっぱり子供は机上の空論だなっていうのを思うんですよね。だから色んな事を体験させてやりたいな、それが中高一貫の良い所かなと思います。つまり高校入試のための受験勉強が必要ないんですね。まぁ普通に勉強してれば高校行けますので。中学ならば受験勉強する事なく、色々な事を体験させたいなと思っております。それが中学受験ですとか天文実習、それから中学の場合は週2回ですけども、毎時間毎週のように実験が入る。それについてレポートをまとめたりですとか、ディスカッションする授業のようなものも入ってきます。その中学の間に自然科学に対する興味ですとか、自然科学の実験からどういう風にして考えていくのか、方法とかそういったものを学んでいきます。

2. 教科に関する説明

理科主任 西山先生より理科について

そして、それを元に高校に行きますともちろん実験実習なんかもあるんですけれども、発展させまして大学以降も使えるような教育を。私はこの学校第一印象は本当に壁があるんですね。お子さんにも大学ではこういう事やるという事は言いますけども、それがないといきなり何にも道具も無しに断崖絶壁に上れ、今まで本当にハイキングのようなコースで行っていたのがそんな風になると思いますので、その辺の所を踏まえて高2~3辺りでは授業するような形になってると思います。

たぶん、他の教員もそうではないかなと思います。理科の教員が全部そうかすら分かりませんけれども、私自身は自分が授業楽しんでます。俺の授業だといつも言ってますので。じゃあ何が楽しいか。目の前で理科の実験が出来るんですよ。社会出来ないんですよ(笑)

今から、酸化銅と黒い炭素を還元するというそれだけの事です。こんな事言ってどうでもいいんですけども、言いたい事は何かと言いますと、こんなのは教科書だとかに載ってます。参考書とか教科書だけ見て分かった気になったって面白くないんですよね。何が楽しいかって、やってからにしましょう(笑)

~実験の披露に入る~

はい、ありがとうございます。それで、私自身この実験楽しいんですよね。ご覧になったかと思いますけども、銅と酸化銅でピカッと光ってマグナムのような物が見えるんですが、それを生徒たちに観察させるともちろん声もあげますし気体が出てきたりなんかして彼らも面白いって言ってくれるんですけど、それはもちろん私が面白いと思った実験をやらせて誰かにも「おおっ」と思ってほしいんですね。酸化銅から銅が出来てはいるんですけども、その答えだけ知ったって全然楽しいか私は思わないですよ。その過程で、実は今日うまく行くように炭素粉末を昨日から水分飛ばして乾燥させます。そういう事をしませんと、うまくいかなかったりいったりする事もあります。それは失敗してももちろん構わないと思うんですけども、今日はうまくいってほしかったですが、そういった失敗をしながら「じゃあ何がうまくいかなかったんだろう」って繰り返して何かこうしようという、そういった所に理科の醍醐味があるんじゃないかと思いますので、やはり実際にやってみること。それを中学の間に私たちは彼らに体験させる事を重視しております。

2. 教科に関する説明

理科主任 西山先生より理科について

では、次に入試の事についてです。理科の方で申し上げたい事は、小学校の授業を大切にして下さい。どんな勉強したらいいんですか?という風な質問を受けるんですけれども、小学校の先生の話をよく聞いて授業をしっかり学んで覚えて理解してほしいなと思います。目の前にいる人をきちんと大切にして、こんなの塾で勉強したからどうでもいいやっていう事ではなくて、先生の授業をきちっと聞いて下さい。私がお客さんを目の前に携帯が鳴ったからといって、そちらを優先するっていう事とかすごく失礼だと私は思います。もちろん切るのが礼儀でしょうけども、皆さんも今そうなさっていると思います。目の前にいる人を大切にしてるはずです。ですので、小学校時代の授業・先生・友達それを大事にして下さい。難しいレベルの問題は出していないつもりです。中学校高校じゃなきゃ勉強してないような事は入試問題には出しませんので、小学校の授業を本当に大切にして下さい。

そして他の教員も言っていましたが、問題文をよく読んで下さい。何についてこうこうこうしなさいとか、何について手書きで書きなさいっていうような設問が多いと思います。例えば、「色について書きなさい」と聞いて「こんな臭いがした」って書かれたらそれは問題の答えじゃありませんので、きちんと問題文を読んで答えてほしいなと思います。

それから漢字とかの事になりますけども、小学生レベルの事はきちんと出来ててほしいなと思います。上とか下っていうのをひらがなで書いても「う~ん」と思いますので、それは皆さん出来ると思いますのできちんと小学生レベルの事を学習して臨んで下さい。

2. 教科に関する説明

理科主任 西山先生より理科について

そして入試対策というわけではないんですけども、色んな事に興味を持って下さい。「なぜ?」とか「どうしたらいいんだろうな」っていうような事を常日頃思っていて、もし機会があれば自分の家で実験してみたりだとかそういう事を繰り返して受かったらいいんじゃないかなという風に思います。

最後になりますけども、私の教育観です。校長が私の先輩になるんですけども、話があって更に先ほどから共通すると思うのかなというものは、すぐにその結果を求めたりはしないですね。教育で人を育てるんですけども、教員も当然育てられてるんですね。生徒に。それは実はとても時間がかかる事なんですよ。皆さん私と同い年かもしれませんが、未だに親にここで言われてる事は知ってると思いますよね。まだまだ成長は実は続くんですね。お子さんたちは実際全部だと思いますけども、ここまで育てるのに時間がかかってきたと思います。まだまだあります。すぐなんて出来る事はまずないです。行ってすぐ出来るなんて宇宙人です。もう地球人じゃないです。人間はそんな簡単に出来ないんですよ。ですから、本当に時間がかかるという事を自覚して頂きたいなと思います。それで、人を育てるのと物を造るのは全然違います。ばらつきがあって当たり前です。製品じゃないんですから。それを100%求めるようなそういった考え、そういった教育観が少しはびっこりつつあるんじゃないかなというのが、私の危惧です。

効率あるいは経済的、そんな事ばっかり追い求めるようになる事は、私はちょっと嫌だなと思ってます。私がこの仕事に就いてる事は誇り、本当に大好きです。お金だとかそういった事ではなくて。いつか卒業生がやってきて、先生が授業であんな事言ってたなとかそんな事言われると私嬉しいんです。世の中の役に立ってるかどうか分かりませんけども、少なくともその彼らの役には立ってるなという風には思っています。それはお金とかには変えられない事ですけども、そういった事を考えた時にすぐに結果を求めない。数値を求めない。長い目で子どもを育てて見守る。手を出したい所はぐっと堪えて、やり方は見せるけども後は子供に任せる。長い目で子どもを見ていく。そういった考え方に共感して頂ける方に来て頂けたらなという風に思います。

すみません。長い話になりましたけども、どうもありがとうございました。

2. 教科に関する説明

体育科主任 大西先生より体育科について

皆さん、こんにちは。体育科の主任をやっています大西です。ここまでは入試に関係する教科ですので緊張されているかもしれませんが、これからは入試には直接関係ありませんのでリラックスして聞いて頂きたいと思います。

体育に関しては、私からは武蔵が勉強するだけではなくてスポーツも思いっきりやりたいという生徒さんにとって非常に良い学校であるという事を話したいと思います。その大きな理由は3つあります。

まず第一には、校長の話にもありましたが、色んなスポーツをやる生徒が非常に充実しています。人工芝のグラウンドを始めとして、体育館その他トレーニングルームですとか色々あります。例を挙げますと、プールですね。武蔵には大学のプールと高校中学のプール2つあります。大学のプールは室内プールで、ほぼ1年間通して使えます。高校中学の中では授業で中1が主に使っています。1学期そして2学期もほとんどやっています。このプールは床が上下動出来るんですね。ですから、やりたい事によって例えば2mぐらいの深さにして足がつかないような状態で泳がせたり、あるいは1mぐらいにして足が立てるようにというような事で使っています。それから高校中学のプールは屋外なんですが、水を温める事が出来ます。ですから、部活動なんかではまだ使っていますね。たぶん11月いっぱいまで使えるんじゃないかと思います。ここは主に授業では中2が使っています。この中1~2で非常に水泳の割合が多くなっています。それはまた後で説明しますけども、中2で海浜学校があります。今プールの話をしましたように、その他にも色んな校地施設があります。それが第一の理由。

2. 教科に関する説明

体育科主任 大西先生より体育科について

それから2つめの理由が武蔵野行事。スポーツに関する行事がたくさんあります。その第1が、例を挙げるとすると授業でもあるんですが、今お話しした海浜学校。残念ながら今年は震災の関係で中止しましたが、恐らく来年からはまた再開すると思います。この海浜学校ではまず遠泳をやります。上級班ですと1時間半ぐらいで沖につきます。下の方でも30分ぐらいですかね。そういった遠泳。それから、着リレーというものをやります。これは服を着たまま沖で船から飛び込ませて浜まで泳いだりとか、皆さんニュースでよく聞くと思いますが、ちょっと前にあったのが女性が3人か4人海で遭難して1日彷徨って助けられたっていう事がありましたけども、要するに海ですとか湖とかそういう水の事故にあった時にどうやって身を守るかという事で、例えば着てるものを器具っていうんですね。そういう着てるもの・器具の使い方ですとか、そういう事もやっています。

それからもう1つが、これは色々な学校で海浜学校あるいは臨海学校をやってると思いますけど、恐らくうちだけじゃないと思いますけど、さらにやっています。これは海というのは当然波。非常に静かな時もありますけども、うねりや波が大きくなる時もあります。波の力がどういった力があるのかっていう事を体験してもらいたいという事でその波の力を利用したスポーツなんかですね。そういった意味で昔から昭和40年ぐらいからサーフィンを取り入れてます。こういった行事に概要されるように、その他体育祭、強歩大会、あるいはスキー教室そういったスポーツ行事があります。

2. 教科に関する説明

体育科主任 大西先生より体育科について

それから3番目に、こういうスポーツを指導していく教員ですね。非常に優秀な教員がそろっております。体育科はもちろん、例を挙げますと体育科の今一番年齢が上の教員が61歳です。陸上競技を専門にしています。その先生が7月にアスカルという大会があるんですが、世界大会ですね。アメリカで行われたんですが、ほとんど3番トップ優勝しました。金メダルです。なでしこと一緒ですからね。なでしこに比況をとらない金メダルです。そういった先生もいらっしゃいますし、その他にもそれぐらいのスペシャリストがいらっしゃいます。先ほど行事の話をしましたけども、体育祭では毎年多くの先生たちが参加して頂いて、生徒たちと対抗戦をやってます。あるいは強歩大会。これは20kmから30km歩くんですけども、ほとんどの先生が生徒と一緒に歩きます。そしてスキー教室では、そういう一般の教科の先生方にも来て頂いて、実際に班を持って頂いて指導をやって頂いてたりします。最初に話しました、校長も今はやっていませんが、ちょっと前まで班を持ったりしていました。恐らく他の学校では、地元のインストラクターを頼んで指導してもらう事が多いと思うんですが、そういう形ですと生徒1人1人の性格だとかそういった事は分からないですよね。そういうのが分かったうえで指導が出来るという事で、スキー教室に関しては年に12月と3月の2回やっていますが、非常に人気が高くて抽選をしなければならないぐらいです。

以上の3つの理由で、武蔵という学校は勉強だけではなくてスポーツを思いっきりやりたいという、生徒たちにも非常に良い学校だという事が言えると思います。ぜひ来て下さいね。検討を祈ります、頑張って下さい。

2. 教科に関する説明

英語科主任 草場先生より英語科について

どうも、英語科主任の草場です。教科の説明は最後ですので、少しの辛抱でお持ち下さい。

英語科の基本的な考え方をお話しいたします。まず、とにかくバランスを重視していきたいという事を考えております。何のバランスかと言いますと、まずいわゆる4技能と言われているもの。聞くこと・話すこと・読むこと・そして書くこと。これらをバランス良く鍛えていきたい。極端にいきますと、読み書きさえ出来れば聞けなくなって話せなくたっていいじゃないかというような事もありますし、逆に音声が出来なきゃだめだという極端に走る場合もありますが、そうではなく武蔵野の英語の中ではその4つの技能をバランスよく鍛えていこうとそういう態度で行っています。

そしてもう1つが、学習者向けの教材と原典それをバランスよく使っていこうという事なんです。英語といった科目、まぁ先ほどから国語から色々と言われていますが、残念ながら学習者向けに簡単にした教材を使わないと最初はどうしても勉強出来ません。ですから、検定教科書も使っております。そういったものを使いながら徐々に力を付けつつ、それだけではなく、原書を使って実際の例えば科学論文を原書で読むなんていう事も、高校生になると行っています。あるいは文学作品を原書で読む。そういったような事をバランスよく考えながら行っております。

そして、まだこれから中学入試を迎えようとしているのに大学入試の事を言って申し訳ないのですが、残念ながら英語という科目はどうしても大学入試と絡んできてしまいます。今は、先ほどの校長の話にありましたようにイートンとの交換は終わってしまったんですが、かつてイートンから生徒たちが来ている時、高校2年生の教室に入ることがありました。そういう所で日本の大学入試問題をちょうど演習するような時間になって、イートンから留学生に解いてもらうと解けなかったりするんです。当然、入試用に作ってありますから、実際の英語の仕様とはかけ離れた問題が入ってしまう。

2. 教科に関する説明

英語科主任 草場先生より英語科について

そういう時に、入試をまったく無視して進めていくわけにはいかないものですから、多少入試の事も考えます。ただ、実際につけてもらいたい力は大学に入ってあるいは、社会に出て自分がやりたい勉強、やりたい仕事を英語を使って出来るようになる、そういった事を目指しています。ただし、それを両方バランスよくやっていこうという事を心掛けています。

皆とはもうじき入学という事になりましたら中学1年生の英語の授業を受けるわけですが、その時に今年から小学校から英語が必修になっています。今小学校英語では、文字を使わずに音声を中心に楽しく学習するという事になっておりますので、それをそのまま活かしてもらいたい。そこでネイティブスピーカーの授業を、中1の授業では取り入れています。小学校で鍛えた英語の聞いたり話したりする力を無駄にしないで、そういった事を考えています。英語を使いながら、英語を学び、そのために週5時間、分割と言いまして1クラスを2つに分けておりますので、実際には1クラス22名の授業で週5時間びっちり勉強していきます。小学校時代は文字をやらない事にはなっていますが、中学に入ったら当然文字をやっていかなくてはいけません。そういった時に、発音が出来れば、それが綴れる。綴りを見れば発音出来る。

そして読む力がついてくると、今度は多読と呼ばれている作業を取り入れて英語力を伸ばそうとしております。今多読というのは非常に流行っておりまして、中学校あるいは塾、あるいは大学でも取り入れられているんですが、武蔵ではずいぶん前から多読を取り入れております。多読というのは何かと言いますと、学習者向けのこれは原典ではありません。原書は使いません。学習者向けのレベル別に分かれた教材を使って、生徒が自分のレベルに応じた自分の興味にあった本をとにかくいっぱい読もうとそんなような事を心掛けています。そうする事によって、自ずと語彙力もついてきますし読む力もついてくる。そしてインプットが入ってくると、今度はそれを書く時にも使えるようになると信じてやっております。

2. 教科に関する説明

英語科主任 草場先生より英語科について

そのあと高校に入りますと、文法的な理解という部分が大切になってきますので、文法の力もつけて、本格的にプレゼンレーションするための英語。これは主にネイティブの先生たちが担当しますが、少人数あるいは大人数を相手にプレゼンテーションするにはどのような事を考えればいいのか、どういう英語を使えばいいのか、実際にプレゼンテーションを行うような授業をしております。その他にも本格的なライティング。これは単純な和語訳ではなく、実際にエッセを書くというような事を行っております。この指導にも、ネイティブスピーカーの先生方に協力してもらっております。かつて一番鍛えていた時期には最終的にA4で10枚のエッセを提出するなんていうような事をやっていたこともあります。

それからこれは選択者に限るんですけども、高校3年生。今もちょうど練習のまっさかりだと思うんですが、英語演劇などを授業に取り入れています。英語演劇というのは本当に演劇です。だいたい60分から長いと90分ぐらいの演劇を最終的に保護者あるいは生徒たちの前で発表するというような事をやっております。非常に熱心だった子たちは自作したいと言って自分たちで脚本を書き、しかもミュージカルにしたいと言って歌って踊る、そういうような脚本を書いて本気でミュージカルを上演したなんていう子たちもいます。このように興味に応じて色々な形式の授業を取り入れていますが、いずれにせよバランスよく力を鍛えていってもらいたいなと思っています。

よく出る質問に海外からの帰国生の特別クラスはあるのかと聞かれますが、それはございません。先ほども言いましたけれども、英語を使いながら授業をしていきますので、そういう中で帰国の子たちは自分の力を発揮してクラスをリードしていくようなそんな存在になってもらえればと思っています。その後も、プレゼンテーションあるいは本格的なライティングあるいは英語英劇のような授業の中で選択授業の中で力を発揮していかなければと思いますので、現状では特別なクラス編成というのは行ってません。

2. 教科に関する説明

英語科主任 草場先生より英語科について

そして、結局我々が目指している事は総合的な英語の力です。何か1つ読めるけども他の事は出来ない。聴けるけども他の事は出来ない。そうではなくて、本当に総合的に英語の力をつけていってもらいたい、そう思っておりますので、総合的な英語力の育成、これは第一に目指しております。

そして、入試。大学入試を当然意識するんですが、最終的な目標は入試ではなく入試を超えた英語。先ほども言いましたように、自分の研究に使う。あるいは仕事に使う。そういう英語力の育成をしていきたい。その途中で、どうしても言葉としての英語にも興味を持ってもらいたいなと思ってます。どうしてもコミュニケーションの道具です。そして、英語には文化的な背景もあります。そういったような言葉としてあるいは文化としての英語、そんな事を楽しんでもらいたいなと思ってます。日本語の中にも日本語だと思っていたのに、英語あるいは外国語から入ってきてそれがすっかり日本語になったものというのもたくさんあります。そういったような所にも十分注意を受けてほしいなと思っています。例えば、先ほど数学に出てきた「幾何」。あれも外国語からやってきてますよね。どういう言葉からやってきたか。興味のあるお子さんはこれから家に帰って調べてみるといいと思います。幾何学と呼んでいますが、あれは外国語からやってきた中国を経由して日本に入ってきているので、英語の単語をよく見るとどうしてこんな言葉があったのかというのが分かります。そのように文化的なこと、あるいは言語的なこと、そういった事を全てひっくるめて総合的な英語力をつけて頂きたい、そう思いながら英語科は授業を行っております。

そして今、小学校で英語の授業を受けている小学生の皆さん。小学5年生6年生で英語が必修になっていますが、ぜひ英語を楽しんできて下さい。勉強だとは思わずに、何か英語って楽しいな、こんな事が出来るな、英語が分かるようになったな、そんな気持ちで中学に入ってきてほしいと思います。その気持ちを活かしたまま、更に英語力をつけていく。そこは我々に任して下さい。ですから、小学校の頃から無理して英語の勉強もしなきゃ、そんな事は考えなくて良いです。今は、とにかく楽しんで勉強する。まぁ勉強と思わないで下さい。英語を楽しんで体験していると思ってそのまま十分に英語の時間を楽しんで来てもらえれば、後は我々が引き受けます。では、随分長くなってしまいましたので、これで終わりにします。どうもありがとうございました。

3.教頭 大橋義房先生より 学校生活と入試全般について

大橋と申します。担当教科は数学です。今までの雰囲気を変えまして、学校生活それから入学試験全般にお話ししたいと思います。

学校生活について

中学高校に壁はございませんので1つの学校と考えて頂いて良いのですが、授業が始まる始業は1年を通して8:20。世間一般の学校からするとちょっと早いかもしれませんが夏冬変わりなく8:20です。

学校の形態は、いわゆる朝のホームルームあるいは帰りのホームルームというのは一切ございません。クラスでの会合の時間は、週に1時間用意してあります。いわゆる朝・晩の集いのようなものは一切無くて、必要があれば授業の支度をして然るべき所に。例えば1限がプールの授業であれば、1時間目に水泳が出来る格好をしてプールに向かう。何となく大学の授業のような感じではありますが、これは言ってみれば自己管理の意識で時間をきちっと自分なりにまとめてもらいたいという想いも兼ねてこういう形を取っています。

それから、学校は各学年1クラス40人余りの4クラス。これは中1から高3まで変わりません。そして担任。この学校では担任の事を組主任と言ってますが、組主任4人が学年全体の授業に入って運営するという形になります。組の名前はABCDの4つなんですが、例えばA組の組主任は他のBCD組の副組主任という形で、4人とにかくまとめて学年全体を支えています。学年進行に伴ってはクラスの編成、友達同士とか主任担任とかというのは皆入れ替わることにしてあります。6年間の間に出来るだけ多くの生徒諸君同士、あるいは教員と触れ合う事が出来るようにという背景なんですね。学校によってはそのまま学年が上がっていくという所もあるようですが、この学校は基本的には6学年皆クラスそれから担任も変わるという事です。

3.教頭 大橋義房先生より 学校生活と入試全般について

学校生活について

授業以外の事で申し上げますと、部活動は何かしらのものに入ってもらえればと思います。特にこの学校は、どっかの部に入らなければいけないとか、あるいは2つ以上の部には入ってはいけないとかいうのはありませんので、活動の許容範囲で自分なりに時間管理が出来れば2つあるいは3つの部に入ることも可能です。部活動の良い所というのは、年齢を隔てて自分より年上の人年下の人6学年合わせて11学年ぐらいの人と付き合えるという事ですね。だからそういう事も大事なことではないかと思います。それから部活動だけではなくて、交友会。世間で言うところの生徒会ですが、それもこの学校は充実しておりまして、秋の記念祭、秋の体育祭、それから強歩大会。ほとんど生徒が主体となって企画から運営まで行っていて教員は出来るだけ表に出ないような形でサポートしていきます。

この学校の生徒と教師の間の関係というのは、授業はもちろん今申しましたように、部活動あるいは交友会活動さらには中1の山上学校、中2の海浜学校、そして高1の総合講座。そういったところで、普通の授業の時には見せないような顔でお互い付き合う。ある意味、密度の濃いものになっております。世間的には何かというと、武蔵の教師は面倒見が悪いという風に思われている分もあると聞きますが、実はそれは目に見える形でもってサポートしてない。つまり、体育祭の運営なんかも子供たちが体育祭の小委員長を始めとしてやっているんですが、実は体育科が目に見えない形でサポートしている。

それが、場合によっては全部生徒に任してやらしているんじゃないかという風に思われるかもしれませんが、体育祭をご覧になった方は分かると思いますが、生徒が運営するとどうしてもあまりテキパキいかないんですね。もっと教員が指導してやると時間的に出来るんですが、それでもやっぱり彼らの達成感と言いますか。そういうものを醸し出してやろうとすると、どうしても黙って見てる。だから我々が指導してやらないで黙って見てるというのも辛いものがあるんですが、しかし教育というのはそれが必要なんだろうなという風に思います。

3.教頭 大橋義房先生より 学校生活と入試全般について

学校生活について

学校というのはある意味社会の縮図だと思うんですが、ただ社会と徹底的に違う所は世の中ですとちょっと具合が悪い時、法に触れるような事をすると一時的に社会から排除されてしまうという事がありますが、学校の場合は言ってみれば人生の試行錯誤期間中でありますから、1度や2度の失敗ですぐに「じゃあ君はもうこの社会から出ていきなさい」という事は申しません。そういう意味からすると、失敗をするという事も学校の中では非常に貴重な体験なのではないかという気はします。まぁ同じような失敗を2度3度繰り返すのはよろしくないと思いますが、失敗から学んでもらいたいという事も我々としては考えております。

6年間で期待したいものというのは、まず1つは時間もそうですが自己管理能力というものを寛容してもらいたい。それから授業を通して、あるいはそれ以外の活動を通して、先ほどから色んな事を言われていますが、自分の頭で物を考えて行動するという事を身に付けてもらいたいと思います。会話的には武蔵の生徒はよく個性的であると言われますが、実はそれは人間の本来的には個性的だと思うんですね。それが学校によっては、学校の方針と言いますか枠にはめると言いますか。そういう形でやっていくものですから、何となく生徒全員を同じ方向に向かわせるというようなこともあるようですが、この学校は出来るだけ本人が持っている能力というものを引き出してやろう。この国はイメージ的には当時後進国だったという事もあって、枠にはめて一斉に教え知らすという事が教育だという風に思われていた節もありますが、その点の事を考えるとやっぱり教育というのは、本当は本人達が持っている。場合によっては本人が気が付いていないようなものを引き出してあげる事ではないかと。ですから、生徒1人1人が持っているものが全てその物考えれば、各自が個性的になって卒業していくというのはある意味当たり前の事じゃないかなという風に思います。

3.教頭 大橋義房先生より 学校生活と入試全般について

学校生活について

そうとしましても、ご氏族の教育というのは学校だけではなくてご家庭の協力も必要なので、それも是非お願いしたいと思っています。義務教育の義務というのは保護者の方にある意味という事なんですが、ただ義務だけではなくて私はご氏族を教育する権利もご家庭にあると思います。これは余計なお世話だという事で公の権力が介入してくることもあるんですが、本来教育の権利というのは国家にあるわけではなくて家庭にあるわけですから、それを十分お考えになってお互いより良いものを身に付けてきちっとした子にしてあげたいと思います。

3.教頭 大橋義房先生より 学校生活と入試全般について

入試について

それからちょっと話を変えまして入学試験についてお話をしますが、先ほどから入試担当科目の主任から申しておりましたが、どういうような教育をしようとしているかという意味での学校からのメッセージだと思います。ですから、我々としてもそういうメッセージが正しく受験生に十分伝わって我々が期待するような人達に入ってきてもらいたいなと思っています。ですから、例えば入試問題ですね。私も実は数学なんですが、ほとんど1年中何か数学の入試の材料になるものはないかなと考えているのが実状です。ある意味そういう試験の問題を通して、受験生諸君と真剣勝負が出来るというのも我々の教育の醍醐味かなという風に考えています。

受験資格ですが、パンフレットにも書いておきましたが、来年の入学試験は2012年の3月に小学校を卒業した人。そしてまぁ良い所の学校教育法の第1条による小学校ではない所から受験される場合は、必ず事前に事務室に問い合わせて頂きたいと思います。それから細かい事ですが、願書の受付の場合にはあまり朝早くから並ばないで頂きたいと思います。受験番号が早いからって良い事は何もありませんので、落ち着いて来て頂ければと思います。

3.教頭 大橋義房先生より 学校生活と入試全般について

入試について

それから試験は、筆記試験だけで国語・算数・理科・社会の4科目。配点と時間が、国語算数が100点で50分、社会の枠として40分、理科の枠として40分それぞれ60点。総点320点で成績は科目による制限はなくて、総点で決めています。ですから、あまり言えないんですが極端な場合、ある科目の点数が0点だったとしても総点で上の方から定員が含まれるという事なんですが、学校に入ってからの事も考えますと、どの教科も基本的な事柄はきちんと身に付けておいて頂ければなと思います。ですから、どの教科もしっかり勉強してきて頂きたいと思います。それから採点は先ほどから各教科から出ていましたが、複数の教師によって厳密な基準の元で採点をしておきます。答案は上手な字じゃなくても良いと思いますが、変な字。まぁ、最悪と言ってもいいような字で書かなければ頂ければと思います。

じゃあその入学試験に対応するためにどういう風に勉強するかという事ですが、一番大切なのは基本的な事柄を身に付けるということ。属に「学問に王道なし」と申しますが、骨が折れる事を厭わずに基礎的な事柄をきちっと勉強して頂きたい。記述式の問題が国語・理科・社会・算数。それの体操をどうしたらという事はとにかく多くの語を読む。まず読む。それから文章を書く。ですから、書かれている事柄を全体的に把握しながら読むという事は結構大変な事であります。ですから、どうしても習慣というのはかなり大事な事だと思います。それは単に受験という事だけではなくて、学校に入ってからも大事な事だと思います。

それから、好奇心を大事にするということ。これは何だろう?と思った時にそれは場合によってすぐ答えが見つからないかもしれませんが、そういうものを暖めておいて持っておいて頂きたい。武蔵に入ってからそういうものが何かを解決出来るようなヒントが見つかるかもしれないですね。それから、自分たちが生きている世の中に関心を持つこと。これはかなり大事な事だと思います。それはある意味自分たちが勉強した事柄というのを、最終的には世の中に還元していくという事ですから、自分たちが今生きている時代がどういうものであるかという事の興味を抱く。もちろん大人と同じような意味という事ではなくて、お子さんなり小学生なりのそういう問題意識というのを持って頂きたいと思います。

3.教頭 大橋義房先生より 学校生活と入試全般について

最後に…

これは最後に中等学校の教師として受験生諸君あるいは保護者の方に期待したいと思うんですが、入学するといった事がゴールではないんですけども、中学校に入学する事はある意味次なるスタートですから、武蔵の学校に入ったからって安心してしまわないできちっと勉強して頂きたいと思います。特に私が想うのが、最近の大学が専門教育というか実技教育し過ぎなんですが、じっくり落ち着いてある意味オールランプに物を考えられる時間というのは高校までなのかなという思います。ですから大げさに言うと、国民的な教養を身に付ける最後の場所が高等学校だとすると、やっぱりこの学校あるいはよその学校に入ってからの勉強というものを大事にしてもらいたいなと思います。

今年3月に起きました地震、原発事故というのはですね、ある意味私自身はこの国の在り方を変える大きな出来事になったんではないかと感じています。津波の予測だとか原発の危険性だとかについてラジカルな少数意見を持っておられた方もいたようですが、ただそういった方の意見があまり半年経って採用されなかったという事がありました。

やはり本当という意味での学問というのは、場合によると多数派にはならないかもしれないんですね。ですから、そういう場合でもこれは確かに間違いのない事なんだという想いがあった時には、別にその多くの人に併合するっていう事ではなくて自分の信念の赴くままに貫いて貰いたい。ですから、場合によると周りから孤立してしまうかもしれませんが、孤独に耐えられるような教養人になってもらいたいなと思います。ここにおられる方の何人かとまたそういう事で色々と期待しています。

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