2024 山脇学園中学①|学校説明会レポート



山脇学園中学 学校説明会レポート(2024年05月31日)


山脇学園 校門
山脇学園中学の学校説明会に、受験Dr.吉祥寺校長の久米 光太郎が行ってきました。

創立100年を越えた伝統ある女子校であり、英語や理科の教育に力を入れている学校です。

東京メトロ丸の内線・銀座線「赤坂見附」駅より 徒歩5分
東京メトロ有楽町線・南北線・半蔵門線「永田町」駅より 徒歩10分
東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営地下鉄大江戸線「青山一丁目」駅より 徒歩7分
東京メトロ千代田線「赤坂」駅より 徒歩7分

2024年05月31日に行われた山脇学園中学の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は山脇学園中学ではなく、受験Dr.までお願いします。
©山脇学園中学

プログラム

山脇学園の志

西川 史子校長より、山脇学園の志についてお話がありました。

本校の今をご理解いただきたい。
校舎が赤坂にあるメリット、大学や教育機関や企業と協力しやすい。
全校生徒は東京都では多い方で1600人。
多様な入試を通ってきた多様な生徒たちがいる。多様性を大事にしている。22000人の卒業生がいる。旧短大を含めた広い校地があり、学びのエリアが豊富。建学の精神は「豊かな教養と品格を身につけ、高い志を持って社会で活躍する女性の育成」
校章はハート型に富士。ハートは優しい心、富士は高い志と徳を備えた人間性を意味している。
富士は凛とした美しい姿と高い志を意味する。社会で活躍する女性を育てたい。伝統と進化を大事にしている。

志について。1自己実現、2他者を思いやる心愛情厚意貢献。志は社会のために生かしてこそ。たくさんの志の種を無限に伸ばしたい。
本校の生徒は家族に愛されてくる、素直でひたむきな子が多いが、一方で与えられることに慣れていて、偏差値や保護者の言葉に思い込みを持っている。中1に道徳の授業をするとき、「私はこれが苦手だ」とか「得意だ」とか思い込まずにいてほしいという話を一番最初にする。
1中高時代は「志」の開拓期。まずは土壌を耕す。自立した学習者になるための学びの姿勢をとるセルフマネジメント。次に枝葉を伸ばす。探究活動をやっていく。志が決まっていく。そこに向かって自走する。後輩たちに何を置いていくのか考えていく。6年間のクラス編成を工夫 している。
2社会で活躍できる人を作りたい。知性と人間力のかけ算でどちらかが低いと活躍できない。総合知、非認知スキル、マイステージを大事にしている。

総合知とは本校ではサイエンスと表現、プログラミングなどの多様な知。非認知スキルとは、どうやったら自分がご機嫌でいられるか、他者をご機嫌にできるのかということ。マイステージでは生徒たちがステージに上がる場を作る。部活動行事だけでなく、大学・企業・地域とつながりを持って、課外活動をやってもらう。思い込みの枠やルーティンを外して活動してほしい、いろいろなコンテストを用意している。ステージを受け評価を受け次にいく。生徒たちには1勝0敗より3勝7敗の方が成長できると話している。生徒たちが自分でいろいろなコンテストを見つけて挑戦することも多い。去年SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定された。本校の教育が評価された、本校が育てることにどれほどの恩恵が与えられるかを考えて嬉しかった。グローバル社会で活躍するサイエンティストの育成を行っている。理系の生徒だけでなく。学び合い進化し続ける教員組織を作りたい。校長が変わると別の学校になるという組織ではいけない。本校ではチーム制なので1人の生徒を1人の先生が抱えるのではない。多くの教員研修を行っている。フィードバック面談など常に適切に進化し続ける組織を作りたい。

塾の先生方には、生徒さんに「あなたの志を見つけて育ててくれる学校みたいだよ」と言ってほしい。

6年間のカリキュラムと学習進路支援 「志」の開拓

進路指導部長の高桑 浩一先生より、カリキュラムや学習進路支援についてお話がありました。

学習支援について。2年を一区切りとしている。初めは学習習慣をつける。次に学びを深める。高2で文理分け、高3では入試問題演習を中心に行う。

人生を主体的に生き生きと生きる力を与えたい。自己決定とは自分の価値観に基づきやりたいことを自分で決めること。自己効力感とは、自分は物事を達成できるという自信を持つこと。今できなくても課題に立ち向かう力が大事。関係性とは周囲の人々と互いに良い影響を与え合うこと。この3つから学ぶ喜びが生まれる。できなかったことをできるようになることや知らなかったことを知ることは楽しいこと。学ぶ喜びを中高で知ってもらいたい。そのための取り組みは授業がベース。

主体的・対話を重視した授業を行う。双方向のやり取り、ペア学習グループ学習など。

中学生の授業ではiPadや動画も使用、皆の前での発表あり。先生が主役ではない授業、生徒が主体の授業を行う。ICTとして各教室に電子黒板を設置、校内Wi-Fi、生徒は各自iPadを所持。イングリッシュアイランド、サイエンスアイランド、図書館をラーニングフォレストに改装。面談、学習手帳、学習が遅れがちの生徒に補習。英検対策講座、駿台講師によるトップレベル講座、アタマプラス講座を行っている。

セルフスタディアイランドは18:45まで残って自習できる。部活の後も勉強できる300席自習可能な場所。月曜木曜は大学生(半分は山脇OGのチューター)が質問対応している。

英語教育について、語学力だけではなくグローバルに活躍するためのマインドの育成に力を入れている。入学時から5段階に分けて習熟度別授業を行っている。英検準1級〜初心者まで。新入生の4分の3はG1スタートなので、英語初学者でも問題ない。学年が上がるとG2以上の生徒が増えてくる。中1だと英検持っている人は少ないが、中3だと半分以上が準2級持っている。

⭐︎キャリア教育カリキュラムについて。中学入ってすぐに大学受験の話はしない。まずは自分自身を知ることが大事。卒業後に実現してほしいことは以下の通り。他者とのつながりの中で自分らしく生きること、社会の中で自分の居場所を作っていくこと。中学でのキャリア教育として金融リテラシーの授業、東大進学部長の講演、進路別のセミナーなどを行っている。高大連携協定を結んでいるところは5校ある。充実させていきたい。指定校推薦など進路の話だけではなく、高校の教育を充実させていきたい。問題解決教育のために早いうちからアカデミズムに触れることが大事。進路として9割が四年生大学に現役で進学している。今年は国公立3名進学。医学部6名進学は過去最多。早稲田7名、慶應4名、上智11名進学。GMARCH以上に進学した生徒が31%。多様な進路がある。総合型選抜での進学が増えている。高2は4割が理系、今後は理系が増えてくる見込み。一人一人の志にとことん向き合っている。鳥の研究をやりたい生徒が北海道教育大学に話を聞きに行き、そこで研究を紹介され、今は弘前大学に行きたいとなっている。

生徒へのアンケートでは大学受験指導の満足度95%と高い。

受験生への紹介映像

中1は琴、中2は礼法、中3は華道を学ぶ。
中1・2はサイエンティストの授業があり実験観察と考察を学ぶ。
①EI イングリッシュアイランド、病院やハリーポッターの世界観を表現した部屋もある
②LF ラーニングフォレスト 図書室とグループワークエリアが一体化 本は60000冊 
③カフェテリア 放課後には焼きたてパンやポテトなどの軽食を食べることができる
山脇祭 5学年で行う
体育祭 全学年が参加
合唱祭 中学3学年 毎年2月
第一制服 日本初の洋装の制服、式典の際に着用
第二制服 普段づかい スラックス導入が検討中

社会で生きる人間性、学ぶ力の育成

教頭補佐の松本 健一郎先生から、「総合知」教育についてお話がありました。

社会で活きる、人間性・学ぶ力の育成を行う。どういった人を仕事のパートナーとして選びたいか。人間の能力を氷山に例えると、海水面上の能力は見える。人間の能力には見える能力。見えにくい能力、見えない能力がある。見えない能力をどうやって育むか。総合知を育んでいきたい。近年は専門的な能力だけでは太刀打ちできない問題が出てきた。総合知を育む7つのプログラムがある。

EIS→実際の場面を想定しながらスピーキングやライティングの能力向上を図る。
知の技法→言語技術を磨く。文章や絵画を読み取り、それを他者に伝える論理的思考力や表現力を育む。
サイエンティスト→研究に必要なスキルと観察力や好奇心を育てる。理科的スキルだけではない。
探究基礎→データサイエンスを学ぶ。
技術→ものづくりを行う。プラモデルとかラジコンなど女の子が触れてこなかったもの。正解のない課題にどのようにアプローチするのかを考えて、課題設定能力と課題解決能力を磨く。
ELSI→科学倫理の授業。価値判断を勉強しましょうという授業。AIに倫理的判断を委ねてよいか、トロッコ問題など。
6年間のクラス編成で目に見えない能力を育む。大学受験に向けて専門知を育む。高2の文理分けのお試しが中3チャレンジプログラム。英語チャレンジプログラム、科学研究チャレンジプログラムなどがある。どのプログラムを取っても基本的な授業は同じ。

高校での選択コースは3つ。
1.リベラルアーツコースではドラマエデュケーションなどを行う。
2.国際教養コースは来年度から開講する。英語をテーマにいろんなことを学ぶ。アントレパートナーシップなど。
3.サイエンスコースでは専門的な研究活動を行っていく。国内外の科学コンテストへの応募など。華道など日本的な価値を海外に出たときに説明しなければならない。

⭐︎非認知スキルとは人間性やモラルなど見えない能力、テストでは測りきれない能力である。向自己 感情を抑える、向他者 関係構築、向社会の3つがある。対人関係構築のためのトレーニングを行う。非認知スキルを育むために→各種の行事を通じて学んでいく。サボってる生徒にどう声をかけるかなど。

入試について

入試広報部長の堀江 綾先生から、2024入試の振り返りと、2025入試についてのお話がありました。

2024入試の振り返り

いずれの試験種別でもしっかりした答案だった。志願者は減ったが受験者は変わらず後半は厳しい入試になった。繰り上げも出さず。三大模試の偏差値上がっている。日程ではAとCは4教科、Bは2教科。昨年は6割ボーダー、近年は6割5分がボーダー。足切り点なし。回による問題の難易度の差はつけていない。今年度は1教科入試国語65、算数62がボーダー。平均すると国語は65〜70% 、算数は65%がボーダー。チャレンジ層の受験が減った。英語AL入試は募集停止。探究サイエンス入試は名称変更。受験者アンケートでの本校を受験する決め手。上位は変わらず、校風、施設の充実など。昨年の大学通信オンラインで塾の先生が勧めたい学校の女子校1位になった。学校として嬉しいこと。

2025年度入試について

入試で求める生徒像、アドミッションポリシーが本校での学びにつながる。
1.一般入試 変更なし
2.午後一科入試 現在の高3から開始した。国語は読解中心で記述が長くなることが一般入試との違い。算数は応用で正解まで辿りつかないと丸にならないことが違い。
3.英語入試 一般入試と同問題の国語算数を行う。英検3級相当の実力保有者を対象。
4.理数探究入試では試験科目と内容をリニューアルする。2/3午後の実施は変わらない。算数は算数的思考力を図る問題、理科は生活の中での科学をテーマとした問題を出題する。
5.帰国生入試では2月の帰国生入試を停止する。帰国生の資格は海外に1年以上、帰国後3年以内。帰国2期のエッセイ入試を2回に増やす。

学校訪問を終えて

近年の女子校の入試広報でトレンドとなっている科学教育の充実を掲げており、アドミッションポリシーがしっかりしていて分かりやすいこと、交通の便が良く施設が充実していることなど、人気が下がることはなさそうと感じました。