中学受験の塾選び
中学受験をすることにしたご家庭がとる選択肢は3つ
- 集団塾
- 個別指導塾・家庭教師
- パパ塾・ママ塾(通塾せず、家庭での指導)
いずれかに入塾すること。
実際は、3はほとんどなく、1を選択するご家庭が多いのが実状でしょう。
1と2の併用も多そうです。では、それぞれの良い点・問題点を挙げましょう。
集団塾、個別指導塾・家庭教師、パパ塾・ママ塾の良い点・問題点
1.集団塾
良い点
- 仲間がいるので、通塾が楽しい
- 集団授業の中で、ほかの子の考え方や意見を聞いて刺激を受ける可能性がある
- 時期に合った受験情報が提供され、必要なカリキュラムが組まれていて、安心できる
- 定期的にテストがあり、自分の位置や実力をたしかめやすい
問題点
- ともだちトラブルにまきこまれやすい
- 授業を聞いていなくても、進む
- 授業中、わからないとき、質問しにくい
- 志望校対策が手薄(添削指導の不足)
- わが子に合った弱点補強がしづらい
- クラスの変動に一喜一憂し、本来の目的(志望校合格)と関係のない部分で精神的に振り回される可能性
- 下位クラスだと自分で自分に見切りをつけやすく、モチベーションが低下する
2.個別指導塾・家庭教師
良い点
- その子に合った指導ができる
- わからないことがその場で質問できる
- 志望校合格に必要なカリキュラムが組める
- 弱点補強ができる
- クラスの変動がないため、精神的に安定する
- 授業を聞いていない、ということがない
- 志望校対策が万全にとれる
- ともだちトラブルにまきこまれない
問題点
- 業者の当たり外れが大きい
- 指導者の質にばらつきがある
- 指導者の質にばらつきがある
- コスト高
3.パパ塾・ママ塾
良い点
- コスト安
- 通塾時間がかからない
- うまくいけば、親子の絆が深まる
問題点
- 受験に必要な知識にもれができる可能性
- 受験情報にプロのアドバイスが足りない点
- 親子関係が崩壊する危険性
- めりはりがなく、緊張感の持続が困難な点
- 教材選びがむずかしく、むだもでやすい点
- 受験一色で気分転換しづらい点
- 親子共にストレスがかかりやすい点
- プロに頼っていると得られる安心感がない点
ワタクシのお勧めは、当然、1と2。個人的には2です。(テストは他流試合をするように組めるのでテスト馴れ不足は補えます。)
良い業者、講師に当たるよう、早い時期から動いていると、長期にわたって信頼できる講師にお任せできるメリットもあります(まあ、手前味噌になりますが・笑)。では、一番選択するご家庭の多そうな集団塾選びのポイントをお話ししましょう。
集団塾の選び方
よく会社帰りのお父様が、遅くにパンフレットだけ取りにいらっしゃいますが、パンフの検討だけで決めるのは危険です。そこで!忙しいおかあさまのために、塾選びのポイント5カ条、お教えします!!!
集団塾の選び5カ条
- お子さんの帰宅時間から、通塾できる範囲にどんな塾があるか、ピックアップする。
- 実際、生徒のいる時間帯に、雰囲気を知るためにも該当校舎に足を運ぶ。
- できるだけ、校舎の責任者と話をする。
- できるなら休み時間までいて、通っている生徒の様子、スタッフの対応、講師の生徒への接し方を見ておく。
- 入塾テストを受けてみる。体験授業もあれば受けてみる。
1.当然ですね。ただ、6年時から時間は貴重ですが、お子さんに合った塾、信頼できそうな塾に出会えることはもっと貴重なことですので、通える範囲内の遠近は選択の考慮に入れない方が良いと思います。
2.塾によっては、モニターなどで授業の様子を見ることができます。 見るポイントは生徒の集中度。 特に後方や端の生徒さんに注目しましょう。そこが参加していなければ、人数が多すぎて、講師の力量が足りていないということです。
3.校舎は校舎長で決まると言っても良いでしょう。
合格を出す校舎は、校舎長に吸引力があります。
お話してみれば、仕事に対する熱意の有無はすぐにわかります。
また、校舎の合格実績を気にする方が多いのですが、大手塾の場合、講師の移動も多いので、あまり参考にはなりません。カリキュラムは変動しないので、校舎別より、塾全体の合格の傾向を見てください。
中小規模の塾の場合、そこのカリキュラムによる志望校の得意不得意がダイレクトに校舎の合格数に反映しますので、校舎による合格実績は参考にした方がベター。
4.休み時間は校舎の実態を知るのに、格好の時間帯。
単に騒がしいかどうか、ではなく(小学生の元気はあたりまえ)、生徒に対するスタッフや講師の対応をチェックしてください。
5.入塾テストや体験授業を受けたからといって、入塾の義務はありません。
実際の指導が味わえる体験授業は、塾選びの貴重な判断材料です。
帰宅後、お子さまの率直な感想を聞いてください。
体験後の講師の話もわが子のどこを見てくれているか、選択の判断材料として重要です。
通り一遍のことを言うようであれば、ハズレ。(「まじめにとりくんでいましたよ」「楽しそうでしたよ」「計算ミスしましたよ」的な抽象的かつ表面的な感想はいずれもいただけません。)
授業時の子どもの様子が思い浮かぶように具体的かつこまやかな報告をするなら○。
弱点とそれへの今後の対応まで話してくれるようであれば◎です。
入塾テストも塾選びには欠かせません。
その塾でのスタートが上・中・下位のいずれのクラスか、知っておいた方が塾選びの参考になります。
わが子の性格とあわせて、下位でも委縮せず、じっくりいこうとするタイプか、せめて中位にいないとやる気を失うタイプか、上位だと気後れするタイプか、など考察しましょう。
(注:Nでは、通常、初めから最上位クラスにはしません。どんなに出来るお子さんでも、上から2番目のクラスからのスタートです。もし、いきなり最上位なら、迷わず入塾を!大切にされます・笑。それくらい優秀と認められたということです。)
では、実際各塾、どのような特色があるのでしょうか?
実は春野家では、SAPIX、日能研、市進と3つの塾を体験いたしました。
実は個別も家庭教師も体験しております。元日能研講師としてのプロの視点から、それぞれの特色をお話しいたします!
各塾の特色はこちらをクリック ⇒
春野 陽子のプロフィール
日能研国語講師として、昨年度までの約10年間、主に6年生の中学受験指導を担当。
その間、長男(SAPIX)、次男(日能研→SAPIX→市進)の中学受験を体験。
2012年度から中学受験個別指導塾ドクターの株式会社ドクターに非常勤講師として勤務。